wikipediaより
イソプレン(isoprene)は分子式 C5H8 の、二重結合を2つ持つ炭化水素。ジエンの一種。IUPAC命名法では 2-メチル-1,3-ブタジエン (2-Methyl-1,3-butadiene) と表される。分子量 68.12、融点 -145.95 ℃、沸点 34.067 ℃。室温では揮発性の高い無色の液体。可燃性・引火性に富み、特に霧状で大気中に存在すると爆発の危険がある。CAS登録番号は [78-79-5]。
産業のみならず生体物質としても有名ではあるが、場合によっては環境や人体に多大な影響を及ぼす恐れがある。
工業的役割 [編集]
イソプレンは工業的には、ナフサなどの熱分解の副生成物として容易に得ることができる。工業的に作られるイソプレンはゴムの合成に使われることがほとんどである。
天然ゴムはほぼ cis-1,4-ポリイソプレンで表すことの出来る、10万~100万のイソプレン分子からなる付加重合体である。天然ゴム中には、通常、微量ではあるがたんぱく質や脂肪酸、無機物などが含まれている。天然ゴムの中には cis-1,4-ポリイソプレンの構造異性体である trans-1,4-ポリイソプレンがわずかながら含まれているものもある。
生物学的役割 [編集]
イソプレンは動植物の体内で自然に生成され、人体でも生成される最も一般的な炭化水素である。人体におけるイソプレンの生成率は 1時間に 15μmol/kg であり、 70 kg の人が 1日に作り出すイソプレンは 17 mg と推算される。自然環境、食物に低濃度で広く存在している。
この体内生成は生物学的に重要な反応である。たとえば、テルペノイド類のテトラテルペンに分類される、β-カロチンをイソプレンから得られるのである。またレチノール(ビタミンA)・トコフェロール(ビタミンE)・ドリコール・スクアレンなどもイソプレンから得られる。
融点 -145.95 °C
沸点 34.067 °C