シックハウス症候群診療マニュアルQ&A | 化学物質過敏症 runのブログ

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あ)Q&A
Ⅰ.用語について
Q1.ハウスダストとはどのようなものですか。
A.
●日本語でいえば、家のほこり・ノミやダニの死骸などの総称である。

喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の原因になると考えられている。
Q2.VOCの意味を教えてください。
A

揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound)の略で、 WHOで沸点に基づいて分類された化学物質の総称。トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを指す。
Q3.指針値とはどういう意味ですか。
A

現在の科学的知見から、人が一生涯にわたって摂取しても健康への悪影響がでないであろうと判断される数値から算出したものである。その設定の趣旨は、指針値までは良いという意味ではなく、この値以下がより望ましいということである。また、この指針値を越えても、直ちに健康障害を引き起こすとはいえない。

厚生労働省は室内空気環境汚染の改善を目的に13物質の指針値を発表している。
Q4.MSDS(化学物質等安全データシート)とはなんですか。
A

Material Safety Data Sheetsの略。化学物質およびそれらを含有する製品の物理化学的性状、危険有害性、取り扱い上注意等についての情報を記載した化学物質の安全データシートのことである。
(参考)
MSDSの通知内容
1.名称
2.成分及び含有量
3.物理化学的性質
4.危険有害性の種類
5.人体に及ぼす作用
6.貯蔵または取り扱い上の注意
7.事故時等における救急措置
8.MSDSを作成した者の氏名及び住所
9.厚生労働省労働基準局長が定める事項
「化学式または構造式」「官報公示整理番号」「CAS番号」
「国連分類および国連番号」「適用法令」
Ⅱ. 室内空気質による健康影響に関する相談
Q5.広義のシックハウス症候群の原因は何ですか。
A

室内空気質(Indoor Air Quality)に影響し、健康に影響を及ぼす可能性のある要因として3要因ある。

化学的要因(揮発性有機化合物(ホルムアルデヒド、有機溶剤、殺虫剤など)、二酸化炭素、オゾン、たばこの煙など)

生物的要因(細菌、カビ、ウィルス、植物花粉、ダニなど)

物理的要因(高熱、騒音など)
Q6.シックハウス症候群というのは病名ですか。
A

厚生労働省は診療報酬請求において傷病名としては認めている。

「病名」かということになると、医学的にはまだ確定されてはいない。
Q7.シックハウス症候群になりやすい体質はありますか。
A

アレルギー体質の方が罹患しやすいという報告がある。

既存のアレルギー性疾患が、室内空気質の悪影響を受けて症状を悪化させる例は多数報告されている。喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性の既往歴を持っている人は注意が必要。
Q8.シックハウス症候群の診断では、どのような検査を行うのがよいですか。
A

既往症のアレルギー疾患等、他の疾患との区別が非常に難しいため、現状では正確に診断できる検査・診断方法はない。

診察例

徹底した問診(発症時期・症状、住環境の変化があったか、症状の変化があったか、など)

問診をふまえた診察:症状・兆候の把握、他疾患の除外
(参考)化学物質の暴露情報を得るために、住宅の揮発性有機化合物濃度数値等を求められる場合もある。
Ⅲ. 居住環境に関する相談
Q9.新改築後にすぐ入居して安全ですか。
A

可能であれば完成後1ヶ月位は入居をひかえ、使用した溶剤や塗料が完全に乾き、換気を充分に行った後に入居したほうが良い。
入居後は換気を特に入念にすることを勧める。また、外出時も換気扇を作動させておくなど、絶えず外気と室内の空気の交換を行ったほうが良い。

予防対策として、新改築前に使用する建材や材料の打合せをすることも重要。

入居前の事前策として、一定時間室内温度を高め、有害物質の放散を促進させた後、換気を行うことを繰り返すのが有効な場合もあることが報告されている(「ベイクアウト」と言う)。ただ、条件や手法が完全には確立されていないので、専門家への相談が必要。