シックハウス(化学物質過敏症)の診断方法
それは、それまでは症例も少なく症状も決まったものがなく病気そのもの定義が難しかったからです。特に化学物質過敏症の患者は他の人が何とも無いのに過敏症の患者だけが症状を訴えるのか理解されませんでした。
シックハウス(化学物質過敏症)判断が困難なのは症状のほとんどが自覚症状で証明が難しかったからでした。
しかし1999年にその定義がアメリカで発表され、初めて病気として認知されました。
まずは問診表による設問。特徴的な症状を医師が見極める事が重要となりますがウソを書くこともできます。
なので問診表だけでは実証できない為次の検査があります
自律神経機能の検査のひとつに瞳孔反応検査があります。
瞳孔は明るいところでは縮み、暗いところでは広がります。明るいところでは副交感神経で、暗いところでは交感神経によって広がることが分かっています。
そこで目に一定の明るさの刺激を与えたときの瞳孔の収縮、拡大の様子を調べることによって自律神経の異常を客観的に検査することができます。
正常な場合には副交感神経も交感神経も同様な強さで働きますがシックハウス(化学物質過敏症)の患者の場合は副交感神経が優位に働いている場合が多いことが分かっています。
この検査では患者が意図的に自律神経をコントロールして異常値を出すことは不可能なので客観的なシックハウス(化学物質過敏症)の証拠になります。
もうひとつの分かりやすい方法は眼球運動の検査です。
正常な人は動いている目標にスムーズに追従することができますがシックハウス(化学物質過敏症)の患者の場合は目の動きが階段状になり大きく乱れます。これは大脳から目を動かす筋肉に伸びている長い神経経路にどこかに障害があるのが原因です。この検査方法は大変有効でほとんどの、シックハウス(化学物質過敏症)の患者のに異常が認められます。
特にこの症状は有機リン、トルエン、ホルムアルデヒドに反応する患者で重症になるとひどくなります。
このほかにチャレンジテストといわれる負荷試験があり、これはクリーンルームで原因物質を直接投与して症状の悪化を確認するといったダイナミックな方法でプラセポ(偽薬)を組み合わせて行います。
この方法を使うと原因物質の特定に役立ちます。
チャレンジテストが行える施設はかなりの条件があり、なかなか実施できる施設は少ないです。その中のひとつに北里研究所病院があり、床は御影石、壁と天井はほうろう引きの鉄板で作ってあり空気汚染物質の濃度が極度に低い特殊な検査室です。
(クリーンルーム完備)
医療機関名所在地電話番号
国立病院機構
盛岡病院
化学物質過敏症外来
岩手県盛岡市青山1-25-1 019-647-2195
国立病院機構
相模原病院
臨床環境医学センター
神奈川県相模原市桜台18-1 042-742-8311
国立病院機構
南岡山医療センター
アレルギー科
岡山県都窪郡早島町大字早島4066 086-482-1121
国立病院機構
高知病院
アレルギー科
高知県高知市朝倉西町1-2-25 088-844-3111
国立病院機構
福岡病院
アレルギー科
福岡県南区屋形原4-39-2 092-565-5534
注意:予約が必要な場合があります。