1.統合失調症
生活全般にわたって、妄想、幻覚が認められる場合は統合失調症の診断を疑う必要がある。SHSやその原因になる化学物質に関してのみならず、関連した様々な出来事に関して、一貫性のない現実とは明らかに違うと思われる話が聞かれるような場合である。
成人の有病率は1%程度と低くはないので、注意が必要である。
2.妄想性障害
妄想性障害では、奇異でない、現実生活の限られた状況に関する妄想が1ヶ月以上続くことで診断されるために、統合失調症よりも鑑別は難しくなる。しかし、この場合も、注意深く話を聞くことで、現実との食い違いが明らかになることが多い。
妄想の内容が、自分が何らかの方法で悪意を持って扱われている(例えば、隣家が農薬を撒いて嫌がらせをしている)といった被害型の場合は、比較的容易に診断を疑うことはできるが、精神科への紹介も含めてその後の治療には難渋することも多い。
Ⅵ まとめ
大うつ病、パニック障害、統合失調症、妄想性障害などを疑った場合は、専門に診る科が違う可能性が高いことを、患者に分かりやすく説明した上で、精神科や心療内科を紹介するのがよい。
ただし、妄想性障害や統合失調症などでは、なかなか受診につなげるのが難しいことも多いと思われるため、予めリエゾン(治療チーム)のような形で精神科医にコンサルとしやすい形を作っておく方が望ましい
runより:実はこのレポートはこれで半分位です。シックスクール、シックハウス症候群、化学物質過敏症の「判断」における部分はここまでとします。
色々自分を見つめなおして治療する事に役立つと思います。
近い内続きを記事にします