シックハウス症候群診療マニュアル13 | 化学物質過敏症 runのブログ

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Ⅳ 不安障害
1.パニック障害
大うつ病の次に鑑別すべきは、パニック障害である。その理由は、この疾患も比較的有病率が高く(女性2%、男性1%程度)、こちらは非持続性(発作性)の自律神経失調症状が認められるからである。
パニック障害と診断するためには、表2に示したパニック発作症状のうちの4つ以上が、何の理由もなく突然起こり10分以内にピークに達することが、2度以上あることが必要である。しかし、患者本人が、症状の出現を特定の化学物質などと関連付けている場合は、鑑別が難しくなる。
その場合には、化学物質の存在と関係なしに発作が起こったことがないかどうかを慎重に確認していく必要があるが、睡眠中(通常夢は見ていない)にも発作で目を覚ますことがあればパニック障害と診断してよい(パニック障害の半数程度に認められる)。
表2 パニック発作の診断基準
1,心臓がドキドキする
2、汗をかく
3、身体や手足の震え
4、呼吸が速くなる、息苦しい
5、息がつまる
6、胸の痛みまたは不快感
7、吐き気、腹部の嫌な感じ
8、めまい、頭が軽くなる、ふらつき
9、非現実感、自分が自分でない感じ
10、常軌を逸する、狂うという心配
11、死ぬのではないかと恐れる
12、しびれやうずき感
13、寒気または、ほてり

2.広場恐怖
広場恐怖とは、パニック発作やそれに類する症状が起こった場合に、誰にも助けてもらえなかったり恥ずかしい思いをしそうな状況を避ける症状のことであり、パニック障害に伴う場合と伴わない場合がある。典型的には、「あの場所に行くとまた発作が起こりそうだから、行くことができない」といった症状になる。
ここでは、どんな場所でどんな症状が出ることが怖いのかを確認していくことが重要であるが、ある特定の場所で化学物質のために具合悪くなることが極度に怖くてそこに近づくことさえ出来ないという場合には、この診断を付ける必要がある場合もある。
3.特定の恐怖症
特定の対象物や場所自体に対する恐怖を感じる病態であり、高所恐怖症、ヘビ恐怖症、雷恐怖症などがその例である。ある化学物質やそれがある場所自体が極度に怖いといった場合には、広場恐怖ではなく、この診断を付ける必要がある場合もある。