熱に関する安全性-電子レンジで加熱されたものに触った場合、従来のオーブンや調理プレートで加熱されたものに触った時と同じように火傷をすることがあります。
しかし、電子レンジで食物を加熱する場合いくつかの特異な現象が生じまう。従来の調理器具で水を沸騰させた場合は、沸騰し始めると気泡が立ち、それによって蒸気を逃がすことができます。
電子レンジの場合には内壁に気泡がないので、水は過熱状態になり突然煮えたぎります。液体内に存在している1個の泡や、スプーンなどの異物を入れたことが引き金となり、このような突然の沸騰が起きる場合もあります。
水が過熱状態になり、重度の火傷を負った事故が起きています。
マイクロ波による調理のもう一つの特徴は、特定の食物の熱反応に関係するものです。例えば、表面に小孔のないもの (ホットドッグなど) または加熱速度が異なる物質でできているもの (例えば卵の黄身と白身) は不均一に加熱されて爆発するおそれがあります。
このような爆発は、卵や栗を殻付きのまま調理した場合に起こり得ます。
食物の安全性-食物の安全性は健康に関わる重要な問題です。電子レンジ内部の加熱速度は、電子レンジの定格出力および加熱する食物の水分、密度および量に左右されます。
さらに、マイクロ波エネルギーは、食物の厚い部分は透過しにくく、調理が不均一になる恐れがあります。
食物の一部が十分に加熱されず潜在的に危険な微生物を殺すことができない場合は健康に危険が及ぶことにもなります。
電子レンジで食物を加熱する場合は調理が不均一になる恐れがあるが、加熱が終わった後も数分間は取り出さないようにすることで、食物全体に熱を通すことができます。
電子レンジで調理された食物は、従来のオーブンで調理された食物と同じように安全であり、栄養値も変わりません。この2つの調理方法の大きな違いは、マイクロ波エネルギーは食物により深く浸透し加熱時間が短くても食物全体に熱が伝わるので、全体の調理時間が短縮することにあります。
なお、哺乳瓶などを殺菌消毒できるように設計されている電子レンジが数種類あります。電子レンジを殺菌消毒の目的で使用する場合は、メーカーのマニュアルでその使用が可能であるかどうかを確認すべきです。