端末機
携帯電話の端末機は低出力のRF送信機で、その最大電力は0.2から0.6ワットの間です。
携帯型の送受信機で他のタイプ(例えばトランシーバ)では、10ワットまたはそれ以上を発するものもあります。
RF電磁界の強さ(すなわち利用者へのRF曝露量)は、端末からの距離にともなって急激に弱まります。したがって、ハンズフリー機器を使って頭から何十センチか離して携帯電話を使う人のRF電磁界曝露は、端末を頭に直接つけて使う人よりも格段と低くなります。
また、携帯電話使用者の付近にいる人へのRF曝露量については非常に低くなります。
基地局
基地局は、数ワットから100ワット、もしくはそれ以上まで、サービスを提供する対象地域の大きさまたは「セル」によって、その放出する電力レベルは違います。
基地局のアンテナはふつう2、30センチくらいの幅に1メートルの高さで、ビルや塔の地上から15~50メートルのところに備え付けられています。これらのアンテナからは通常、垂直方向には狭く水平方向には広いRFビームが発せられています。
このビーム分布の垂直方向の狭さのため、アンテナ直下の地上でのRF電磁界は弱いのです。RF電磁界の強さは、基地局から離れると若干増大し、アンテナからは離れるほど弱くなります。
屋根の上に設置された2~5メートルのアンテナの場合、RF電磁界が曝露制限を越えるところに人を近づけないよう通常フェンスがあります。アンテナはその電力を外方向に向け放出し、背面からやアンテナ上部、下部方向に向けては多くのエネルギーを放出しませんから、ビルの中や壁面近くのRFエネルギーはふつう、非常に小さいです。