イソプロピルアルコール | 化学物質過敏症 runのブログ

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イソプロピルアルコール

.危険・有害性の要約

分類の名称 : 引火性液体、急性毒性物質
有害性 : 高濃度の蒸気を吸入すると急性中毒を起こすことがある。眼、鼻、のどへの
接触で刺激性がある。
環境影響 : 生分解性されやすい。生態毒性は強くはない。
危険性 : 引火性の強い液体 (引火点 11.7 ℃)
4.応急措置

吸入した場合 : 被災者を直ちに空気の新鮮な場所に移動させる。
身体を毛布などでおおい、保温して安静を保つ。
呼吸が止まっている場合及び呼吸が弱い場合は、衣類を緩め呼吸気道を確保した上で人工呼吸を行う。
医師の診断を受ける。
皮膚に付着した場合 : 汚染された衣服、靴などは速やかに脱ぎ捨てる。必要であれば衣服等を切断する。
その後、水または微温湯を流しながらよく洗浄する。
石けんを使ってよく洗い落とす。
外観に変化が見られたり、痛みが続く場合は医師の手当を受ける。
目に入った場合 : コンタクトレンズを使用している場合は固着していない限り、取り除いて洗浄する。
最低15分間洗浄した後、直ちに眼科医の手当を受ける。
洗眼の際、まぶたを指でよく開いて、眼球、まぶたの隅々まで水がよく行き渡るように洗浄する。
飲み込んだ場合 : 吐かせようとしてはならない。
水でよく口を洗わせる。口から何も与えてはならない。
嘔吐が自然に起こったときは、気道への吸入が起きないように身体を傾斜させる。
保温して速やかに医師の診断を受ける。

.暴露防止及び保護措置

管理濃度 : 400 ppm
許容濃度 : 日本産業衛生学会勧告値(1999)
  最大許容濃度 400 ppm (常時この濃度以下に保つこと)
ACGIH 勧告値 (2000年確定リスト)
  TLV - TWA  200 ppm
  TLV - STEL  400 ppm
設備対策 : (1) 室内での取扱いの場合は発生源の密閉化又は局所排気装置を設ける。
(2) 取扱い場所の近くには安全シャワー、手洗い、洗眼設備を設け、その位置を
   明瞭に表示しておく。
保護具 : 呼吸器系保護具:有機ガス用防毒マスク、高濃度の場合は空気呼吸器
手の保護具   :不浸透性ゴム手袋
目の保護具   :ゴーグル型眼鏡、保護面

.物理的及び化学的性質  1) 3) 8) 10) 

外観 : 芳香臭のある揮発性液体、無色透明
沸点 : 83 ℃
融点 : -90 ℃
引火点 : 11.7 ℃ (CC)、 18.3 ℃ (OP)
爆発範囲 : 2.0 ~12.7 vol%
自然発火点 : 455 ℃
蒸気圧 : 4.4 kPa ( 33 mmHg ) ( 20 ℃ )
蒸気比重 : 2.1 (空気=1)
比重 : 0.79
溶解性 : 水、アルコール、エーテル、その他ほとんどの有機溶剤とよく混合する。
オクタノール/水分配係数 : log Pow < 0.28 1), = 0.05 (実測値)  8) 
比熱 : 2.55 J/g℃ ( 0.608 cal/g℃ )
粘度  : 2.431×10-3Pa・s ( 2.431 cp ) ( 20 ℃ )

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.安定性及び反応性

保管が長期にわたると過酸化物が生成することがあるので取り扱いにあたっては注意を要する。  11)
強酸化剤と反応する。 プラスチックやゴムを侵すことがある。

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.有害性情報

  1.ヒトへの健康影響


   ・ボランティアによる実験では 400 ppm で、眼、鼻、のどに弱い刺激作用がみられ、800 ppm では
    その作用が増すが強いというほどではなかった。   3)
   ・ACGIH の許容濃度は眼などへの刺激作用と麻酔作用を防ぐという観点から決められている。  3)
   ・ヒトでの経口の推定致死量は 240 ml である。但し 20 ml でも中毒を起こす。  3)
   ・急性中毒では急激な血圧低下、吐き気、嘔吐、嗜眠、頭痛、麻酔作用が見られる。  3) 8)
  

  2.動物への影響

   (1)急性毒性  5)

経口 ラット LD50 4,700~5,840 mg/kg
マウス LD50 4,500 mg/kg
吸入 ラット LC50 19,000~22,500 ppm (8時間暴露)
経皮 ウサギ LD50 12,900 mg/kg

   (2)刺激性  8)

    ・皮膚刺激性  ウサギ   500 mg   軽度
    ・目刺激性    ウサギ    10 mg   中等度、  100 mg   中等度~重度

   (3)感作性

     報告が見られない。

   (4)反復投与毒性  4) 8)

    ・ラット、マウスに6時間/日、5日/週、13週間、濃度 0, 100, 500, 1500, 5000 ppm で吸入暴露 した結果、
     5000 ppm で一時的な中枢神経抑制作用がみられた。その他の影響はみられなかった。
    ・吸入暴露でがん原性試験における腫瘍以外の無有害作用濃度 (NOAEL) はマウス、ラットともに
     500 ppm であった。
    ・ラットでの27週間飲水投与では 1000 mg/kg/d. 以上で体重増加の抑制がみられている。

   (5)神経毒性  4) 8)

    ・ラットを用いた急性神経毒性試験では、1500 ppm 以上で麻酔作用がみられた。無有害作用濃度
     (NOAEL) は 500 ppm である。
    ・イソプロパノールはエタノールの2倍の強さで中枢神経系を抑制する。


   (6) 慢性毒性

     報告がみられない。

   (7)変異原性

    ・エームス試験で陰性  4) 5)
     ・ラットを用いた染色体異常試験で陽性  8)
     ・マウスを用いた小核試験で陰性  4) 5)


   (8)発がん性

    ・IARC による発がん性の評価 : グループ3(ヒトに対する発がん性については分類できない)
    ・ACGIH による評価        :  A4  (2000年確定リスト)
                              (発がん性物質として分類できない物質)


   (9)催奇形性  4) 8)

    ・ラットを用いて妊娠6~15日の10日間、0, 400, 800, 1200 mg/kg/day の用量で強制投与したところ、
     800 mg/kg/day 以上で母動物に死亡がみられ、胎児体重が減少したが、奇形はみられていない。
    ・ウサギに 0, 120, 240 及び 480 mg/kg/day を妊娠6~18日の13日間投与したところ、480 mg/kg/day で
     母動物に死亡、体重増加の抑制、摂餌量の減少がみられたが、胎児への影響はなく奇形もみられて
     いない。


   (10)生殖毒性  4) 8)

    ・ラットに 0, 100, 500, 1000 mg/kg/day を投与した2世代生殖毒性試験で、無有害作用量 (NOAEL) は
     500 mg/kg/day であった。


   (11)代謝・排泄  5) 8)

    ・IPA は消化器や肺から容易に吸収される。
    ・吸収されたIPAは一部そのまま呼気、尿に排出されるほか、80~90 % は肝臓のアルコール脱水素酵素
     によりアセトンになる。アセトンは一部そのまま排泄され、大部分は酢酸をへて二酸化炭素になる。
    ・IPA を誤って飲んだ6人の例では、IPA とアセトンの半減期はそれぞれ2.9~16.2時間と7.6~26.2時間
     であった。


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.環境影響情報  6)

生分解性 : BOD5 理論酸素要求量の 7 % ( 10 mg/l, 非馴化汚泥、誘導期間5日間)
      〃  〃      72 % (馴化汚泥)
BOD20  〃  〃      70 % ( 10 mg/l, 非馴化汚泥)
以上より生分解性は良好と判断され、「化審法」の既存化学物質点検でも分解性良好と報告 7)
されている。
濃縮性 : オクタノール/水分配係数の値 ( log Pow < 0.28 , = 0.05 (実測値) )より推定して蓄積性は低い。
生態影響 : 魚     fathead minnow     LC50 (96hr)  11,130 mg/l
ミジンコ  Daphnia magna  繁殖阻害  EC50   3,010 mg/l
                         NOEC  2,100 mg/l
藻類    Scenedesmus quadricauda   増殖阻害  EC50 (7d)  1,800 mg


runより:私はこの物質が非常に苦手です。吸うとケイレンします。