平成15年度 有機溶剤作業主任講習より
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有機溶剤による健康障害
1 付着
皮膚、粘膜(眼、気道と肺ほう)、消化管
2 吸収
皮膚から特に吸収されるものとして、25種があげられる。傷があればさらに多い。
呼吸器からはすべての有機溶剤が吸収される。
消化管からのルートは稀とされるが、誤飲がある(平成14年、パソコンを操作中の男性がホワイトボードを消すための薬品:エタノール88%、イソプロピルアルコール10%、メチルエチルケトン2%を飲料水用のボトルに入れて机のうえにおいていたがこれを誤飲)。肝臓をへて血液に入る。肝機能の低下があれば、解毒がされない。
3 循環
血液に入ると、まず脳に行く。脳は脂肪が多い。脂肪組織にまず蓄えられる。そうして、ここで麻酔作用を発揮する。エーテル、クロロホルム、トリクロルエチレンは麻酔剤として使われたこともあり、この作用は強い。
4 体内蓄積
有機溶剤の種類により蓄積される臓器(標的臓器)が異なる。
① 神経組織にはすべての有機溶剤が障害をあたえるが、特にトルエン、キシレン、二硫化炭素は中枢神経系に蓄積し、頭痛、めまい、記憶力低下、失調症状、手指震顫、失神、精神症状(不安、短気、焦燥感、不眠、無気力など)を起こす。
メタノール、酢酸メチルは視神経障害を与える。
Nヘキサンは末梢神経障害を起こす。
② 骨髄にはトルエン、キシレン、セロソルブ類が障害を与える。
③ 肝臓には
クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、
1,2-ジクロロエチレン、1,1,2,2-テトラクロルエタン、
クロルベンゼン、オルトージクロルベンゼン
トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン,
N,N―ジメチルホルムアミドの障害が強い。
④ 腎臓では、
クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロルエタン、
1,2-ジクロルエチレン、1,1,2,2-テトラクロルエタン、
クロルベンゼン、オルトージクロルベンゼン、
トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン
が障害を与える。
5 排泄
呼気から:テトラクロルエチレン(99%)
尿から:スチレン(85%)
便から:
汗から:
6 代謝物質等 の尿中排泄測定検査
分解、代謝され、解毒されて、中間代謝物として、尿中に排泄される。
有機溶剤中毒予防規則29条では、常時、有機溶剤屋内作業場等で働く労働者については、医師が必要と認めた場合、必要とされる検査項目に加えて、作業条件の調査、貧血検査、肝機能検査、腎機能検査、神経内科的検査を行わなければならないとしている。その中で、
別表では、9種類の有機溶剤について、尿中の測定すべき検査が指示されている。
キシレンは95%がメチル安息香酸をへてメチル馬尿酸になり、尿からでる。
スチレンは85%がマンデル酸となり、尿から出る。
トルエンは馬尿酸となり排泄される。
ノルマルヘキサンは2,5ヘキサンジオンをへてパレロラクトンとなって尿に出るが、2,5ヘキサンジオンを測定する。
runより:この中で一番怖いのは・・・
>3 循環 血液に入ると、まず脳に行く。脳は脂肪が多い。脂肪組織にまず蓄えられる
ココです。シンナー遊びを続けてた人の脳をCTスキャンで見ると萎縮してる事がわかります。
人体も有機物なので有機溶剤は溶かしてしまうのです。
岩手のシックスクール問題の子供達は脳に影響が無いか心配です