パム | 化学物質過敏症 runのブログ

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プラリドキシムヨウ化メチル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プラリドキシムの構造式(カチオン部)プラリドキシムヨウ化メチル(プラリドキシムヨウかメチル、pralidoxime iodide)は、有機リン剤中毒の特異的な解毒剤である。商品名はパム(PAM)、またオキシム剤と呼ばれることもある。化学的にはピリジニウム環にオキシム部位が置換した構造を持つ。

サリンやVXガスなどの解毒剤として知られているが、本来想定していた用途は、有機リン系の農薬中毒に対してであった。しかし、サリンなどの神経ガスも有機リン剤の一種であるため、効果を発揮する。1995年の地下鉄サリン事件では、全国各地のPAMを新幹線で集め、600人以上の被害者の命を救ったことで、一躍有名となった。

作用機序 [編集]
有機リン剤は、神経の化学伝達物質であるアセチルコリンの分解酵素、コリンエステラーゼ (ChE) の酵素活性中心に結合することで、本来のアセチルコリン分解作用を失活させる。そのことにより増長したアセチルコリンの作用が意識障害、徐脈、血圧低下、縮瞳などの中毒症状を引き起こす。

本剤は、酵素活性中心に結合した有機リン剤を切断解離させる作用をもち、その結果、ChEの活性を回復させるので、有機リン剤に対する解毒作用をあらわす。

ただし、有機リン剤がコリンエステラーゼに結合して一定時間がたつと、エイジングとよばれる不可逆変化が起こり、薬が効かなくなる。 たとえば、サリンの1/2エイジング時間は約5時間なので、浴びてから5時間以内に投与しなければ手遅れとなる。

類似する中毒症状に対する適用上の注意 [編集]
有機リン剤と同様の作用機序を示すカルバメート剤においては、有機リン中毒と同じく血清コリンエステラーゼ活性の低下が見られる。しかし、本剤によってはコリンエステラーゼとカルバメート剤の結合は解離できないので、PAM ではなくアトロピンを投与すべきである。