カール・ミュンヒンガー バッハ 「マタイ受難曲」 柔らかく誠実なエヴァンゲリスト 気品あるイエス | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日はなんと「マタイ受難曲」を聴き始めてしまい(笑)

成り行きで途中で止めるにやめられず、というような感じでずっと聞き続けてしまったのでした(笑)

 

今日聴いたのはカール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団による1964年7月録音の音源です。

これは私にとって想い出のある演奏でした。私が自分で購入した「マタイ受難曲」のレコードはこれだったか、フルトヴェングラーの演奏だったかちょっと記憶が曖昧なのですが、学生時代、「マタイ受難曲」などのバッハの作品の演奏に参加していた頃、人に聴かせてもらっていたのはカール・リヒターの演奏が主で、新しいオリジナル楽器による演奏も出始めていた頃だったかも知れません。また古い演奏を好む人はメンゲルベルクのレコードを挙げていました。(逆に古臭い時代遅れの演奏の代表としてメンゲルベルクのレコードを聴かせてもらった記憶もあります(笑))

そんな中で。へそ曲がりの私が自分で選んだレコードがこのカール・ミュンヒンガーのレコードとフルトヴェングラーのレコードだったのです。フルトヴェングラーのレコードに関してはフルトヴェングラーファンとして、彼がこの名曲をどう料理しているのか、メンゲルベルクとどう違うのかという興味、だったと思います。そしてカール・ミュンヒンガー盤は独唱者の顔ぶれです。と言うよりテノールのアリアをフリッツ・ヴンダーリッヒが歌っていると言うのが決め手だったと思います。

 

レコードを処分してしまってからずいぶん久し振りに聴くカール・ミュンヒンガー盤の「マタイ受難曲」は。


何だかほっとする演奏です。穏やかなテンポ。しみじみと語りかけるような音楽。エヴァンゲリストのピーター・ピアーズの声や表現の印象が全体の雰囲気に繋がっているのでしょう。柔らかな声。誠実な表現。素晴らしいエヴァンゲリストです。

そして、同じくらいに魅力を感じたのはヘルマン・プライのイエス。やはり、イエスにはどこか気品を感じさせるものが必要です。プライの声は若々しさと気品・品格を同時に感じさせてくれます。うん、この人の言うことなら黙って信じられる、そう思わせてくれる声と歌唱です。ソプラノのエリー・アメリング、アルトのマルガ・ヘフゲンもとても良い感じですし、この音源を手に入れる決め手だったフリッツ・ヴンダーリッヒのアリアももちろん何の不満もなく。「マタイ受難曲」の名演と呼ぶことのできる演奏は本当にたくさんありますし、私のライヴラリの中にももう聴き直すのは難しいのでは無いかと思う程度には色々な演奏がありますが、しかし、独唱陣のレベルでこのカール・ミュンヒンガー盤をしのぐ演奏はなかなか探せないのでは無いかと思うくらいでした。

 

「マタイ受難曲」なんて、難しそうだし、とっつく難そうだし、と言う方は、ぜひこちらの動画をご覧下さい。「マタイ受難曲」について易しく解説してくれています。

 

 

 

Bach J.S: St Matthew Passion

J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244
ピーター・ピアーズ(テノール:福音史家)
ヘルマン・プライ(イエス)
エリー・アメリング(ソプラノ)
マルガ・ヘフゲン(アルト)
フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
トム・クラウセ(バリトン)
ハインツ・ブランケンブルク(バス)
アウグスト・メスターラー(バス)
シュトゥットガルト少年聖歌隊
シュトゥットガルト室内管弦楽団
カール・ミュンヒンガー(指揮)
録音時期:1964年7月

 

 

 

 

 

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「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
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そんなある満月の夜、ルートルフとウォルフはオオカミのザムの背に乗せられて、隣のディミタル男爵領へ連れていかれる。森の中に着いたふたりが見たのは、柵に捕われたザムの仲間たちだった! 領地困窮の大きな原因となった害獣大繁殖のカラクリを知ったふたりは、オオカミ解放作戦を開始するが……。
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