ブルックナー 交響曲第4番 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日はハンス・クナッパーツブッシュ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」を。

 

今日聴いた音源は1944年9月8日録音と言う事ですから第二次世界大戦末期。放送録音とのことですがこういった録音が遺されていることだけでも凄いことだと思います。演奏はいかにもクナッパーツブッシュのブルックナー。音は決してすっきりしたアンサンブルが聴けるわけではなく、何やらゴワゴワした手触り。しかし、聴き進むごとに底の方から湧き上がってくるような、何か得体の知れない凄みを感じさせられ、もう細かいことを言う気など吹っ飛ばされてしまいます。

 

話は変わりますが以前クナッパーツブッシュについての記事で、戦後演奏を禁じられていたクナッパーツブッシュがミュンヘンの新聞のインタビューを受けた時のエピソードを書いたことがあります。

 

クナッパーツブッシュの若き日の婚約者ケーテ・イェニッケとの別れ、そして戦後になって巡り会った彼女の夫エドムント・ニックとの友情。何となく心温まるような、私はとても好きなエピソードでした。

 

しかし、そんなエピソードも「心温まる」だけでは済まなかったようなのが、またクナッパーツブッシュらしいところか(笑)

 

ミュンヘンの「新新聞」に載せられたエドムント・ニックによるクナッパーツブッシュへのインタビュー記事は好評だったようで、たぶんその後のステージ復帰にも力となったのでしょう。

 

しかし、そのインタビューの中でいかにも毒舌家、皮肉屋のクナッパーツブッシュらしい余分な一言…

 

自分は積極的にナチスに協力したわけではない、むしろヒトラーには嫌われていた、と言った文脈の中で…

「俺は、ナチから「金の指揮棒」をもらったことはないし、枢密顧問官なんてもんにもならずにすました。」と言うようなことを。

 

この一節を読んで烈火の如く怒った人物がいました。ナチス時代、枢密顧問官に就き50歳の誕生日にはゲッペルスから「象牙と金で装飾をほどこした指揮棒」をプレゼントされた大指揮者…、フルトヴェングラー。「どこかで出会ったら、横っ面を張り飛ばす!」なんて手紙に書いたりしていたようですので相当に怒っていたのは間違いなさそうです(笑)(紳士的イメージの強いフルトヴェングラーのこういった一面もなかなか興味深いですね。)

 

まあ、一言多いのもいかにもクナッパーツブッシュ(笑)

エピソードを読む度に「いかにも」が増えていくのも何だか楽しくなってしまいます(笑)

 

 

 

 

 

ブルックナー:交響曲第4番

■ブルックナー 交響曲第4番
ハンス・クナッパーツブッシュ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1944年9月8日 ベルリン 60:55:00
■R・シュトラウス ティルオイレンシュピーゲル
ハンス・クナッパーツブッシュ
ベルリン国立歌劇場管弦楽団
1928年9月4日 ベルリン 14:28:00

ブルックナーはクナ最古の記録だが、当時の放送録音としては音質は非常に良く、流麗な美しさは後年のデッカ録音にも匹敵する。「ティル」はSP復刻で国内初 CD化。
最も印象的なのは最後のクライマックスで、大きくテンポが落ちてオーケストラがメチャクチャになるところ。この曲で本当に遊んでしまったクナの大物ぶりにはただ唖然、呆然。~平林直哉

 

 

 

 

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ルートルフ、ついに正体がバレる!?


7か月かけた数々の発明により困窮する領地を救ったベルシュマン男爵家の兄弟コンビ。ようやく安定した長閑な生活を満喫する一家のもとに、王都の父から手紙が届いた。内容は建国記念祭を見に王都へ来ないかという誘いだった。ウォルフとルートルフは家族と伴に王都へ行くことを決める。
しかし数日後、王都への道中、ルートルフは妹のミリッツァと一緒に謎の男たちに攫われてしまう。護衛の助けが間に合わない絶体絶命の状況に、ルートルフは勇気を振り絞り……!?
さらに、自分が別世界の『記憶』を持っていることをこのまま隠し続けるのは難しいと考えたルートルフは、兄以外にも秘密を打ち明けることを決意して――。
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不作による飢餓、害獣の大繁殖。大ピンチの領地を救うのは、赤ちゃん!?

ルートルフ・ベルシュマンは生後6か月で突然大人並みの意識に目覚め、別世界の『記憶』に何かを告げられるのを感じる。焦らず周りの状況認識と言語習得から始めると、間もなく自分が男爵家の次男であり、領地が困窮していることを知る。領民たちが冬を越せないほどの深刻さに、自分が大人になるまでじっとしていられないと感じたルートルフは、兄のウォルフに自身の正体を明かし、ふたりで領地救済に乗り出そうと決意する。
「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
秘密を共有した兄弟コンビは無事に男爵領を救うことができるのか?
頭脳派0歳児の活躍とかわいらしさに目が離せない、本格異世界ファンタジー。

 

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2 (MFブックス)

ルートルフがようやく1歳に!! 兄弟コンビの領地復興ストーリー第2弾!

貧乏男爵家次男のルートルフは、別世界の『記憶』を持った頭脳派0歳児。やがて困窮する領民の状況を知った彼は、兄のウォルフにだけ自身の正体を明かして、領地救済に乗り出していく。ふたりは黒パンやコロッケなどを次々と発明し、おかげで領地は危機を脱しつつあった。
そんなある満月の夜、ルートルフとウォルフはオオカミのザムの背に乗せられて、隣のディミタル男爵領へ連れていかれる。森の中に着いたふたりが見たのは、柵に捕われたザムの仲間たちだった! 領地困窮の大きな原因となった害獣大繁殖のカラクリを知ったふたりは、オオカミ解放作戦を開始するが……。
さらに、1歳を迎えたルートルフの前に見知らぬ赤ちゃんが現れて!? 赤ちゃん度MAXでお届けする、領地立て直しストーリー第2弾。

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ

 

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