そえだ信「君に、最大公約数のテンプレを」、7月21日「108 冬支度してみた」が公開されています。
『翌日には岩塩の調査団が山中に入り、埋蔵を確認したらしい。
数日の調査で十分量の存在が確認され、採掘を始める、とカスパルから連絡があった。
うまくいけば、当分他領からの買い入れは繋がりを継続するための最低限に抑えても、領内分を賄っていけそうだということだ。
採掘と販売が軌道に乗れば、報酬分が毎月支払われることになる、と通知された。』
どうやら、ハックの思惑どおり、着々と確実な収入源を確保できているようです。
また、アカマソウを使ったソースもマリヤナ、ナジャ、ニールの三人の努力で商品になり得るような形に仕上がってきているようです。辛みを加えたバージョンも入れて「辛口」「中辛」「甘口」の三種類が形になってきました。
『この完成品をレオナルトの料理屋に持ち込むと、大絶賛で買い取られた。前回のミソと同様、知り合いの料理屋にも広めてくれるということだ。』
またノウサギの毛皮を使った防寒用上着、冬用の靴、それから肉屋にノウサギの肉で燻製干し肉を作ってもらい冬用の保存食料とする、などハックたちは着々と冬支度を整えます。
『数日して、しばらくプラッツに戻っていたジョルジョ会長がまたこちらに出てきたという報せを受けた。
春にはマックロートに本店を移すという予定で準備を進め、今回は妻子を伴ってきてこちらで冬を過ごすことにしたという。』
会長にはプラッツの街の様子などを聴いた後、アカマソウのソースを試食してもらいます。
『「肉と野菜、ね……」と呟いて、会長は顎を撫でて考え込んだ。
「ちょっとお前、家内を呼んできてくれないか」』
このソースを試食した会長夫人は興味を示します。
この地方では「年送りの日」に「包み焼き」と言うものを食べる習慣がありました。
イサーク商会では会長夫人が中心となった女性たちで一日だけこの「包み焼き」を造り販売していたのです。
「包み焼きの具の味つけにこれを使ったら、一風変わった風味で喜ばれると思うんですよねえ」
どうやら、このアカマソウソースもイサーク商会で販売されることになりそうな気配。
刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先
二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ
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