最近、iTunesでバルビローリ/ハレ管弦楽団のシベリウス交響曲全集を少しづつ聴いています。今日は第7番を聴きました。
現在はどうなのかよく知りませんが、一時代前まではとても評価の高かった全集だと思います。1966年に録音が開始され最後に録音された第6番が1970年5月。バルビローリが亡くなったのは1970年7月29日でしたから、この全集が大指揮者ジョン・バルビローリの遺作と言っても過言では無いかも知れません。(第7番の録音は1966年7月27日~28日、とのこと。)
シベリウスの交響曲というと第2番は割と聴く機会がありますし私も好きな曲ですが全7作品の内どちらかというと後半の作品はちょっと取っつきの悪さを感じていた部分もありました。しかし、今日聴いたバルビローリ/ハレ管弦楽団の第7番は、意外なほど聴きやすく音楽が自然に心に入ってきました。音楽に分かるとか分からないという言葉を使うのは無意味でおかしなことだとは思うのですが、今日聴いたこの演奏は本当に意外なほど「分かりやすかった」のです。すうっと心に入ってきて本当に心のひだに沁みるように、言葉にはできない「分かった」と言う感覚。それがシベリウスの伝えたかった物なのか、それともバルビローリの心なのか、いや、そんなことはどうでも良く、その時私の心に何かが確かに沁みたのでした。
今日はとても良い時間を過ごすことができた。聴き終わった後の気分は何だかとても気持ちの良い感覚に包まれていました。
「シベリウスの交響曲第7番作品105は、1924年に完成された。作曲開始は、交響曲第6番とほぼ同じ頃(1910年代)とされており、1915年初演の第5番から第7番はほぼ同時期に構想されたといわれる。1924年3月25日、ストックホルムの楽友協会コンサートで、作曲者自身の指揮で初演された。
初演時は『交響的幻想曲』と名付けられていたが、単一楽章というかなり変則的な形式を採用していたためであり、単一楽章中に、通常の交響曲のようなソナタ形式の部分、緩徐楽章、スケルツォなどを織り込んだ作品であり、構想の段階では3楽章形式をとる予定であった。交響曲として番号が与えられたのは翌年の出版時である。
交響曲の様々な要素をひとつの楽章中に織り込んだ交響曲ともいうべきスタイルをとっており、第5番、第6番と書き進むうちに着想された新しいアイデアであり、シベリウスの交響曲全体に感じられる統合への意思が形としてようやく結晶化した作品と評されることがある。この曲の神髄は、有機的に融合した交響曲の各要素を、凝縮された音の中で表現しきったことにある。演奏時間は、平均的には22分程度。」(Wikipedia 交響曲第7番 (シベリウス) より)
「ジャン・シベリウス(スウェーデン語: Jean Sibelius スウェーデン語発音: [ˈjɑːn siˈbeːliʉs, ˈʃɑːn -], 1865年12月8日[1] - 1957年9月20日)は、後期ロマン派から近代にかけて活躍したフィンランドの作曲家、ヴァイオリニスト。
フィンランドの最も偉大な作曲家であると広く認められており、同国が帝政ロシアからの独立を勝ち得ようともがく最中、音楽を通じて国民意識の形成に寄与したと看做されることも多い。
スウェーデン系であり、出生時の洗礼名はヨハン・ユリウス・クリスチャン (Johan Julius Christian)だった[2]。1990年代になってシベリウスの本当の(受洗時の)名前の順がヨハン・クリスティアン・ユリウスであることが判明した。彼自身がヨハン・ユリウス・クリスティアンという順を用いており、大半の文献もこれに倣っている。
(中略)
作品の主軸をなすのは7曲の交響曲であり、それらは他の主要作品と同様に国内外で普段から演奏や録音の機会に恵まれている。その他によく知られた作品には、『フィンランディア』、『カレリア組曲』、『悲しきワルツ』、ヴァイオリン協奏曲、『クレルヴォ交響曲』、『トゥオネラの白鳥』(『レンミンカイネン組曲』より)などがある。これ以外の作品には自然、スカンジナビアの神話、フィンランドの民族叙事詩に触発された100曲以上に及ぶピアノ伴奏歌曲、多数の戯曲への付随音楽、オペラ『塔の乙女』、室内楽曲、ピアノ曲、フリーメイソンの儀式のための音楽、21曲の合唱曲がある。
1920年代の半ばまでは多作な作曲家であったが交響曲第7番(1924年)、付随音楽『テンペスト』(1926年)そして交響詩『タピオラ』(1926年)の完成を境に残りの30年間は大規模作品の創作から遠のいてしまう。この驚くべき、謎めいた隠居生活は作曲者の住居の所在地をとって「ヤルヴェンパーの沈黙」と呼ばれる。彼が作曲を止めてしまったと言われることもあるが、完成に至らなかった交響曲第8番をはじめとして作曲の試みは継続していた。
(中略)
シベリウスは自然を愛し、フィンランドの風景はしばしば彼の音楽の題材となった。彼は自らの交響曲第6番について「[曲は]いつも私に初雪のにおいを思い出させる」と語っていた。アイノラを囲む森が彼に『タピオラ』の霊感を与えたと言われることも多い。」(Wikipedia ジャン・シベリウス より)
Symphonies & Orchestral Works : The Complete Stereo EMI Recordings
バルビローリならではのカンタービレ表現と、オケの質朴な味わいが重なり、人肌のぬくもりを感じさせる豊かな情緒に包まれたこれらの演奏は、数あるシベリウス録音の中でも別格的な敬愛を受けているものです。「クラシック不滅の名盤1000」(音楽之友社)にも選定されている名盤中の名盤。バルビローリの得意とする濃厚なロマンティシズムだけでなく、ここには「激しさ」「厳しさ」といった表情によって、曲の表情の変化が非常に大きい名演です。
