先日ベートーヴェンの「合唱幻想曲」についての記事投稿しましたが、
この「合唱幻想曲」がコンサートの最後の曲として初演された演奏会の演目は今から考えるともの凄いものでした。
「初演時のプログラムは以下の通りであった。
交響曲第5番ヘ長調『田園』(注:現在の第6番)
アリア "Ah, perfido"(作品65)
ミサ曲ハ長調(作品86)より、グロリア
ピアノ協奏曲第4番
(休憩)
交響曲第6番ハ短調(注:現在の第5番)
ミサ曲ハ長調より、サンクトゥスとベネディクトゥス
合唱幻想曲
この演奏会の記録によると、当日は「暖房もない劇場で、少数の観客が寒さに耐えながら演奏を聴いていた」とされている。」(Wikipedia 交響曲第5番 (ベートーヴェン) より)
「運命」と「田園」、それにピアノ協奏曲第4番と言う音楽史に残る傑作の初演、しかもピアノ協奏曲はベートーヴェン自身がソロを務めると言うプログラムははまったく贅沢としか言えないものですがこのコンサートは大失敗だったようです。上記Wikipediaの記事には「少数の観客が寒さに耐えながら演奏を聴いていた」と記載されていますが、そんなことよりともかく曲を目一杯詰め込み四時間にも及んだというコンサートは演奏者も観客もともに肉体的に、そして精神的にも大変な思いをしたのでは無いかと思われます(笑)
このコンサートでは運命」「田園」、ピアノ協奏曲第4番、「合唱幻想曲」の初演に加え、前年にエステルハージ公の邸宅で初演されていた「ミサ曲ハ長調」も(全曲ではありませんが)演奏されています。この曲もこの時に初めて一般に公開されたという意味では実質初演に近いものだったと言えると思います。
「ミサ曲 ハ長調 作品86は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンがニコラウス・エステルハージからの委嘱に応え1807年に作曲したミサ曲。4人の独唱者、合唱、管弦楽という編成で書かれており、同年の内にアイゼンシュタットにおいてエステルハージ公の音楽隊によって初演された。ベートーヴェンは翌1808年に交響曲第5番などを主要4作品を初演した演奏会の場でも、本作の抜粋を披露している。楽譜は1812年にブライトコプフ・ウント・ヘルテルから出版された。
依頼者のエステルハージ公がミサ曲の内容をよく思わなかった一方、同時代の批評家E.T.A.ホフマンは「無邪気に澄み渡った心情の表出」を評価しており、マイケル・ムーアは音楽の「直截さと情動的内容」を特筆している。」(Wikipedia ミサ曲 ハ長調 (ベートーヴェン) より)
今日はカルロ・マリア・ジュリーニ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&合唱団の演奏で聴きました。
ベートーヴェン:ミサ曲 ハ長調 Op.86(全曲)
【演奏】エリー・アメリング(ソプラノ)、
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)、
テオ・アルトマイアー(テノール)、
マリウス・リンツラー(バス)、
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
【録音】1970年9月、ロンドン
次々と傑作を完成させていた時期のベートーヴェンの作品らしく、意欲と自信に溢れた音楽です。ジュリーニの解釈はがっちりした構成を踏まえながら歌の自然な伸びやかさを生かし切った気持ちの良い演奏でした。アメリングを始めソリスト陣も好演。ベートーヴェンの宗教音楽というと先ずミサ・ソレムニスが挙げられますが、私はこの「ミサ曲ハ長調」も素晴らしい曲だと思います。ミサ・ソレムニスの重さや大きさは聴くたびに構えなければならないような部分もありますが、「ミサ曲ハ長調」はずっと自然に聴ける音楽ですしかといって軽すぎるわけでも無く聴いた後の充実感も感じられる音楽です。「合唱幻想曲」と同様にもう少し演奏されても良い曲ではないかと思うのですが・・・。
Beethoven: Mass in C Major, Op. 86
ジュリーニならではの適度な重量感を伴ったカンタービレの技が、随所に聴かせどころをつくっており、全曲を飽かさず聴かせてくれます。
ベートーヴェン:
・ミサ・ソレムニス ニ長調 op.123
ヘザー・ハーパー(ソプラノ)
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
ロバート・ティアー(テノール)
ハンス・ゾーティン(バス)
ニュー・フィルハーモニア合唱団
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
録音:1974年(ステレオ)
・ミサ曲ハ長調 op.86
エリー・アメリング(ソプラノ)
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
テオ・アルトマイアー(テノール)
マリウス・リンツラー(バス)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮


