YouTubeでとても久し振りにアルゲリッチのピアノ独奏、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラのベートーヴェン「合唱幻想曲」を聴きました。
「合唱幻想曲」は若い頃歌ったこともありとても懐かしい曲です。
それにしても。不思議な構成の曲ですね。単一の楽章で20数分というと、その頃ではかなりの大曲になると思います。しかもピアノ独奏に声楽のソリストが6人にそれなりの規模の合唱団が必要、となればどんな演奏機会を想定して書かれた曲なのか首を傾げてしまいます。(現在のコンサートで言うとメインのプログラムにするには少し短く、協奏曲の代わりに、と言うには招聘しなければならないソリストの数が多すぎ合唱団の準備をしなければならないなど、コスト(?笑)がかかりすぎると思います。演奏機会が少ないのもしかたないかも知れません。)
「合唱幻想曲 ハ短調(がっしょうげんそうきょく、独:Fantasie für Klavier, Chor und Orchester c-Moll) 作品80は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1808年に作曲した、独奏ピアノと管弦楽を含む合唱曲。バイエルン国王マクシミリアン1世に献呈されている。管弦楽に加えてピアノ独奏・独唱者6人・4部合唱が必要であるということもあり、他のベートーヴェンの楽曲に比べて演奏される機会は非常に少ない。」(Wikipedia 合唱幻想曲 より )
この曲を歌った時のことはあまり細かくは覚えていないのですが、テノールは高い音が続くところがありかなり苦しかったことだけは記憶に残っています。それだけに歌った後の気分は悪くない曲です(笑)
アルゲリッチのピアノから始まる演奏はとても聴き応えのあるものでした。
アルゲリッチのレパートリーにこの曲は無く、このコンサートのために練習してきた、と言うようなことをどこかで読んだ記憶があります。しかし、演奏は最初の音からアルゲリッチの音。タッチも音色も、間合いもフレーズの歌わせ方も、どこをどう切り取っても生き生きとした生命力が伝わってくる音、です。そのピアノを受けて小澤さんの指揮するサイトウ・キネン・オーケストラの音も実に音楽的。堂々とした構成感、少し第9に似た感じも有る音楽ですがそんな中にもまだ若かったベートーヴェンの熱い思いもしっかりと感じさせてくれる音楽。独唱、合唱も聴き応え充分の好演でした。
以前この動画について触れた記事投稿していました。3年前、ですね。
ベートーヴェン:
1. 交響曲第2番ニ長調 op.36
2. 交響曲第7番イ長調 op.92
サイトウ・キネン・オーケストラ
小澤征爾(指揮)
収録時期:2015年9月6日(1)、2016年8月18日(2)
収録場所:長野県松本市、キッセイ文化ホール(ライヴ)
【特典映像】
1. ベートーヴェン:合唱幻想曲 ハ短調 op.80
2. マエストロ・オザワ 80歳バースデー・セレブレーション
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
リディア・トイシャー(ソプラノ)
三宅理恵(ソプラノ)
ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト)
福井 敬(テノール)
ジャン=ポール・フシェクール(テノール)
マティアス・ゲルネ(バリトン)
OMF合唱団
サイトウ・キネン・オーケストラ
小澤征爾(指揮)
収録時期:2015年9月1日
収録場所:長野県松本市、キッセイ文化ホール(ライヴ)
マエストロ・オザワ 80歳バースデー・コンサートより