パレー指揮デトロイト交響楽団「フランク 交響曲 ニ短調」フィナーレ 突き抜けた明るさ、力強さ | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日はポール・パレー指揮でデトロイト交響楽団の「フランク:交響曲 ニ短調」を聴きました。

 

この曲は最初に聴いたのはもう随分昔でたしかフルトヴェングラーの指揮したレコードだったと思います。それ以来いくつかの演奏は聴いてきたとは思うのですが、あまりきっちりとしたイメージを持てずにいた曲でもありました。

 

最初に聴いた演奏のイメージなのか、どんよりと暗くあまりはっきりとした輪郭が見えない曲、のような印象ばかりが残っていた気がします。

 

今日聴いたパレー/デトロイト響の演奏はそういった今までのイメージとは全く違った響きを伝えてくれました。

 

まず、少し速めのテンポで始まる第一楽章。暗い音楽です。しかしオーケストラのきびきびとした運びから聞こえてくる音楽は明確な輪郭を感じさせ細部の動きが緊張感のある音楽を紡ぎ出しているようです。第二楽章の明確なリズムの刻みから掛け合う旋律。哀感を帯びた音楽が深く掘り下げられていき・・・、第三楽章。あっ、何だろう、この突き抜けたような明るさ、力強さ。

今まで途中で聴くのを止めていたわけでは無いはずなのに、このフィナーレは何だか初めて聴いたような気がしたのでした。

 

パレー/デトロイト響のこの演奏を聴き終わって、今まで聴いてきた同じ曲の演奏を聴き直そうと思いました。いや、それ以上に今まで聴いたことのなかった演奏を含め色々な演奏を聴いてみたいと思ったのです。

 

交響曲 ニ短調 FWV 48(仏語:Symphonie en ré mineur)は、フランスの作曲家セザール・フランクが作曲した交響曲である。フランスにおけるこのジャンルを代表する曲のひとつであり、19世紀後半における最も重要な交響曲のひとつとして高く評価されている。
フランクには、パリ音楽院在学中の1840年に作曲された 交響曲 ト長調 作品13 が存在するが、現在では行方不明とみられ演奏される機会は皆無である。そのため、この曲が実質的にフランクの唯一の交響曲として知られている。
循環形式による堅固な構成感で知られ、フランスの交響曲の代表作として、エクトル・ベルリオーズの幻想交響曲などと共に高く評価されている。
フランスで活躍した作曲家でありながらもベルギー生まれでドイツ系の血を引いていたフランクの作風には、ドイツ語圏からの影響も大きい。この作品でもルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンやリヒャルト・ワーグナーなどからの影響を指摘することができ、フランス人によるドイツ風の交響曲と評されることが多い。」(Wikipedia 交響曲 (フランク) より)

ポール・パレー(Paul Paray, 1886年5月24日 ル・トレポール - 1979年10月10日 モンテカルロ)はフランスの指揮者、作曲家。優れたオーケストラ・ビルダーとして有名で、その指導と監督のもとにデトロイト交響楽団を世界有数のオーケストラに育て上げた。指揮者として著名であるが、本来は作曲家でもあり、近年になって一連の作品が再評価されるようになってきた。
ノルマンディー出身。父親は彫刻家であると同時に教会オルガニストであり、アマチュアの音楽団体を率いていた。パレーは少年時代から、父親のオーケストラで打楽器奏者を担当しており、その後ルーアンに行き2人の大修道院長、ブルジョワ師とブルドン師に音楽を、オルガン演奏をアリン(Haelling)に師事し、パリ音楽院への入学資格を得た。1911年にカンタータ《ヤニッツァ Yanitza 》を提出して、ローマ大賞を獲得。第一次世界大戦が始まるとフランス陸軍に召集されるが、1914年に捕虜としてダルムシュタット収容所に送致され、その地で弦楽四重奏曲を作曲した。
終戦後は、カジノ・デ・コトレーの楽団の楽長に就任。このアンサンブルはコンセール・ラムルーの出身者もまじっており、これが転機となってコンセール・ラムルーを指揮するようになり、その後はコンセール・コロンヌやモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者も務めた。
(中略)
1939年にニューヨーク・フィルハーモニー協会交響楽団を指揮して米国デビューを果たす。1952年にデトロイト交響楽団の音楽監督に任命され、1963年に退任するまで、モノラル時代からステレオ初期の時代のマーキュリー・レーベルに数々の演奏を残した。
(中略)
有名な録音の一つに、サン=サーンスの《オルガンつき交響曲》が挙げられる。1957年10月に行われた録音を取り巻く状況は、とりわけ幸運に恵まれていた。パレーはこの作品特有の要求を、自分なりに理解しており、デトロイト交響楽団はすでにフランス最上のオーケストラに引けを取らない水準になっていた。少年時代の恩師のひとりで親しいマルセル・デュプレがこのセッションにオルガニストとして招かれた。デュプレ自身、青年時代にサン=サーンス自身の演奏を最大限の目標としていた。それに、デトロイトのフォード・オーディトリアムに据えられたオルガンは、この作品に似つかわしい音色であった。この録音は、音響的に今日の水準に見合っているとはいえないもの、それでもこの交響曲の、世界的に最も優れた演奏の一つに数えられている。
他のフランス物ではベルリオーズの『幻想交響曲』やフランクの『交響曲』、ドビュッシーやラヴェルの管弦楽曲集などがあり、特にベルリオーズ・フランクは決定盤の誉れが高い。」(Wikipedia ポール・パレー より)

 

 

フランク:交響曲、ラフマニノフ:交響曲第2番

厳格さのなかに宗教的かつ官能的な響きが内在する、静謐な思索と哲学的な沈潜をも感じさせる、独自の語法である循環形式を用いたフランク唯一の燻し銀のような交響曲。メランコリックな旋律に溢れた典型的な古典形式による、ラフマニノフの交響曲作曲家としての実力を示した第2番。
 ロマン派の交響曲の名作2曲を、パレーが音楽監督を務め黄金時代を築き上げたデトロイト交響楽団との、情熱漲る入魂の演奏で収録しています。

1.フランク:交響曲ニ短調
2.ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 op.27
デトロイト交響楽団
ポール・パレー(指揮)
録音時期:1957年3月(2)、1959年11月(1)
録音場所:デトロイト
録音方式:ステレオ