原田慶太楼指揮東京交響楽団「吉松隆:カムイチカプ交響曲」地・水・火・風・空に仮託した世界の本質 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日は原田慶太楼指揮東京交響楽団による「吉松隆:カムイチカプ交響曲/チカプ」と言うアルバムを聴きました。

 

Amazonのこのアルバムの内容紹介欄には、「2023年に古希を迎える作曲家・吉松隆。現在の日本クラシック界では欠かせない存在であり、交響曲やピアノ曲・協奏曲などの数々の名作のほか、「タルカス」 「アトム・ハーツクラブ組曲」などプログレとクラシックの融合、NHK 大河ドラマ『平清盛』など、唯一の世界観で幅広い世代を魅了し続けている。」と記載されていますが、私は名前こそよく目にしてはいましたが作品については全く、と言って良いくらい知りませんでした。

 

吉松隆さんについて興味を持ったのは昨年の年末近くになってからでした。札響が12月15日のhitaruシリーズ定期演奏会で吉松隆作曲の「サイバーバード協奏曲」を札幌初演する、という広告が新聞に載っていました。

そのコンサートには、日程や時間の関係で最初から行くことができないのは分かっていたのですが、この曲がどんな曲なのか興味がわきYouTubeで音源を探し聴いてみることにしました。

 

これがとても気に入ったのです。まず、かっこいい! から始まり音楽に身体ごと引っ張り込まれるようでした。

 

今日聴いた「吉松隆:カムイチカプ交響曲/チカプ」は吉松さんが30代半ばの頃に創った交響曲第1番「カムイチカプ」をメインにしたアルバムです。カムイチカプと言うのはアイヌ語で神の鳥、シマフクロウの事だそうです。一番高い木の上から世界のすべてを俯瞰してみる神の眼を象徴しているのでしょうか。

曲は第1楽章 Ground、第2楽章 Water、第3楽章 Fire、第4楽章 Air、第5楽章 Rainbowの五つの楽章からなり文字通り地・水・火・風・空に仮託した世界の本質、自然と人間、人間の生と死、と言ったものに迫っていこうという表現者としての強い意志が感じられる音楽だと思いました。

 

鋭く激しいリズムや迫力のある響きもあります。しかし、この曲全体を通じて感じるのは、透明な静けさ、でした。緊張感に満ちた静けさの中に揺蕩うように流れる繊細な響き。

 

原田慶太楼指揮東京交響楽団の演奏も好演。

 

指揮者のセンスの良さ。オーケストラの音色の美しさ。

とても素晴らしい音楽に触れることができました。

 

 

 

吉松隆:カムイチカプ交響曲/チカプ

2023年に古希を迎える作曲家・吉松隆。現在の日本クラシック界では欠かせない存在であり、交響曲やピアノ曲・協奏曲などの数々の名作のほか、「タルカス」 「アトム・ハーツクラブ組曲」などプログレとクラシックの融合、NHK 大河ドラマ『平清盛』など、唯一の世界観で幅広い世代を魅了し続けている。今作では、2022年9月に行われる原田慶太楼指揮・東京交響楽団による、オール吉松プログラム公演から、交響曲1番とチカプを収録。また、2023年3月には東京芸術劇場にて、同コンビによる吉松公演が再び開催され、交響曲第3番、タルカスなど、吉松の王道プログラムが披露される。

 

 

 

 

【BEYOND THE STANDARD】 ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 /吉松隆:サイバーバード協奏曲

日本コロムビアのDENONレーベルで2018年4月からスタートした、イタリア出身の若き天才指揮者アンドレア・バッティストーニと東京フィルハーモニー交響楽団によるレコーディング・プロジェクト『BEYOND THE STANDARD』。クラシック王道の名曲中の名曲と、日本人作曲家による傑作をカップリングし、時代と国を越え、新たなスタンダードとして打ち出すシリーズの第3弾。これまでも演奏会に取り上げてきたベートーヴェン:交響曲第5番「運命」。セッション録音だからこそ緻密に構築されていくであろう超スタンダードナンバー「運命」は、今シリーズにとって重要な曲となると思われる。カップリングには、吉松隆の「サイバーバード協奏曲」を取り上げ、ソリストに、上野耕平を起用する。上野にとって初となるコンチェルトの録音となり、初共演のバッティストーニと繰り広げられるセッションに期待が高まる。ピアノに上野の盟友:山中惇史、そしてJAZZ界で人気の石若駿を招き、トリオを形成する。