ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団 ブラームス交響曲第4番 何と言う透明感。そして・・・ | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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以前、ジョージ・セルのブラームスについて、こんな記事を投稿したことがありました。

 

私にとって、ジョージ・セルという指揮者は特別な存在ですし、彼の演奏したブラームスも特別なものです。

ここのところブラームスの音楽に触れる機会が多く、色々な演奏者でブラームスの色々な曲を聴いています。以前よりブラームスという音楽家が身近に感じられるようになったような気もします。歳のせいかもしれません。若い頃、何だか煮え切らないもやもやしたものを感じていたブラームスの音楽に今はとても居心地の良さのようなものを感じたりするのです。そう言えば、セルの指揮したブラームスの交響曲、暫く聴いていなかったな。今日はセルのブラームス交響曲全集を聴いてみようか。

 

午前中に第1番から第3番までを聴き、午後から所用のため出かけ、帰宅した後第4番を聴きました。

 

ばっと聞き始めた時の感想は、以前と同じです。何と言う透明感。一つ一つのパートの線が目に見えるような気がするくらい濁りが無く、そして自然な音楽として聞こえてきます。これを聴けばセルの指揮するクリーヴランド管弦楽団を室内楽のようだと言い表すのは少しも大袈裟な表現では無いと断言できます。しかし・・・、じっと聴いていると、それは決して冷たい音楽では無いことが分かってきます。

 

たぶん今聴いているCDの音が以前聴いていたディスクよりかなり改善されていることも有るのかも知れません。

 

第1番~第3番も素晴らしい演奏でしたが、第4番の第二楽章を聴いているうちに胸が熱くなり、第三楽章の最後では思わず拍手しかけてしまう自分に気付きました。そして第四楽章。本当暫くぶりに音楽に身体ごと持って行かれてしまったような感触を味わいました。何だろう、これは。どこからやって来たか分からない感情のこみ上げに一人うろたえてしまったほどに心に残ったものはしっかりとした重みを感じさせました。

 

 

ブラームス:交響曲全集

ジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団が文字通り絶頂期にあった1960年代に3年がかりで録音されたブラームスの交響曲全集が、1988年以来久しぶりに復活。セルならではの厳格で折り目正しい音楽観を反映し、全編にわたって主観的感情がむき出しにならず、格調の高さが保たれ、ブラームスの古典性を浮き彫りにしている。しかも細部の彫琢ぶりはすさまじく、あらゆるフレーズリズム、パート間のバランスが完璧に統御され、透明感のある響きと立体的な構築性を獲得しているさまはまさに壮観。今や二度と再現することのできない20世紀オーケストラ演奏芸術の一つの極点がここにある。

 

 

The Complete Columbia Album Collection

20世紀オーケストラ演奏史の頂点を極めた、セル+クリーヴランド管の全録音をソニー・クラシカル史上初めてCD106枚に集成したメガ・コレクション。■カップリングは基本的にコロンビアおよびエピック初出アメリカ盤LPに基づき、紙ジャケットには初出盤のジャケット・デザインを使用しており、それぞれの時代を反映したアメリカらしいアートワーク(かる審美眼の厳しいセルがオーソライズしたデザイン)を手にとって見られるのもこのボックスセットのポイントの一つです。特に1960年代のCBSのアートワークはハンリエッタ・コンダックなど同社のデザイン部門の優秀なデザイナーによる優れたものが多く、それだけでも大きな価値があるといえるでしょう。 ■リマスターについては、個々の音源で最新のリマスターが使用されています。 ■大判の別冊解説書には詳細な録音データを記載したトラックリストのほか、セルのさまざまな写真が数多く掲載。解説書とディスクは美麗ボックスに収納。コレクターズ・アイテムとしての存在感も十分です。 ■初回生産限定盤 ■仕様: ・各CDはアメリカ盤オリジナルLPジャケット ・デザインによる紙ジャケットに収納 ・写真をふんだんに使ったハードカヴァー&オールカラー別冊解説書付き 「ソニー・ミュージック」