3月に、Amazonで購入したCDの話、と言う事で下記にリンクした記事でジョージ・セルの指揮したブルックナーの「テ・デウム」の事を書いたのですが、その時にYouTubeで1967年~1970年あたりの時期のセルの宗教音楽のライヴ録音がいくつも出ていることを知りました。
それでそれから続けてそんな音源を聴き、このブログでもいくつか取り上げてきました。
こちらの記事ではヴェルディの「レクイエム」
こちらはベートーヴェンの「荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス)」
こちらは音楽とは関係ないテーマの記事ですが、最後にモーツァルトの「レクイエム」を掲載しました。
どれも素晴らしい演奏で、指揮者の晩年と言っても良い時期にこう言った大曲を続けて取り上げていたのはどうしてなのか、と思いつつ、その演奏を聴けることに感謝したい気持ちになった物です。
そう言った中で、「テ・デウム」の次に聴いたのがこのブログではまだ取り上げていなかったブラームスの「ドイツ・レクイエム」です。
1969年4月24日クリーヴランドのセヴェランス・ホールにて演奏された録音。ソプラノのソロがンドゥラ・ヤノヴィッツ、バリトンソロがトム・クラウゼ、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団、合唱団。
今まで取り上げたブルックナー、ヴェルディ、モーツァルト、ベートーヴェンもそれぞれ素晴らしい演奏でしたが、私にはこの「ドイツ・レクイエム」が一番心に響きました。指揮者の持ち味にも一番合っている作品なのかも知れません。厳しい演奏です。激しい演奏でもあります。しかし私は特に弱音の時の響きに惹かれました。深く沈潜する時の決して大きく迫ってくる音ではないのにもかかわらず聴く者を圧倒するような重たい表現。そこから長く続くクレッシェンド。合唱のレベルの高さは特筆して良いと思います。アンサンブルの正確性はもちろん、声の質に魅力がありかなり高い音も強烈なフォルテの時もまだ余裕を感じさせながら歌いきる実力はなかなかな物です。今更言う必要もないほど高いレベルに鍛え上げられたオーケストラとこの合唱団の前でセルは自在に自らの歌を歌い上げているようです。ヤノヴィッツもトム・クラウゼも素晴らしい歌唱。特にバリトンのトム・クラウゼの声がこの曲にとても合っている気がしました。
Brahms: Ein deutsches Requiem, Op. 45 (Live)
ブラームス ドイツ・レクイエム Op. 45
Ein deutsches Requiem (A German Requiem), Op. 45
グンドゥラ・ヤノヴィッツ - Gundula Janowitz (ソプラノ)
トム・クラウゼ - Tom Krause (バリトン)
クリーヴランド合唱団 - Cleveland Orchestra Chorus
クリーヴランド管弦楽団 - Cleveland Orchestra
ジョージ・セル - George Szell (指揮)
録音: 24 April 1969