グリュミオーとクララ・ハスキルの「モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ集」 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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暑さにうだりながら、何か音楽を聴きたいと思った時、頭に浮かんだのはモーツァルトのヴァイオリン・ソナタでした。

(別に暑さと何か関係あるわけじゃありませんが(笑) 聴いて涼しくなるとも思えないのですが何故かモーツァルト、なのでした。)

 

グリュミオーとクララ・ハスキルのヴァイオリン・ソナタ、なんてどう?

と言うわけで、K.378、K.304、K.376、K.301、K.304、K.376、K.301の4曲が収録されたアルバムを聴いています。

 

そう言えば、このブログでこの中のK.378を取り上げたことがありました。(この記事を書き始めてから思い出しました(笑))

 

 

その記事の中で、「これは必ずしもクララ・ハスキルのモーツァルトを、と言うのにはふさわしい選択では無いかも知れません。」と書いたのですが、今このアルバムを最初から続けて聴くと、やはりこれはクララ・ハスキルならでの演奏だな、これがクララ・ハスキルのモーツァルトなんじゃないか、と言うような気がしてきました。たしかにここでのハスキルの演奏はグリュミオーを前面に出すことに徹し自己主張を抑えた控えめに演奏しているように聞こえます。しかしこの柔らかで優しい表情こそハスキルのモーツァルトなのではないか。滋味あふれる、と言う表現がとても似合う演奏。いや、そんな言葉の意味が初めて分かる演奏。私にはそんな風に思えました。グリュミオーのヴァイオリンの音もとても魅力的。聴いた後、とても気持ちの良い余韻の残る演奏でした。

 

そう言えば、この2人のベートーヴェンの演奏も記事投稿したことがありました。

 

 

ハスキルが事故に遭わなければモーツァルトのソナタももっとたくさん録音されたかも知れませんね。残念ですが、遺された貴重な記録は大切に味わいたい物です。

 

 

Sonatas for Violin & Piano

1950年代にグリュミオーが遺したモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集。母の愛で包み込むかのようなハスキルの絶妙なピアノにグリュミオーの美音が寄り添う、“黄金のコンビ”と称される二人による至福の時間が味わえる。