アンリ・ヴュータン ヴァイオリン協奏曲第5番 チョン・キョンファの情念と切れ味 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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昨日に引き続き、レンタルしたCDを聴いています。今日、印象に残ったのはチョン・キョンファの「サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番」でした。

このCD、レンタルしたページのタイトル表記には「サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番」としか無く、曲目の欄にも、ヴァイオリン協奏曲第3番とヴァイオリン協奏曲第5番、という記載しか無かったのですが・・・、このヴァイオリン協奏曲第5番と言うのはサン=サーンスの作品では無く、アンリ・ヴュータンと言う人の作品でした。私は、このアンリ・ヴュータンと言う作曲家のことは全く知りませんでした。

「アンリ・フランソワ・ジョゼフ・ヴュータン(Henri François Joseph Vieuxtemps, 1820年2月17日 - 1881年6月6日)は、フランスで活躍したベルギー人のヴァイオリニスト・作曲家。」(Wikipedia アンリ・ヴュータン より)

名ヴァイオリニストとして知られ、作曲家としてもヴァイオリン協奏曲を7曲残しているそうです。同じくベルギーで生まれフランスで活躍したセザール・フランクが、1822年生まれで1890年に亡くなっていますからほとんど同時代の人ですね。

「ヴァイオリン協奏曲第5番イ短調『ル・グレトリ』(Le Grétry )作品37は、アンリ・ヴュータンが作曲したヴァイオリン協奏曲。 第4番と共に親しまれている。
ヴュータンのヴァイオリン協奏曲は完成されたものでは6曲あり、第7番も作曲されたが未完のまま遺作となってしまった。後に第7番は弟子のフバイが完成させた。ヴァイオリン協奏曲第5番は、元来1861年にブリュッセル音楽院の卒業試験の課題曲として作曲され、1878年にパリ音楽院の卒業試験の課題曲用に改訂された。課題曲という性格からきているのか、名人芸な高度な技巧を要求される作品で、古今のヴァイオリニストたちが好んで取り上げてきた。現在は第4番と共に親しまれている作品となっており、演奏されることが多い。副題の「ル・グレトリ」は、アダージョの部分でグレトリのオペラ「ルシール Lucile」中の旋律が用いられていることによる。」(Wikipedia ヴァイオリン協奏曲第5番 (ヴュータン) より)

CDには、先にサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番、その後にヴュータンの5番が収録されています。

サン=サーンスも、さすがチョン・キョンファというテクニックの冴えと情熱的な演奏で惹かれましたが、その後のヴュータンのヴァイオリン協奏曲第5番もなかなか凄い演奏でした。

初めて聴く曲ですが、作曲年代から言ってもそう難解な曲では無く、親しみやすいメロディも多い感じです。チョン・キョンファのヴァイオリンの音はともかく美しく、圧倒的なテクニックの切れ。凄まじい没入感。情熱。情念。

切れ目無く演奏される20分弱の曲に知らぬ間に引きずり込まれ、しっかりと酔わされて・・・。

こんなのもなかなか悪くない体験、・・・なんて(笑)

 

サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番/第5番

サン=サーンスがサラサーテのために作曲した第3番協奏曲と、自身優れたヴァイオリン奏者だったヴュータンの協奏曲のカップリング。シャープで情熱的なチョンの演奏が冴えわたる。