ハンス・ロット 交響曲第1番 パーヴォ・ヤルヴィ/フランクフルト放送交響楽団 新鮮な音楽 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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ネットのレンタルCDで借りてPCに取り込んだまま聴いていなかった曲があることに気付き聴き始めました。


パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団 
「ハンス・ロット 交響曲第1番 ホ長調」

ハンス・ロットと言う作曲家は全く知りませんでした。

Wikipediaによると「ハンス・ロット(Hans Rott, 1858年8月1日 - 1884年6月25日)は、オーストリアの作曲家。生前は恩師アントン・ブルックナーや学友グスタフ・マーラーから高く賞賛されており、ブルックナーはいつしかロットが大収穫をもたらすことを信じていた。マーラーは《交響曲第1番》において、ロットの交響曲から引用を行なった。ロットは、作曲家としては習作的な管弦楽曲を残したに過ぎないとされ、長らく無名の存在であったが、没後100年を機に研究者により作品が発掘されて徐々に世に知られるようになり、2000年代以降 しばしば演奏の機会を得るようになっている。」(Wikipedia ハンス・ロット より)

26歳の若さで亡くなった人で、この交響曲は22歳の時の作品と言うことになります。

Wikipediaのその先を読むと、この交響曲をブラームスに酷評され精神を病んだ、とか。

「1883年末の診察カルテによると、「幻覚症を伴う精神異常、被害妄想。もはや快復の見込み無し」とある。何度かの自殺企図の末、1884年に結核により他界、25歳没。亡骸はブルックナーを含む親しい知人に見送られ、ウィーン中央墓地に葬られた。」(Wikipedia ハンス・ロット より)

マーラーの交響曲などにはこの人の作品からの引用が多くあると言う事のようなのですが、私はマーラーがあまり得意では無いので・・・(笑)
あまり期待せずに聴き始めました。


しかし、これがなかなか良いのです。

出だしのメロディからいきなり魅了されていました。
伸びやかなメロディ、スケール感もあり聴き応えのある音楽です。

第2楽章もなかなか。やさしい響きが心に沁みてきます。

そして第3楽章。若さが爆発したような快活なスケルツォ。ゆったりとした弦楽合奏から印象的なホルン。それからまた激しいスケルツォが戻ってきて・・・。身体が自然に動いてしまいそうです。思いっきり盛り上がって、ドン。

弦のピチカートと木管で静かに始まる第4楽章。静かなメロディが次第に積み重ねられていき・・・音楽は少しづつ厚みを増していきます。ホルンと木管楽器の音が印象的。そして弦楽の奏でる優雅な歌。思い切り盛り上がった後、ホルンから弦楽器に続くフーガが続き、その後に第1楽章のメロディが甦り繰り返されます。しだいしだいに盛り上がった後にシンバルのジャーン。その後は弦楽合奏の上にエコーのように管楽器が鳴りながら次第に消えていくようにディミネンドしていきます。

新鮮な気分になれる音楽でした。

この人はブルックナーよりもマーラーよりもずっと優れたメロディメーカーなのでは無いでしょうか。ブルックナーの影響はあるのかも知れませんが、音楽的な資質はむしろブラームスに近い物があるんじゃ無いか、そんな気がしました。

ブラームスはこの人の音楽にブルックナーの姿がちらついてその方が気になりすぎてしまったのかも知れませんね。それと未熟な点ばかりが眼に付いてしまった。

しかし若い音楽家にとっての自分の存在の大きさなど考えが回らなかったのでしょうか。
まあ、その辺が人付き合いの不器用なブラームスらしいのかも知れませんが、罪作りな話でもありました。

などと、ブラームスを批判しても仕方が無いことではありますが、このハンス・ロットという人がもう少し長生きしていれば私たちにとってはもっと楽しめる物が増えていたかも知れませんね。


パーヴォ・ヤルヴィの指揮、なかなか良い感じです。これは予想以上の収穫でした。

 

 

ロット:交響曲第1番

狂気のうちに26歳で夭逝したオーストリアの作曲家、ハンス・ロットの交響曲第1番ホ長調は、今からおよそ20年ほど前に再発見されて演奏されて以来、マーラー以前に作曲された後期ロマン派の薫り溢れる佳品として、実演や録音で親しまれるようになった作品です。この曲を、パリ管弦楽団、ドイツ・カンマーフィル、フランクフルト放送響、エストニア国立管のポストを兼任し、現在最も音楽界から熱い注目を浴びる若きマエストロ、パーヴォ・ヤルヴィが手兵フランクフルト放送響を従えて熱演!
まさにこの曲の屈指の名演が生まれたと言っても過言ではないでしょう。カップリングは珍しい「管弦楽のための組曲への2つの楽章」。こちらもロットの才能があふれた小品となっています。日本先行発売!(Amazon 商品の説明 より)

 

 

 


昨日も紹介したライトノベルです。昨夜第59話が投稿されていました。22時頃更新されることが多いようです。まだまだ連載は続きそうですね。どんどん面白くなっています。ぜひ一読してみて下さい。
赤ん坊の起死回生
https://ncode.syosetu.com/n2713gi/