また未読の本の山から1冊の本を取り出して読み始めました。
仁木英之「レギオニス 興隆編」
この小説のタイトル「レギオニス」と言う言葉はラテン語の「レガトゥス・レギオニス(legatus legionis)」から採られているようです。
レガトゥス・レギオニス(ラテン語: legatus legionis, レーガートゥス・レギオーニス)は、古代ローマの軍隊における軍団(レギオー、legio)の司令官のこと。 日本語に訳すときにはさまざまな訳語が当てられており、軍団を率いるから軍団長、軍隊の総司令官に次ぐ地位であるから副官、総督から指揮を任されるから総督代理、という具合である。
「レガトゥス」(legatus)は、ラテン語で「任命する」を意味する動詞「レーゴー」(lego)の派生語であり、「任命される者」を意味する。「レギオニス」(legionis)は「軍団の」という形容詞であるが、レガトゥスと語源は同じである。普通は単に「レガトゥス」と呼ばれることが多く、同じ単語で「使者」を意味する場合も多いので訳すときには注意が必要である。(Wikipedia レガトゥス・レギオニス より)
とすると「レギオニス」(legionis)だけでは「軍団の」という意味になりますが、この小説ではやはり「軍団長」と言う意味で使われていると考えるべきなのでしょう。
そして、その軍団とは。
ここで描かれているのは日本の戦国時代を終結の一歩手前まで導いた織田信長と彼の軍団。そして信長の命を受け闘い続けた軍団長達、柴田勝家、羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、滝川一益。主君信長との関係、その活躍と確執。
あっ、また信長関連の小説読み始めてしまいました(笑)
この小説もまた織田信長の生涯を他とはひと味違った視点で描いた小説です。一人の人物も角度を変えてみるとまた違った面が見えてきます。軍団長達の姿を描くことで織田家の内側から見た姿が生き生きと浮かび上がり、またそこから見えてくる信長の姿も興味深い物があります。
小説は柴田勝家が主役になっています。これもまた珍しいと思います。信長や秀吉を中心にした小説などで描かれる勝家は、勇猛ではあるけれど単純で思慮に欠けた人物のようなイメージが強いのですが、ここでは偉丈夫で一本気な武人ながら思慮深さも持ち合わせる人物として描かれています。同僚や家臣達に慕われる頼もしい人物というイメージ。そんな勝家が見た信長、秀吉、光秀・・・
面白い小説でした。一気に読んでいるうちに桶狭間の合戦となり・・・、あれっ、もう終わり?
読み始めてかなりした後に気付いたのですが、この小説とても長い小説の一冊目なんですね(汗)
この後に、「レギオニス 信長の天運」「レギオニス 秀吉の躍進」「レギオニス 勝家の決断」と続きます。
げっ、未読の山を減らすつもりが・・・、増やしてどうする!!!(泣)
まるで現代の〈企業〉のように、戦国の〈家〉は生き馬の目を抜くがごとく……。織田家の軍団長(レガトゥス・レギオニス)で、最後に生き残るのは誰だ?
尾張国守護代の重臣で、富と力を蓄え織田弾正忠家の名を高めた織田信秀の番頭格・柴田権六勝家は、困惑していた。信秀の後継者である信長が、型破りな男だからだ。このままでは、先代がせっかく大きくした〈家〉を守ることはできない――。
武将たちの友情と裏切り、打算と駆け引きを描き、働く者は共感必至の戦国絵巻、ここに開幕。(Amazon 商品の説明より)