ケルテス/ウイーン・フィル 「新世界より」 ウィーンフィルの音と若い指揮者の幸福な出会い | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽を中心にした好きな音楽と読書感想、日々の雑感などを思いつくまま気まぐれに書き綴ります

 

今日はドヴォルザークの「新世界より」を聴こうかな。最近色々な曲を聴いている割にこの有名な曲を聴く機会が少なかったような気がします。エリシュカ/札響のCDを続けて聴いた時に「新世界より」も聴きましたが、あれが何年ぶりか、と言う感じでした。嫌いな曲ではありません。と言うより以前は好きな曲だったはず。でも最近は、まあ後でもいいや、と言う感じになっていました。

私が初めてこの曲を聴いたのはカラヤン/ベルリン・フイルハーモニー管弦楽団の演奏でした。たぶん中学生の頃です。
カラヤンのレコードはもうありません。それから、色々な演奏を聴いたはずですが・・・

今日は、これにしようかな。
引っ張り出した音源は、イシュトヴァン・ケルテス指揮ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。1960年に録音された物です。
1973年に43歳の若さで亡くなった指揮者のデビューアルバムで、この名曲の数多い録音の中でも屈指の名盤と呼ばれている演奏です。
実はこの音源を手に入れたのは随分前で、間違いなく聴いているはずなのですがどんな演奏だったか記憶が曖昧です。今日はしっかり聴いてみよう。

第1楽章ウイーンフィルの柔らかな響き、を期待するとちょっと違った雰囲気。しっかりしたリズム。若い指揮者の意気込みが見えるようです。それでいて決して小さくまとまること無くスケール感も感じさせます。目を見張るような最後の激しい盛り上がり。一転して第2楽章のゆったりとふくよかな歌、情感あふれる歌を歌わせながらすこしもだれることなくドヴォルザークの郷愁を描いていきます。ウィーンフィルの音と指揮者の感性の幸福な出会い。有名な「家路」のメロディが心に染み入ります。第3楽章の激しいリズム。ティンパニーが小気味よく響き、柔らかなメロディーときびきびとしたリズムの対象が見事。厳しいリズム、優しいメロディ、楽しい踊り、多彩な音楽が目の前に拡がって行きます。そして第4楽章。出だしから若い指揮者の意欲がはち切れんばかりです。そしてその指揮者に共感ししっかりと支えるウイーンフィル。

聞き終わった感想は、名盤と呼ばれ続けたのは伊達じゃないだな、ということでした。
この指揮者のロンドン交響楽団とのドヴォルザーク交響曲全集もまたじっくり聴き直してみよう。

 

楽しみはどんどん増えていきます。
 

 

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 他

アメリカに長期滞在中だったドヴォルザークが、新天地で出会った様々な音楽を取り入れながら祖国ボヘミアへの郷愁を綴った『新世界より』は、ノスタルジックな旋律に溢れた人気曲。特に第2楽章の哀愁に満ちた旋律は「家路」のタイトルで広く知られています。
 ハンガリー生まれの名指揮者ケルテスが名門ウィーン・フィルを指揮した演奏は、彼の才能を世に知らしめた名盤として有名なものです。(ユニバーサル ミュージック)