蜜蜂と遠雷 本屋大賞作品はやはりレベルが高いのか これにも引き込まれて・・・ | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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バルトーク  ピアノ協奏曲 第3番 Sz 119
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団 Oct.1997

マルタ・アルゲリッチとシャルル・デュトワ、若き日に夫婦だった2人が20数年ぶりに共演した記録です。相変わらず情熱的で激しいアルゲリッチのピアノをしなやかに支えるデュトワとモントリオール交響楽団。熱情の中にも人間的な奥行き、ゆとりのような物を加えたアルゲリッチのピアノはただブラボーと言うほかありません。

蜜蜂と遠雷


一昨日から昨日にかけて、「蜜蜂と遠雷」を一気に読破。読み始めて止まらなくなりもう夢中て読んでしまいました。(上下巻の長い小説ですので、さすがに一日では読み切れず、2日がかりになりましたが。)

「羊と鋼の森」(2016年 第13回)、「舟を編む」(2012年 第9回)に続いてこれも本屋大賞受賞作品ですね。(2017年、第14回本屋大賞を受賞。この作品で第156回直木三十五賞も受賞している。)
今まで「本屋大賞」と言う物は、それほど気にしたことも無かったのですが、こうしてみるとやはりレベルの高い作品が受賞しているのですね。これから他の受賞作品もできるだけ読んでみようかな。

「近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた」(Amazon 内容紹介より)

章ごとにメインになる人物、視点を切り替えながらコンクールをドキュメントのように描いています。主役たちやその周辺の人物たちの心理や会話のやりとりも面白く、コンクールが進んでいくごとに高まっていく緊張感がリアルです。演奏される曲の解説、それに対する演奏者の心の動きなど、この作者はクラシック音楽やピアノ演奏にほとんどプロに近いくらいに造詣が深い人なのではないかと思います。特に舞台の袖から舞台に向かうときの緊張感やステージに立ったときの一種独特の覚醒感(まるでスローモーションのように、あるいは自分から離れて第3者のように自分を見ている感じ・・・)のような物、そして演奏が終わったときの達成感というか、なんとも表現しようのない快感、は演奏者としての経験がなければ表現できない物のような気がします。(作者のことをWikipediaで見てみると、「父がクラシック好きで、自宅には多くのレコードがあり、子供の時に、引っ越しが多かったが、本と音楽が周りにある環境で過ごしピアノを習い、広く音楽を知る先生に学び、大人になった今も「ピアノを聞くのが一番好き」と答えている。」「早稲田大学教育学部(東京都)に入学すると、同大のビッグバンドのハイソサエティー・オーケストラに所属してアルト・サックスを演奏した。」と言う解説がありました。なるほど。)

バルトークのピアノ協奏曲第3番は、この小説の中で天才少年風間塵くんが本選で演奏する曲です。世界的名演奏家が揃った審査員や観客たちに衝撃を与えた天才少年の演奏は一体どんな感じだったのでしょう。アルゲリッチを超えるくらい激しい演奏なのかな?それとも・・・

できることなら、ぜひ聴いてみたいですね。生で(笑)

そのときはマサルのプロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番、亜夜のプロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番も絶対に聞き逃すわけにはいかないです、なんて(笑)

どうやらこの作品映画化されているようで、今年の秋公開、のようです。
映画はどうでしょうね。楽しみのような・・・
映画『蜜蜂と遠雷』公式サイト


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