ピーテル・ブリューゲル 「婚宴の踊り」 バグバイブの響き | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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ピーテル・ブリューゲル「婚宴の踊り」

 

「名画の謎 対決篇」と言う本を書店で見かけ思わず買ってしまいました。美しい名画を観ながら読む中野京子さんのエッセイはとても魅力的です。「名画の謎」シリーズも読む度に名画が描かれた時代に飛んでいきたい気分になってしまいます。

 

この「名画の謎 対決篇」の中にピーテル・ブリューゲルの「農民の踊り」という絵がありました。バグパイプの演奏に踊る農民達。凄い躍動感です。残念ながらバグバイブで演奏されていた音楽は楽譜が存在せず再現できないそうですが・・・。

 

上に掲載した絵は同じブリューゲルの「婚宴の踊り」と言う絵です。「農民の踊り」や「農民の婚宴」と言った絵とセットで描かれたようです。

 

下の動画は現代日本のイベント風景ですが、バグバイブに合わせて踊るのはこんな感じだったのでは、と言う気がします。どうでしょう?

 

 

ピーテル・ブリューゲルは1525年-1530年頃に生まれ1569年にブリュッセルで亡くなったルネサンス後期の画家です。生年はパレストリーナやラッススなどルネサンス後期の大音楽家と近く亡くなったのはミケランジェロと近いですね。

その頃ヨーロッパで経済的にも文化的にも先進地域だったネーデルランドで活躍しましたが晩年はスペインによる圧政に直面しプロテスタント(新教徒)に対する激しい弾圧などを間近で見ることになってしまいました。

スペインの圧政、独立を巡る80年戦争、フランス、スペイン、オーストリアなどの大国による領有権争い。フランドルを含むネーデルランドはこの後長い苦難の時期を迎えます。

ブリューゲルたちフランドルの美術家の伝統はその後独立したオランダのレンブラントやフェルメールなどに引き継がれて行きましたが、ここまで世界中に大音楽家を供給し続けた音楽の伝統はこの時期を最後に途切れてしまいました。

 

 

 

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中野 京子
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