体調が良くないのでどうもぼんやりしてしまう。
先日、柳家小三治の「芝浜」を聴いて、すごく良かったので、
他の噺家の「芝浜」も聴いてみたくなり、Youtubeをあれこれと見て回ったりしていた。
評価が高いようだったのは、家元こと立川談志。
でも、なんだかだらだらとした始め方。
偉そうなのはいかにもこの人らしいとも言えるがどうもこの始め方は感じが悪い。
後半は、だんだんと盛り上がり最後は凄みがあるといえるような仕上がり。
評判通りと言いたいところだが、やはり最初に感じた「嫌な感じ」が拭えない。
次に聴いたのは、先代桂三木助。「芝浜」で賞を取ったとか。
これはいかにも端正な仕上がり。声に品があるし描写は的確。
それから、古今亭志ん生を聴いた。
志ん生の噺は、小三治、談志とも三木助とも少し演出が違うようだ。
商いに出て行った魚屋がすぐに家に戻ってくる。芝浜で煙草を吸っているうちに財布を見つけて・・・、の部分の描写が無い。(志ん生は、三木助の「芝浜」をさして「あんなに浜の情景を描写しちゃったら夢だって思えない」と評していた、と誰かが書いていた。なるほど。)
これは、さすが志ん生。形は今一だが見れば見るほど味のある器、という感じ。心理描写も抉りが効いていると言うべきか。これもいいな。
そのあとに聴いたのが、志ん生さんの息子、古今亭志ん朝。
私は志ん朝さんの落語が好きで、この人の噺であまり期待外れだった事はなかったのだが・・・
「芝浜」はちょっとがっかり。
いや、別に悪い出来じゃ無いと思うのだ。
ただ、ある意味スマートすぎると言うか、滑らかすぎる。
魚屋の女房が女らしすぎる。
「芝浜」は小三治の骨格の大きな描写力がやはり良いな。
その次は三木助もいいけど、志ん生の方が良いかな。
談志の偉そうな態度と行儀の悪さが無ければ、談志も悪くない、かな。
なんて事を思いながら、
志ん朝さんの「井戸の茶碗」を聴きたくなった。
これは、やっぱり格好いいし気持ちが良い。
あとは、何を聴こうか・・・
疲れたとか体調が悪いとか言いながら、落語三昧。
きっとバチがあたるな、これ(笑)