このGWは外へ出ろ & その⑭ | 風水開運生活実践ブログ

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このGWは外へ出かけよう

 

コパ先生の言葉です。

 

今年に限らず、GWは風水的には

4月。今年は最高の旅行月にあたる。

そういう意味で、できるだけ

外出しよう。自分の吉方位へ

行こう。そういうことなのだと

思います。

 

というわけで、私は今日も

南西へ。

 

日盤的には

北東方位が最大吉方だったんですが、

今月は年盤、月盤ともに南西が大吉方位。

今日は盤が揃っているわけではないけれど

南西も吉方位だったので、

ダメ押しで南西の気をいただきに

行きました。

 

お土産に、菖蒲湯用の菖蒲の葉。

それから菖蒲の花を買ってきました。

ラベンダー色。

飾ってある南方位の厄をよけると

ともに、「一番になる」という気を

くれます。

 

 

ということで、今日のチラ見せ

コーナーです。せっかく捕らえた

ヒロインに逃げられちゃったあとの

某組織の様子。

 

まとめ読みはこちらでどうぞ。

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「あ——————っはっはっはっは………こいつはいい!はっはっはっ……苦心惨憺(さんたん)の果てに、ようやく捕らえた北川千晶に…あの小娘に、シュテファンはたったの2週間たらずで逃げられましたとさ!」

東ベルリンの中央街の一角を占める、白亜の美術館。その4階にある小さなうす暗いリビングで、いま大笑いの声を響かせているのはローゼンクロイツ幹部の一人、ゲオルク・ドロイゼンだ。今年34歳になった彼は、五分刈りにした赤毛の頭を揺らして、まだ笑いが止まらない。そんな彼の笑い声を、小さなテーブルの向こうで聞き流している壮年の男がいた。前頭部が薄くなった飴色の髪、エメラルドの瞳にかけた飴色の眼鏡、パリッとしたダークグレーのスーツを着こなした彼は上品な紳士の風情だ。

 

「しかしなあ、ヨーゼフ。“ぺろぺろ(ロリ)キャンディ(ポップ) “はなぜ、ケネディ空港であの兄妹を助けたりしたんだ?空港まで来たなら、そのまま飛行機に放り込めばよかっただろうに」

ヨーゼフと呼ばれた飴色の髪の男が何か言おうとすると、不意にリビングのドアが開いた。

「————それが“あの方”のご指示だったからだ。ゲオルク」

言葉とともに入ってきたのは、グスタフ・シュテーデルだった。

「どういうことですか?グスタフ様」

貫禄と落ち着きをみせるヨーゼフが品のよい口調で尋ねると、コーヒーが入ったマグカップを手にしたグスタフは、色あせたゴブラン織りのソファーに静かに腰をおろした。

「シュテファンの側近アードルフ・レグニッツが、いったい何回千晶の拉致に失敗したと思う。だから、“あの方”は仰ったのだ。強引に連れ去ろうとするから、摩擦が生じる。むこうから出向いてくるよう仕向ければよい、とな」

「なるほど!義理堅く善良なランカスターの性格を、うまく利用したのか。さすがはウォルフガング様だ」

感心したようにゲオルクはうなずいたが、グスタフはふん、と鼻で笑った。

「あの兄妹の捕獲なんぞ、本当はどうでもいい。肝心なのは、 “シュテファンの信頼”の方だ。アードルフ・レグニッツが何度も失敗している千晶を、“ぺろぺろ(ロリ)キャンディ(ポップ)”がみごと捕獲することで得られる信頼………そのためには拉致などという安直で薄っぺらい手段ではなく、”さすがだ、ギュンター!”とシュテファンに言わしめるような方法で事を成す必要があった————ということさ」

「それじゃ千晶を逃がすことも、ウォルフ様のご計画だったんですかね?」

「当然だ。ゲオルク、おまえは知らんのか?なぜシュテファンが千晶を欲するか、その理由を」

物理的(サイコキ)能力(ネシス)…のためでは?」

「むろん。奴は、それを軍事利用する腹だ。————ソビエト軍が駐留する、わが東ドイツと壁を挟んでにらみ合っている西ドイツは、東西冷戦の最前線に立たされている。ニュークリア・シェアリングと称して、核まで持ち込まれたわが国に対し、西は軍事力を強化したい。ところがオイルショック後の大不景気続きで、国としては、経済の立て直しが最優先課題。だから千晶を欲するのさ。武器にも盾にもなりうる、あの娘の強い物理的(サイコキ)能力(ネシス)は、日本でいうところの、一騎当千というやつだ。おまけに軍備増強のような巨額の金がかからない………美味い話じゃないか。奴が千晶に執着するのはあたりまえだ。————だが、わかるか?だからこそ捕らえたあの娘を、あのままシュテファンに預けておくわけにはいかなかった。適当な頃合いに娘を逃がせとウォルフ様がお命じになったのは、そのためだ」

「ならいっそ、あの小娘を消してしまえばよかったのでは?」

思いつきで軽く言ったゲオルクを、グスタフは切れ長のラベンダー色の目でギロリと睨んだ。そのあまりの迫力に、ゲオルクは縮み上がった。

「ぬかせ!それはウォルフ様が、絶対にお許しにならん」

「な…なぜですか?」

「あの娘は、ウォルフ様にとっても駒だからだ。むろんランカスターもな。————まだわからないか?“ぺろぺろ(ロリ)キャンディ(ポップ)”は、シュテファンがあの兄妹に危害を加えることがないよう見張り、口を添え、働きかけをする役割も命じられていた。とくに千晶を捕らえたシュテファンが、用済みとばかりにランカスターを始末しないとも限らんからな。間違ってもそうならないよう、“ぺろぺろ(ロリ)キャンディ(ポップ)”はウォルフ様から、重々念を押されていた。だからこそランカスターは、生きてニューヨークへ帰ることができたのさ。————ゲオルク。これ以上は今、おまえが知る必要はない。黙って見ていろ。面白いことになるぞ。ウォルフ様が何をお考えか………あの方の本当の手腕と凄さが見られるのは、これからだ。ふっふっ……」

グスタフはゴブラン織りのソファーから立ち上がると、不敵な笑いを残して続き間のキッチンへお替わりのコーヒーを淹れに行った。

 

盟主ウォルフガングの腹心中の腹心であり、最高幹部のグスタフ・シュテーデル。用心深いウォルフガングが、彼にだけは稀に直接連絡してくるという。そんな彼は、何を知っているのだろうか。