みどりの日。土用最終日です。
今季土用は、吉方旅行の助けが
あったのか、イライラもなく
穏やかに過ごすことができました。
が、まだ終わっていない。
最後までミスなく過ごしたい。
今日のラッキーフードが焼肉で、
私には食せないため
ラッキーカラーの白を着て
開運しながら、
明日の立夏にむけて
やることを調整中。
立夏は大きな開運日なので、
無駄なく効率的に過ごしたい。
そして明日は菖蒲の節句でも
あるので、健康運もしっかり
アップする!
ここからは、チラ見せコーナーです。
今日は、男子がニガテなヒロインが
やがてカレシとなるお相手と
出逢うシーン。
立ち読み大歓迎です。
こちらでどうぞ。
(kindleアプリ推奨)
9月になると、千晶はコロンビア大学に、エスターはニューヨーク州立大学へ進学した。エスターが寮生活になったため、日常的には会えなくなったが、それでもお互い電話をよくかけ合ったし、エスターも週末や休暇にちょこちょこ帰ってくるので、そんなときは一緒に映画や美術館や劇場、食事にショッピングにと、あいかわらず行動を共にすることが多かった。
11月最終週の土曜日。千晶は、感謝祭の休暇で帰ってきたエスターと、久しぶりに会うことになっていた。赤いファサードが目を惹くカフェの窓辺で、彼女は木枯らしのマンハッタンを行き交う人々を眺めながら親友を待った。12月間近とあって、街はすっかりクリスマスの飾りつけ一色だ。
「ハーイ、千晶!元気だった?」
混雑する店内に、不意に聞きなれた、なつかしい声が響いた。千晶が振りむくと、赤いソバージュヘアの親友が、同年代の男子2人とともに立っていた。変わらぬ陽気な笑顔をみせる親友に、千晶もまた満面の笑顔で椅子から立ち上がった。
「エスター!あなたこそ元気だった?……そちらは?」
「紹介するわね。この前話した、新しいボーイフレンドのジェフよ。それからジェフの友達で、日本人の誠。—————2人とも、これが私の親友。北川千晶よ」
「よろしく、千晶。エスターからよく話を聞いているから、なんだか初対面という気がしないよ。俺もニューヨーク州立大の一年生で、マンハッタンが地元なんだ。18歳だよ。よろしく」
栗色の髪をマッシュカットにしたジェフは、アメリカ人男性としては、中肉中背と言える体格だ。人好きのする笑顔で、気さくに手を差し出した彼を見上げた千晶は、その手を握って答えた。
「はじめまして、ジェフ。ふふっ、私もよくあなたの話を聞かされています。16歳ですが、コロンビア大学の一年生です。よろしく。それから…」
すらりとした身体つきの、日本人少年の方を千晶が見ると、彼はものおじせずに笑いかけてきた。
「沢口誠といいます。父の仕事の関係で、この夏休みにこちらへ家族で引っ越してきました。来月、17になります————ああ、僕だけ高校生なのか。まいったな。ははっ…よろしく」
笑うと白い歯が爽やかな彼は、日本人にはめずらしいほど鼻筋が通っている。ハンサムショートふうに作った長めの前髪、その向こうできらめく黒い瞳。着ている白いセーターもボーダーネックが洒落ていて、どこか垢ぬけた印象だ。ひと言でいうなら、なかなかのイケメン少年。十代の女子から、いかにもモテそうなタイプだ。それだけに千晶は、内心で警戒した。もしやこの人も女たらしなのでは、と。しかし、その偏見は、じきに打ち消されることになる。