婦人薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。(平成30年中国ブロック午後問27)


a 効能・効果として、血の道症、更年期障害、月経異常及びそれらに随伴する冷え症、月経痛、腰痛、頭痛、のぼせ、肩こり、めまい、動悸、息切れ、手足のしびれ、こしけ(おりもの)、血色不良、便秘、むくみ等に用いられる。

b センキュウは、血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和するほか、強壮、鎮静、鎮痛等の作用を期待して用いられる。

c エチニルエストラジオールは、長期連用により血栓症を生じるおそれがあり、また、乳癌や脳卒中などの発生確率が高まる可能性もある。


     a b c
1 正 誤 誤
2 誤 正 誤
3 正 正 正
4 誤 誤 正
5 誤 正 正








【解答】
a・・・正
b・・・正
c・・・正

【解説】
   登録販売者試験対策として今年度(平成30年度)出題された問題のうち、漢処方製剤(漢方薬)および生薬に関連する問題文やテーマが含まれる問題をピックアップしています。

    今日は「婦人薬及びその配合成分」に関する問題ですが、問題文bに生薬の「センキュウ」が取り上げられていましたので、チョイスしました。

    本問のような「正誤の正しい組み合わせを答える」問題は、まず「正」あるいは「誤」であると自信をもって判断できる問題文を探すことが常套手段です。

    問題文をざーっと眺めて容易に正誤を判断できる問題文を探しました。

    私にとってはそんな問題文は問題文cでした。これは、「正」です。

   すると選べる選択肢は選択肢3~選択肢5に絞れました。

    次に注目したのは問題文aです。この問題文を読むと、細かく一語一句暗記していませんが、どれもこれも婦人薬の効能・効果として「正」しそうです。そこで私は問題文aを「正」としました。

    すると正誤の組み合わせから、問題文bの正誤を判断するまでもなく(問題文bも「正」でまちがい無さそうですが・・・)、選択肢3が答えになりました。

    では、「試験問題の作成に関する手引き」を確認してみます。

【選択肢1】
    婦人薬は、月経及び月経周期に伴って起こる症状を中心として、女性に現れる特有な諸症状(血行不順、自律神経系の働きの乱れ、生理機能障害等の全身的な不快症状)の緩和と、保健を主たる目的とする医薬品であり、その効能・効果として、血の道症、更年期障害、月経異常及びそれらに随伴する冷え症、月経痛、腰痛、頭痛、のぼせ、肩こり、めまい、動悸、息切れ、手足のしびれ、こしけ(おりもの)、血色不良、便秘、むくみ等に用いられる

【選択肢2】
    センキュウ(セリ科のセンキュウの根茎を、通例、湯通ししたものを基原とする生薬)は、血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和するほか、強壮、鎮静、鎮痛等の作用を期待して用いられる。

☆問題文bでは、「センキュウ」の基原が割愛されていますが、そこを問われる問題文も過去に出題されていますので、基原もしっかり覚えてしまいましょう。

【選択肢3】
女性ホルモン成分
     人工的に合成された女性ホルモンの一種であるエチニルエストラジオール、エストラジオールを補充するもので、膣粘膜又は外陰部に適用されるものがある。これらの成分は適用部位から吸収されて循環血液中に移行する。

    妊娠中の女性ホルモン成分の摂取によって胎児の先天性異常の発生が報告されており、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避ける必要がある。吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが考えられ、母乳を与える女性では使用を避けるべきである。

     長期連用により血栓症を生じるおそれがあり、また、乳癌脳卒中などの発生確率が高まる可能性もあるcxxviiため、継続して使用する場合には、医療機関を受診するよう促すべきある。

☆エチニルエストラジオールについて書かれている部分を広範囲に引用しました。その中で「人工的に合成された女性ホルモンの一種であるエチニルエストラジオール、エストラジオールを補充するもので、膣粘膜又は外陰部に適用されるものがある。」という部分が平成30年度の奈良県問81で問われたことがあります。確認しておくと良いでしょう。