ICW No Holds Barred Volume 4 

Deathmatch Circus 20/8/8

デイル・パトリックス対リード・ベントレー
初手でパイルドライバー合戦。すぐに立ち上がり試合を進めたのは雑過ぎるものの、デイルのやられっぷりが光り、次第に熱を帯びていく。
場外に寝かした相手へのスワントーン・ボムを始め、十八番の尻出し状態での受けを連発。一発二発で終わらず、終盤はずっと生尻への攻撃。間違いなくしばらくトイレに行けなくなる過激さ。ベントレーもそのデイルの覚悟に応え、生尻への蛍光灯束攻撃、バーニング・ハンマー、そしてコーナーのノコギリボードへのバーニング・ハンマーで仕留める。デイルの尋常ではない狂いっぷりが、只のアンダーカードの一試合を変える事が出来た。終盤の数分はまさに名場面。名前を売って金を稼ぐにはここまでやるのかと感嘆の一言。
中々良い試合。
評価:***1/2

ブランドン・カーク対ジミー・ロイド
昨年のCODのメイン。その試合は大凡戦だったが、今回は余計な演出もなく、設定時間も短めなので、内容を凝縮させ、テンポ良い試合をする事を心掛けていた。アキラやオーシャンの台頭が、この2人の存在を完璧に脅かしている事もあり、いつもよりも気合が入っていて、キビキビ動いていた。最後も火炎椅子から蛍光灯束への投げで豪快に幕。CODの試合よりも100倍良かった内容。平均的良試合。
評価:***1/4

アレックス・コロン対アレックス・オーシャン
軽快な動きと蛍光灯を交えた独創的な攻撃で魅せる形。コロンが胸を貸し、オーシャンが勢いそのままに攻撃を叩き込む。スーサイドかつ小気味良い展開が続いていたが、さあこれからクライマックスと言う時に、オーシャンの蛍光灯束への投げで、コロンが深くカットし試合続行不可で幕切れという惜しいフィニッシュ。レフェリーは素早い判断で見事だった。どこかで再戦してほしい。平均的良試合。
評価:***1/4

シュラック対カサノヴァ・ヴァレンタイン(w/ライリー・マディソン)
2週連続の猛獣大戦争。凶悪な風貌に凶悪な攻撃。毎週連戦続きの中でも、ギアも過激度も落とさずに、蛍光灯を打ち合う両者。アブドーラ小林も驚きの蛍光灯束の投げ合いは、よりスピードが速い投げっぷり。シンプルながら巨漢同士のデスマッチ。これしかなくても、これがベスト。外す事なくど真ん中を撃ち抜いてくる。女子マネマディソンがいる事で、ちょっとだけ華やかになるのもポイント。最後はシュラック十八番のビニール袋攻撃だが、蛍光灯の破片を大量に入れた後、それを被せて叩きつけるという極悪式。KOTDMの試合に比べ、3分短いそのボリュームの差で評価は下がったが、同じ時間位なら好勝負になったであろうウルトラヴァイオレントな内容。もう数え歌認定したくなる激戦。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

ジョン・ウェイン・マードック対アキラ
アキラのデスマッチチャレンジシリーズ、今回はICWのエース格マードック。初っ端から蛍光灯鉄柵トラップへの一撃で豪快な幕開けを飾るも、少し落ち着かせる形。蛍光灯乱舞になるかと思いきや、ナイフとガセットプレートを使ってエグさを出したのは、マードックの巧さ。終始マードック優位で進め、アキラを大流血に追い込む事で、アキラのシンデレラストーリーが際立つ。軽快な動きと受けっぷりの良さ、そしてアンダードッグ性。キャラクターや狂気という点ではこれからにはなるが、動きの良さと狂った受けっぷりは、若手の時のドレイク・ヤンガーを彷彿とさせる所もある。アンダードッグの見せ方も上手く、それに応えたマードックの潰し方も見事。隠れた実力者の復活と新世代の旋風が噛み合った見事なメインイベント。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

全体評価:8
 

ICW No Holds Barred 

Volume 3.75 – Pit 20/8/7
1日目、猛烈な嵐による天候不順により、急遽屋内(会場の近くの納屋)で、ノーリングにて試合を行う事に。

カサノヴァ・ヴァレンタイン(w/ライリー・マディソン)対デイル・パトリックス
試合を作れるデイルとノーリングデスマッチのカリスマであるヴァレンタインなので、戸惑いなく手際良く進めていく。主戦場であるノーリングなので、活き活きとしているヴァレンタインが印象的。ドア破壊や有刺鉄線そしてセコンドのマディソンを使いながら、的確に見せ場を作り、盛り上げて見せた。平均より上。
評価:***

アレックス・オーシャン対ジミー・ロイド
単なるボーナストラックの大会なのに、二階からの高所ダイブにマットも何も敷いていない床へのカナディアン・デストロイヤーやダブルアーム・バイルドライバーを決め、良い意味でキメてるとしか思えない吹っ切れぶりは天晴れ。
アレックス・オーシャンの株がまた上がった試合。まあまあ良い試合。
評価:***1/2
 

IWA Mid-South 

King of The Death Matches 2020 Night2 

20/8/1

準々決勝-ファイナル・コンストラクション・デスマッチ
リッキー・シェイン・ペイジ(w/エディー・オンリー)対シュラック

屈指の好カードではあるものの、この後も試合がある事を踏まえて、ハイペースにならない様に、RSPがコントロールしながら試合を進める。試合構築はRSPにお任せだったが、シュラックはそれで良い。多彩な凶器を使いつつ、オンリーの介入を凌いで、シュラックが現GCW世界王者から殊勲の勝利をもぎ取った展開は熱い。平均的良試合。
評価:***1/4

準々決勝-メディイーヴァル・デスマッチ
ジミー・ロイド対ジョン・ウェイン・マードック

前日にロイドを倒したオリン・ヴァイトだが、試合中に腕を深くカットした事が原因で参戦不可。

その為、昨日オリンに敗れたロイドが勝ち上がり、このカードに。
画鋲や有刺鉄線系の凶器と地味目ではあるものの、テンポ良く使った後、椅子に座っての拳の打ち合いや頭突き合戦で手堅く盛り上げ、有刺鉄線ネットはインパクト薄だったが、必殺のディープサウス・デストロイヤー連発でカバーしたのも見事。マードックの良さばかり語ったが、ロイドもやる気があるモードで、動きも良く、マードックのリードに上手く乗れていた。コンパクトながらIWAらしさを感じた内容。平均的良試合。
評価:***1/4

準々決勝-ペインズ・オブ・グラス・デスマッチ
エリック・ライアン対ジェフ・キング

昨日キングに倒された同じステーブルのオンリーの敵討ちに臨むライアン。実力差は明らかで、攻守に渡りライアンがリード。キャリーも的確で、実力の劣るキングを輝かせながら、自身が映えるシーンも多数用意。見栄えが良いガラスボードを使う事も、実力差をある程度隠せて、試合のボリュームを増すことが出来た要因。キングもいつも以上に良い働きを見せたが、ライアンが盤石の勝利で、駒を進める。

平均的良試合。
評価:***1/4

準決勝-グラス・キャッスル・デスマッチ
エリック・ライアン対ジョン・ウェイン・マードック

この試合も実質の決勝でも良いカードではあるが、決勝を控えている事もあり、巻きが入ったのは残念。

それでも大量の蛍光灯を使っているので、一定のクオリティと派手さは担保されている。平均より上。
評価:***

準決勝-カーニバル・デスマッチ
シュラック対デイル・パトリックス

前の試合でこみかみを深くカットしたデイルだが、この試合でもシュラックの凶悪な攻めに遭う事になる。何よりも強烈な椅子攻撃が印象的。攻めのシュラックと受けのデイル。相性が良い上に凶器群も上級凶器ばかりとあって、両者の良さが出ている展開。点灯している電球付テーブルへの投げが上手くいかなかったら、そこに十八番の火炎エルボードロップを持って来て、超えてくるシュラックも見事。終盤まったりしてはいたが、トータルでは見応えのある内容になっている。今大会のMOTN。まあまあ良い試合。
評価:***1/2

決勝-バーブドワイヤー・ケージ、ハウス・オブ・ホラーズ・マッチ
エリック・ライアン対シュラック

KOTDM03の決勝、ポンド対ベイリーを思わせる試合形式。移動を制限してしまう、吊り上げられている蛍光灯を早々に消費する形。準決勝に続きシュラックが火炎エルボードロップで短期決戦を狙った所で44 OH!のRSPとオンリーが介入。再三の如く介入するも、シュラックの援護はなし。こういう時にゲイジがいればなと切に思う。木製のケージが邪魔をして、ライアンも攻撃を何とか当てるのがやっと。この日3戦目で、難しい特殊形式、シュラックに介入祭りと難儀過ぎるものの、大量の蛍光灯&テーブルに寝かしたシュラックへ、何とかケージ天辺からのセントーンという特大ムーブを見舞い体裁を整えた。バッドエンドですっきりしなさ過ぎるものの、実力者ライアンの優勝は素直に嬉しい所。
評価:**3/4

全体評価:7
 

IWA Mid-South 

King of The Death Matches 2020 Night1 

20/7/31

1回戦-ファンズ・ブリング・ザ・ウエポンズ・デスマッチ
カサノヴァ・ヴァレンタイン対シュラック

ICWの様にカットしたChoose Death Tシャツ着用のシュラック。この2人が並び立つだけでも満足ではあるものの、

ヴァレンタインが消毒用アルコールを付けてからのパンチを繰り出したかと思えば、シュラックが荒々し過ぎる攻撃ですぐ様倍返し。シュラックの攻めっぷりは見事で、それまで低調だったこのトーナメントの雰囲気を一瞬で変えてみせる。ヴァレンタインもやられればやられる程、色気が出る選手でもあるので、相性抜群。ひたすら大量の蛍光灯系凶器を武骨に叩きつけ合う。これしか出来ないかもしれないけど、一番2人が光る最高の方法。決して上手くない選手達ではあるが、以前よりもスキルの向上はしているので、大きなミスもなく、技も崩れていなかったのは良いポイント。クライマックスもダニー・ハヴォック追悼攻撃も経て、勢いは持続。フィニッシュも得意のビニール袋攻撃に加え、蛍光灯の破片で額を抉り続ける凶悪な攻撃。全編通してらしさ全開の大激戦。好勝負。
評価:****

1回戦-ノーロープ・バーブドワイヤー&カリビアン・スパイダー・ウェブ ダブル・ヘル・デスマッチ
ジョン・ウェイン・マードック対シェイン・マーサー

IWAでブレイクを遂げた両雄が初日のメインに。デスマッチファイターにはいない、怪力+ハイフライヤーという反則級のスペックを持つマーサー。軽くないマードックを軽々リフトアップし、トラップに投げるシーンは圧巻。マーサーが一番映える軽量級相手の試合とはならないので、完全に魅力を出し切った訳ではないが、ガラスボードや蛍光灯という上級凶器をふんだんに使いながらインパクトを生み出す。マードックの必殺技ディープサウス・デストロイヤーの受けも、マーサーの身体能力があるからこその決まり具合。マーサーの様なタイプはいないので、大会における変化球としては最高のチョイス。より活躍の場が増えそうな活躍。マードックも全体をコントロールしながら、安定した働きを見せていた。中々良い試合。
評価:***1/2

全体評価:7.5
 

Pro Wrestling NOAH 

DEPARTURE 2020 day1 20/8/4
GHCナショナル選手権試合
中嶋勝彦(c)対拳王

「痛め付ける」ではなく、確実に「殺す」蹴りを持つ両者。その最大の武器を、変に捻らずに最大限活かした試合構築となったこの試合。

序盤から中嶋のギアが数段上がっており、特別な試合であると印象付ける。笑ってしまう程凄まじい各種蹴り技を中心に、その行間を埋める表情作りと適切なつなぎ技でアクセントを付ける。中嶋得意のコーナーでの踏み付けもエルガン戦の倍狂気が乗っていた。

 

拳王の雰囲気もコスチューム同様真っ赤な炎を纏った様なものではあるが、中嶋も同じく炎を宿す。色は時に冷たい青、時に漆黒。只どれも瞬く間に火傷する様な熱さである。まさにキラーモードに入った中嶋は、拳王を強制的にアンダードックに回してしまう。それ程の破壊力と狂気である。

 

その様にハードな展開が続く中で拳王は、破壊的な蹴りに対して、①シンプルに耐える、②反撃してからダウン、③すぐダウンしてのたうち回るといった複数のダウン方法を見せ、中嶋の攻撃をスケールアップさせていた。同じ蹴り使いならではの表現の巧みさは見逃せない。
 

そしてその土台があってこそ、終盤の蹴り合戦が単発にならずに際立つ。正直蹴り合戦が来る事は想定内だが、それを上回る張り手&掌底合戦をクライマックスにおける最大のスポットに持ってきたのは意表を突かれた。全て失神級の切れ味な中で、中嶋が、張り手を躱してからのカウンターを見せた事により、シュートを超えるハードヒットへと昇華した。最高の破壊力ある攻撃を最高の速度で行うのだから文句の付けようがない。


常に拳王を打撃で凌駕し続けた中嶋が、KOで破れるのは、違和感は覚えるものの、説得力は十分。ギアを上げてもまだまだ余力を残す中嶋の恐ろしさと、それに立ち向かいながらも、打撃で1本では勝押し切る事は出来ない、ならカバーする技を使いつつ、反逆ベビーという立ち位置を踏まえた試合運びを見せ、クレバーな所を示した拳王。両方の魅力が光った好勝負。
評価:****

全体評価:7.5

Pro Wrestling NOAH 

DEPARTURE 2020 day2 20/8/5
GHCヘビー級選手権試合
潮崎豪(c)対丸藤正道

「三沢オマージュ」三沢没後のノアにおいて、特別な試合には幾度となく出てきた過去と現在を繋ぐキーポイントである。そして今回それに加えて、デビュー22年の丸藤の歴史を辿っていく大きな軸も存在する事から大ボリュームになるのは確実。実際丸藤の多彩な得意技をテンポ良く腕攻めに絡めながら披露していく。

 

ハードヒッター王国のノアにおいて、受けで試合を構築する事に、特段長けている潮崎だからこそ、丸藤が攻めに攻める展開になるのは仕方ない。只細かく積み上げた中盤までの展開を経ても、終盤も丸藤の得意技オンパレードは続き、防戦一方のままの潮崎。ノスタルジックにさせながら、技の独創性と完成度に惚れ惚れする良さはあるものの、「丸藤の歴史を辿る」ものであって、「ノアの至宝を争う頂上決戦」というテーマからは逸脱している。腕攻めでベースを作った上で、昨日の前哨戦の決まり手である、パーフェクトキーロックも一回長めに使ったものの、すぐ新パターンを含む虎王押しにシフト。ここまで来たら雪崩式や断崖式、ノアを象徴するハードなスポットを行う手もあったが、それを選ぶ訳でもなく、結局チョップ合戦に戻ってしまう。

 

潮崎の反撃として繰り出した三沢オマージュのエメラルド・フロウジョンやエルボー連打も、本当はスケールアップさせた段階で決めたかったが、丸藤の得意技オンパレードが強く来すぎてしまった為、結果軽くなってしまった。前日の中嶋対拳王は、目玉となる蹴りの応酬を超えた張り手と掌底の応酬を配置した事により、特別性を強めたが、今回は上手く纏める為、ネガティブな意味での定番のチョップ合戦や三沢オマージュであった。何でも出来過ぎてしまうが故に陥ってしまった内容。終盤の攻防で、中盤迄の積み上げを回収出来なかったのが全て。

中々良い試合。
評価***1/2