WWE NXT UK #127 1/14/2021
NXT UK王座戦
ウォルター(c)対A-キッド

 

関節技ならまだチャンスを作れるとそれに賭けるA-キッドに対し、手を焼きつつもチョップで流れを変えるウォルター。そこからドミネイトに入る形。アンダードッグ性は持つA-キッドだが、飄々としたタイプではあるので、ネチネチと削りに行かず、テンポの良さを守った支配ターンだったのは正解。ウォルターの猛攻を受けたA-キッドだが、ロープを使ったドラゴンスクリューをきっかけに、アームロックや三角締めで対抗。打撃もいつもよりもキレが良かったのもポイント。破壊者ウォルター対若き奇術師A-キッド、想像よりも更に仕上がっていた内容。パッケージ化出来ていた試合である。この試合を観て何を思ったか。ウォルターが全米に名を轟かす事となったザック・セイバーJr.との試合を彷彿とさせる内容である。ザック程の完成度はなく、仕留めるパターンが複数かつ固定化されていない所はあるけれども、苛烈なドミネイトに屈服しそうになるも、何度やられても立ち上がり、打撃を散らしながら、関節技で一本狙いというのはまさにウォルター対ザック。ザックの獲得が不可能なら、自前で作ってしまえ。その白羽の矢が立ったAキッドが見事に役割を果たした一戦。イリア戦と共に数え歌として看板化出来る一戦です。試合時間の短さは全く気にならない濃密な好勝負。
評価:****

全体評価:7

 

WWE NXT UK #126 1/7/2021
NXTクルーザー級王座戦
ジョーダン・デヴリン(c)対ベン・カーター

2020年のインディー界でも屈指のトッププロスペクトだったベンジャミン・カーター改めベン・カーターがWWEデビュー。そのキレのある動き、飛び技はやはり才気を感じる。しかしそれ以外はまだまだ発展途上なので、そこはデヴリンが手綱を握りながら調整。彼もまだこんなものではないものの、カーターの勢いに押され、少し本調子を出せたか。無駄を省き、カーターのシンデレラボーイぶりを活かし、最後はデヴリンが横綱相撲で幕引き。
正直マーク・アンドリュースでもフラッシュ・モルガン・ウェブスターでも出来る役回りではあり、コロナの影響がなければまだWWEにはいなかったかとは思うが、Speaking Out等の影響で駒不足が顕著なNXT UKにおいて、救世主となって欲しい存在のカーター。デビュー戦は100点満点の活躍であった。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

WWE NXT UK #119 11/19/2020
NXT UK女子王座戦-フォールズ・カウント・エニウェアマッチ
ケイ・リー・レイ(c)対パイパー・ニヴェン

宿命のライバル同士。このカードはスコットランドのICWで、クイーン・オブ・インサニティーマッチというデスマッチも戦った間柄ではあるが、WWEなのでKLRのハードコア巧者ぶりは抑え目、ハードバンプは封印。のらりくらりとしたヒール王者として戦う。その分パイパーがWWEに入った事により、洗練されていたので、攻めの比率が増えても、以前よりも見せ場を作れていた。巨体の割にパワフルさがないのは改善出来てはいないものの、凶器攻撃で補っていてまとまりを出していた。平均的良試合。
評価:***1/4