Change Of Heart | 今夜はきまぐれ~Mustangのひとりごと~

今夜はきまぐれ~Mustangのひとりごと~

~WHO'LL BE THE FOOL TONIGHT~ Music Monologue by Mustang
ホントにきまぐれな更新でございます…(^^ゞ

Eric Carmen について、もう一度…

 

 

”CHANGE OF HEART" を初めて耳にしたのはほぼリアルタイムでリリースの翌年、1979年。

 

 

 

"ALL BY MY SELF" を初めて聞いたのはリリースから6年後の1981年。

 

 

この曲のメロディは、ほとんどリアルタイムに Paul Mauriat のカヴァーで知っていたのだが…

 

※日本盤LPは独自編集されたもの。

disco sensation

LOVE IS STILL BLUE - Paul Mauriat Disco Sensation

/Paul Mauriat (1976)

 

 

前回タイトルにした "IT HURTS TOO MUCH(悲しみトゥ・マッチ)" を初めて耳にしたのはジャストタイムの1982年。

 

 

 

”I WANNA HEAR I FROM YOUR LIPS(噂の女)" を初めて耳にしたのは…ほぼリアルタイムの1985年。

 

 

以上…僕が社会人になる前にエアチェック…FMラジオからカセットテープに録音していた Eric の曲はこの4曲しかなかった。

 

そして、社会人になってから「レコード・コレクターのようなもの」になった動機は、カセットテープに録音した曲をより良い音質のものに置き換えることだった。

 

僕が社会人になったのは1990年だから年号では昭和から平成に移った頃。

それは音楽ソフトの主流がLPからCDに移った頃でもあった。

 

2000年代に入った頃にパソコンを手にした時、ソフトで手に入っていない楽曲がどれだけあるか…そしてそれらのカセット音源をデジタル・ファイル化しようと考えた際に、所持していたカセットの内容を全てexcelでリスト化を試みた。

 

とは言っても日記のような記録をつけていたわけではないから、リストを作ってから楽曲の発表年代をチェックし、その順序から録音した時期を推測する…そんなアナログ的力技(笑)でデータベースを作り、それをCDやLPを入手する設計図にしたのだ。

 

 

Eric Carmen についてはテープにあった4曲のうち3曲が入っているベスト盤を見つけた。

 

the best of eric carmen

THE BEST OF ERIC CARMEN (1988)

 

僕にとってはよくあるパターンで、ベスト盤を聞いて全曲気に入るとオリジナル・アルバムを揃えたくなる…「それが僕の悪い癖」

そうして僕は「レコード・コレクターのようなも」のという沼にハマっていったのであった…(^o^;)

 

"THE BEST OF ERIC CARMEN" 、これを僕は中古CDで入手した(1991年の再発盤)

 

中古…僕が就職からパソコンを手にする頃までは新譜を買える経済力はなかったわけで、中古店や輸入盤店はよく利用した。

当時…1990年代の新潟市には中古店も結構あって KING KONG の出店(現在も健在)もこの頃だし、TOWER RECORDS を皮切りに HMV、VIRGIN MEGASTORE が続々と出店(現在は再出店の TOWER のみ)してきた。

 

"THE BEST OF ERIC CARMEN" で気がついたこと。

それは、Eric の曲と知らずに耳にした曲があった。

 

"THAT'S ROCK 'N' ROLL(すてきなロックン・ロール)" と

"HEY DEANIE" の2曲。

 

どちらも Shaun Cassidy のヴァージョンで耳にしていたのだ。

 

shaun cassidy greatest hits

GREATEST HITS/SHAUN CASSIDY (1992)

 

これも中古CDで入手したもので、Eric のCDより少し前に手にしていたように記憶している。

 

これに気付いたことも Eric のオリジナル・アルバムを揃えたい願望を強くする要因になった。

 

僅かな時間差が「幸運」なのか「運の尽き」だったのか(笑)、Eric の Arista years アルバム4枚は1992年にCD化。

 

eric carmen 1975

ERIC CARMEN - サンライズ (1975)

 

boats against the current

BOATS AGAINST THE CURRENT - 雄々しき翼 (1975)

 

change of heart

CHANGE OF HEART (1978)

 

tonight you're mine

TONIGHT YOU'RE MINE (1980)

 

 

 

その後、Geffin 移籍後のソロ5枚目、"ERIC CARMEN" は…運良く日本盤CD(1984年、CDもほぼリアルタイムの発売)を中古でゲット。

カセットに録っていた4曲のうちベスト盤に収録されていなかった1曲をここで得た。

 

eric carmen 1984

ERIC CARMEN (1984)

 

 

 

そうなると、遅ればせながら RASPBERRIES にも興味が沸いて…

 

raspberries best

RASPBERRIES' BEST featuring Eric Carmen (1976)

 

…これも中古で 1990年版CDをゲットしたが、レア・トラックがなかった(当時ならそれが普通)故にオリジナル・アルバムを入手後には処分してしまった。

しかし、ジャケットのデザインを観るにつけ、処分しなければ良かった…と思ったりする1枚。

 

RASPBERRIES …所謂「パワー・ポップ」とカテゴライズされるバンドのひとつだろう。

 

同じ表現をされるバンド…

僕が思い浮かぶのは CHEAP TRICK、THE KNACK、BABYS、BAD FINGER… PILOT も入るか?

ならば僕が RASPBERRIES を気に入らないはずがない。

 

ただ、Eric のソロと RASPBERRIES サウンドのイメージが直結しなかったとはいえ、アルバムで聴いてみるとヒット曲以外も僕の耳にすんなりと馴染んできた。

それは RASPBERRIES の曲にも後の Eric のソロに通じる雰囲気を持った曲があったからだろう。

 

 

 

そんな RASPBERRIES と Eric Carmen のアルバム、Geffin の1984年盤ソロ以外の4+4=8枚が揃って2007年に紙ジャケ仕様で再発となった。

 

raspberries

RASPBERRIES (1972)

 

fresh

FRESH - 明日を生きよう (1972)

 

side 3

SIDE 3 (1973)

 

starting over

STARTING OVER - 素晴らしき再出発 (1974)

 

 

更に2015年には Eric のソロ4枚がBSCD2仕様の紙ジャケで再発(ソロデビュー 40th Anniversary という名目)、翌2016年には、RASPBERRIES の4枚と1984年の5枚目ソロもSHM-CD仕様の紙ジャケで再発になった。

 

悩ましいのは2007年盤と2015/16年盤ではボーナス・トラックや帯の再現などの仕様に違いがあること。

結局、僕は双方を保有する羽目になった…(;^_^A

 

ただ、これだけ繰り返しCD再発されているのは日本ぐらいのようなのだ。

なにしろ、ワールドワイドで発売された "THE BEST OF ERIC CARMEN" 以前に日本独自のベスト盤は2種あったようだし、CD時代になっても日本独自のベスト盤が2種出ていた。

 

それだけ日本での人気が高いということなのだろうか?

まあ、Eric のメロディ・センスが日本人にフィットしたと考えても不思議はないとは思うけど。

 

しかし、"THE BEST OF ERIC CARMEN" が出た後…特に1990年代に入ると表立った動きがほとんど伝わらなくなり、ソロ6作目が出たのは1998年とベスト盤からでは10年のブランクが空いていた。

 

もっとも、1980年代にも4thの "TONIGHT YOU'RE MINE" から 5th "ERIC CARMEN" まで約4年のブランクがあった。

これはレコード会社 Arista との契約が関係していたらしく、当時 Eric は会社から納得のいくサポートが得られないと考えたようだ。

 

 

そして、映画 "FOOTLOOSE" (1984) に提供し、Mike Reno (LOVERBOY) と Ann Wilson (HEART) のデュエットで録音された "ALMOST PARADISE" がヒットチャートへの復帰曲となり、Arista との契約終了を待って 5th を Geffin からリリースしたが、この1作のみで契約は終了。

 

 

 

1986年、Eric の出身地 Cleveland に "The Rock and Roll Hall of Fame and Museum (ロックの殿堂) を誘致する目的でのチャリティ・シングル "THE ROCK STOPS HERE" を出すものの、この後リタイアを考えたのだとか。

 

 

 

しかし、映画 "DIRTY DANCING" (1987) への提供曲 "HUNGRY EYES" (レーベルはRCA) がヒット。

 

 

これが "THE BEST OF ERIC CARMEN" (1988) が出される契機になるのだが、ここには ”HUNGRY EYES" に加えて Arista と再契約してシングルで発表された新曲 "MAKE ME LOSE CONTROL" も収録された。

 

 

 

更にはNBCテレビのソウル・オリンピック放映のサントラアルバム "ONE MOMENT IN TIME" (1988) に "REASON TO TRY" (作者は John Lind/Phil Goldston) で参加している。

 

 

 

また映画 "DIRTY DANCING" のサントラに参加したメンバーによるコンサート・ツアーが行われ、その模様はライヴ・アルバム "DIRTY DANCING LIVE IN CONCERT" (1989) としてリリース、3曲に Eric が参加している。

 

この中の1曲は "FOOTLOOSE" に提供した "ALMOST PARADISE" を Eric と Marry Clayton によるデュエットだった。

 

dirty dancing live

DIRTY DANCING LIVE IN CONCERT/VARIOUS (1989)

 

 

Arista には未発表録音(6作目用?)があり、その中の "MY HEART STOPS" (作者は Diane Wallen) が 1992年にシングルでリリースされている。

 

 

…ところがこの後、Eric の動向が伝わってこなくなる。

 

 

ここから1998年まででも6年のブランクが開くわけだが…6作目のソロ・アルバムがようやく発表。

 

winter dreams

WINTER DREAMS - 夢の面影 (1998)

 

アメリカでは2年後に異なるジャケットとタイトルでリリース。

 

i was born to love you

I WAS BORN TO LOVE YOU (2000)

 

日本盤はパイオニアLDC、アメリカ盤は Pyramid Records (Rhino)からリリース。もはやメジャー・レーベルからは出せなかったのだろうか…。

 

 

"ALMOST PARADISE" を Janey Clewer (このトラックでギターを弾いているBruce Gaitchi の奥方) とデュエットしたり、THE BEACH BOYS の "CAROLINE, NO”のカヴァーなどもあるが、全体にAOR的に落ち着いた感じの作風…と言えるだろうか。

 

 

だが、事実上これが最後のオリジナル・アルバムになってしまった。

 

 

でも、Eric の活動が終わったわけではなく…

 

2004年、RASPBERRIES が復活。

2005年のライヴが2CD+DVD(抜粋)で商品化された。

 

live on sunset strip

LIVE ON SUNSET STRIP (2007)

 

僕にとっては RASPBERRIES を改めて見直す機会になったアルバム。

 

※このテイク、DVDには未収録(CDには収録)

 

 

同じく2007年、前述の通り RASPBERRIES と Eric の Arista期ソロ・アルバムが紙ジャケ仕様で再発。

 

 

2014年、選曲で RASPBERRIES からソロ6作目まで全ての時代を網羅した正にオールタイム・ベスト、"THE ESSENTIAL ERIC CARMEN" リリース。

 

the essential eric carmen

THE ESSENTIAL ERIC CARMEN (2014)

 

ここには2013年に配信で発表の新曲、"BRAND NEW YEAR" も収録された。

でも、これが最後の「新曲」になるのか…

 

 

 

2015年、Eric のソロ・デビュー40周年ということでAristaのソロ4枚、翌2016年に RASPBERRIES 4枚が再紙ジャケ化、 Geffin からのソロ5作目が初紙ジャケ化されたのは前述の通り。

 

 

2017年、RASPBERRIES が復活した2004年に Eric の出身地 Cleveland で行ったライヴがCD化(2CD)。

 

pop art live

POP ART LIVE (2017)

 

 "LET'S PRETEND (”FRESH" 収録)は BAY CITY ROLLERS がカヴァー

 

しかし、これが Eric 最後の「アルバム」になるのか…

 

 

 

 

そういえば、Eric Carmen と Cleveland というキーワードだけで何の予備知識もなく入手したアルバムがあった。

 

euclid beach band

THE EUCLID BEACH BAND/THE EUCLID BEACH BAND (1979)

 

邦題「夢のクリーヴランド」

2001年にソニーの「洋楽秘宝館」という再発シリーズで出た1枚。

 

 

このシリーズには PAGES、FOOLS GOLD、FAR CRY、THE BLISS BAND など AOR で語られるもの、NEW MUSIK、BRUCE WOOLEY & THE CAMERA CLUB など NEW WAVE で語られるもの、CAFE JACQUES、SAILOR などモダン・ポップで語られるもの…などなど。

 

共通するのは、ポップであっても一癖ある(いい意味で個性的である)が故に必ずしもヒット・チャートを賑わしたものではないこと。

とにかく「洋楽秘宝館」とはうまいシリーズ・ネーミングだったと思う。

 

僕はホントに全く予備知識なしに「Eric Carmen 全面プロデュースによる極上ポップアルバム」という謳い文句に乗せられてこのアルバムを手にしたのだが、これほど乗せられて良かったと思ったアルバムはない…「そう、断言しよう」(笑)

 

↓これは Eric の提供曲。

 

売れなかった理由は「覆面プロジェクト」…売る側も予備知識なしに聴かせたい方針だったことが裏目に出たようなのだが、Eric のバック・バンドのメンバー2人によるユニットがその実体。

 

残念ながらCD化はこの1度きりで、その後は高値のレア盤と化した…ようなのだが、調べてみたらレア盤化は事実だったけれど、現在はダウンロード販売もYouTubeもあるので、それなりの価格に落ち着いているようだ。

 

↓これも Eric の提供曲。

 

 

 

 

こうして Eric のキャリアを振り返って気づくのは、1990年代以後にもっと活躍する場があっても良かったのではないか…という疑問。

 

それが残念というか無念というか…

 

「業界」はともかく、Eric のファンは「心変わり」などしなかったと僕は信じて疑わない。みんな「君に首ったけ」だったはずだから。

 

ECSTASY (君に首ったけ - "SIDE 3" 収録曲) - LIVE 2007

 

 

改めて Eric Carmen と出会えたことに感謝。