今回は文字ばっかりで申し訳ない…
今から3年前。
COVID-19のパンデミックが始まってから1年後、僕の勤務先が廃業。
今から2年前。
僕が座骨神経痛を発症した頃、母が家の中で重症の火傷を負うという大事件が起こり、母は自力歩行が不能になる。
その半年後、僕に白内障の症状が現れ、そこから糖尿病も発覚。
晩秋に母の特養ホーム入所が決まるが、認知症が進行したようで自宅や僕のことはほとんど頭から欠落していた。
今から1年前。
僕の白内障の手術が決まるが、日程は半年待ちの9月。
白内障は手術のおかげで生活に支障のない程度になり、糖尿病は通院時の血液検査では悪化の兆しはない。
令和6年元日。
能登半島地震で新潟県もかなり揺れた。
新潟市(新潟地方気象台)で震度5を記録したのは、僕が生まれ年の新潟地震(1964年)以来だと思う(僕の住む区の区役所の地震計では震度4。新潟県中越地震(2004)や東日本大震災(2011)でも新潟市は最大震度4だったと記憶している)
新潟県内では住宅被害が2万棟を超えた。
多くは地盤の液状化で家屋が倒壊しなくても傾斜や歪みで普通に生活できるとはいえないケースのようだ。
僕にとっては「津波警報」発令が地震の揺れ以上に緊張と動揺…心理的に大きな圧迫になった。
そんなこんなで…この数年は公私ともに「無常」を感じる期間だった。
♪…
2か月前。
「無情」な出来事。
それは YouTube アカウント停止。
僕がアカウントを取得したのは10年前の2014年。
動機はこのブログを書く上で使いたい音源(動画)がネット上に必ずしも存在しなかったこと。
もちろん、CDジャケットの裏面などに必ず表記されている「ネットワーク等を通じて送信できる状態にすることは著作権法で禁じられています」という類の文言は承知していた。
しかし、実際には現在でも「送信できる状態」=「アップロード」された音源や動画は山ほど確認できる状況だ。
その大半は権利者に利用許諾を取っているとは思えない。
そんな状況を見れば、自分もやってみようと誰でも考えそうなもの。
アカウントを取得して自分のチャンネルでアップロード作業をしてみると、 ”Content ID" なる仕組みがあって「著作権で保護されたコンテンツを簡単に識別、管理できることがあります」とされていた。
そこに僕は甘い考えを持っていたことは認めざるを得ない。
♪…
アカウント停止までの経緯…なるべく簡潔に。
「著作権侵害の警告を3回以上受けるとチャンネルが停止される可能性があります」…まあ、チャンネル=アカウントと言っていい。
僕はその警告を計4回受けた。それは短時間に波状攻撃的に。
警告の対象になったコンテンツ(動画)は12月上旬、1週間足らずの期間にまとめてアップした14件のうち12件。すべて同じアーティストの音源が素材。
これらは未CD化かCD化されていても現状では入手困難のもの。
このうち14件中8件は Content ID で「管理」されていることが確認できた。
この14件に対して警告は…
1回目:3件分
2回目:5件分(1回目3件を含む)
3回目:9件分(2回目までの5件を含む)
4回目:12件分 (3枚目までの9件を含む)
…よって14件中対象外が2件。そのうちの1件は Content ID での管理を確認できた曲。
4回の「警告」は約30分間に波状攻撃的に受けた。
それは平日の13時台のこと。
10年間お世話になったチャンネルはこんな形であっと言う間に停止された。
著作権侵害による削除通知の提出者は「楽曲の著作権者」ではなく「録音物の著作権管理者」だった。
そりゃそうか…
♪…
もちろん分が悪いのはこちら。
だから僕がアップロードしたコンテンツが削除されたこと自体に不服は無い。
ただ、コンテンツの評価ボタン、コメントの投稿、ライヴ配信へのチャット参加の機能も失ったのは…勿体なかった。
一方、僕がアカウントを得た10年前と現在を比較すると「公式」動画の数は膨大な数になっていて、僕がアップしたものと重複するケースもかなりの数になっていた。
公式動画とは…「Vevo」の表記、チャンネル管理者に「トピック(topic)」、「♪」が付加されているものが分かりやすい例。
それでも僕が記事に使いたい曲を網羅するには足りないのだが…
♪…
レコード、CD、配信(ダウンロード)、YouTube の公式チャンネル…音楽を配布する形態は時代によってかなり変遷したが、それでも僕が求める「音源」が聴けるとは限らないという状況は変わっていない。
レコードやCDで世に出た音源についてそれらが商品としての生産が終了してからその存在を知った場合、それらの音源に触れる手段は…FM局などの音楽番組にリクエストする、中古盤市場を探し回る、再発を待つ、再発をリクエストする…ぐらいなもの。
ダウンロードが普及した現在では配信による再発も増えつつあるが、僕がダウンロードを利用した回数はこの10年では両手の指で足りるほどしかない。
SNSというツールがあれば、誰もが情報発信できる時代。
僕が大好きな楽曲について語ったならば、どんな感想を得られるかを確かめてみたい。そして、より多くの人に知ってもらえたら…
それは「僕が影響を受けた音楽への恩返し」になるだろうか。
言葉で表現するだけでなく、実際に聴ければより分かりやすいだろう。
しかし、必ずしもその音源があるとは限らない。
ならば、僕の所有する音源をアップロードしてみよう…そして、やってみた。
ただ、権利関係で「恩を仇で返す」ことになる可能性…それがブログ立ち上げ時には頭にあったことを今回改めて思い出した。
音源だけでなく、ジャケット写真やライナーノーツ、歌詞対訳にも「権利」はあるわけで。
つまり、はなから「ダメでもともと」という考えは持っていた。
それにもかかわらず、気がつけばブログは15年以上も続き、YouTubeも10年使ってこれた。
♪…
この際だから「権利」や「契約」が音楽を楽しむ、広めのを「制約」することもあるのではないか…との思いについても書いておこう。
但し、大前提は「権利」や「契約」を侵害して私的に利益を上げようとは思わないし、権利者に損害を与えたいとも思わないこと。
まずは…レコード、CDなどの音楽ソフトにおいて、「権利」や「契約」が「制約」になっていると思われる例をいくつか挙げてみる。
その1
「ベスト盤」制作において、アーティストがレーベル、レコード会社(以下「会社」とする)を移籍した場合、移籍前の会社の音源が使えない、逆に移籍前の会社が移籍後の会社の音源を使えないケース。
その2
アーティストの会社移籍回数が多いと過去の作品の再発が一括で行われずタイミングがバラバラになるケース。
その3
アーティストが契約している会社と異なる会社の作品への参加が制約される。もしくは参加したことを公表できないケース。(名前をカットされるか、表記されても変名)
その例①
YELLOW MAGIC ORCHESTAR のライヴ・アルバム "PUBLIC PURESSURE" に参加した渡辺香津美のギターがカットされたこと。
(ライヴ参加が可能でも録音物は不可)
その例②
Carly Simon の "You're So Vain(うつろな愛)" にコーラス参加した Mick Jagger の名前はクレジットされていない。
(声を聞けばバレバレなのに…)
…他にもいろんな例を知っているが、例①のカット処置はさすがに酷いと思った(当時)。
(結果的に良かったと思えないこともないが…)
以下、音楽ソフトとは直接関係ないケース。
その4
「音楽教室 VS JASRAC」…音楽教室での「使用料」訴訟。
2022年なので、覚えている方も多いかと思う。
最高裁までいった案件なので顛末については「JASRAC 音楽教室」と検索すれば辿り着きます。
その5
「ジャズ喫茶 VS JASRAC」
2003年頃のこと。これは僕の地元、新潟も大きく関係する事件なので強く記憶に残っている。
この件については「ジャズ喫茶スワン JASRAC」と検索すれば顛末や経緯が出てきます。
また、現在…COVID-19のパンデミックから派生した…って表現は適切ではないかも知れないが、ネットによるライヴ配信とそのアーカイヴの扱いにも通じるものがありそうで…
それは、セットリストにカヴァー曲がある場合、リアルタイム=生配信ではOKでもアーカイヴ=(期間限定であっても)録画を参照できる状態にするのはNGのケースがあるとか。
♪…
それにしても YouTube (だけではなく動画投稿サイトの大半)は実質的に「海賊盤」が漂っている状態だと思う。
それは権利関係を100%管理できないことの証かも知れないが、どう見ても使用許諾とは無縁と思われるコンテンツは10年前から多数あったし、現在まで残っているものも結構見かける。
その好悪はともかく、そのような動画の「恩恵に預かった」ことは…ある。
リアルタイムで聞くことのできなかった曲、CDやDVDで入手ができなかった作品、ソフト化されていないライヴの音源や映像…海賊盤CDやDVDより品数豊富に思えるぐらい。
あ…今後、海賊盤=BOOTLEG について語るのをやってみようか。
それは…
転んでもただでは起きない
…精神とでもいうか。
"あゝ無情" by Ann Lewis
from single (1986)
written by 湯川れい子/NOBODY