Twitterでは、
「生涯に一人の作家しか読めないとしたら」
とかいう感じのタグが(一日だけ)流行っていました。
「海外の作家であれば翻訳の違いで楽しめる」
という理由で、
ドストエフスキーやコナン・ドイルを挙げる人もいれば、
「冊数で選ぶべきだ」
という理由で、
東野圭吾や赤川次郎や星新一を挙げる人、
「この作家が読めなくなるのは地獄だ」
という理由で、
辻村深月や小川洋子や村上春樹を挙げる人、
「完成度が高い作家を選ぶべきだ」
という理由で、
太宰治や紫式部を挙げる人、
「他の作家と比べないと、
その作家の独自性が際立たないので、
一人しか読めないということが、
そもそも成り立たないのでは?」
というもっともなツッコミをかます人などがいて、
真面目か
混沌とした状態でした。
本好きのかたが作家を一人だけ選ぶというのは、
まず無理ですね。
「あなたも無茶なお願いをしてただろ」
「歌を好きなひとに歌を一つだけ選べとか」
残酷なお願いをしたものだと、
少しだけ反省している、
文系講師マゴメです。
全体として反省の色は見えないです
さて、
世界はここのところ混沌としていたわけですが、
いつの間にか、
斎藤美奈子さんと高橋源一郎さんが、
対談をしていたんですね。
危うく見逃すところでした。
「汚染されているのは言葉だ」
という、
今の状況とぴったり重なることばが紹介されています。
お二人が先日出版されている本はこれ。
この記事を経由して買っていただけると、
私は多少儲かりますが、
先月が「29円」とかなので、
アフィリエイトには全く期待していません。
単に紹介しているだけなので、
普通に本屋さんで買ってください。
記事内にはブックリストも挙げられています。
【令和を考えるためのブックリスト】
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高橋源一郎選
石沢麻依『貝に続く場所にて』(芥川賞他)……2021/講談社
伊藤比呂美『道行きや』……2020/新潮社
宇佐見りん『かか』(三島賞他)……2019/河出書房新社
千葉雅也『オーバーヒート』……2021/新潮社
乗代雄介『旅する練習』(三島賞他)……2021/講談社
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(毎日出版文化賞他)……2019/新潮社
+『他者の靴を履く アナ―キック・エンパシーのすすめ』……2021/文藝春秋
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斎藤美奈子選
海堂尊『コロナ黙示録』……2020/宝島社
金原ひとみ『アンソーシャル ディスタンス』(谷崎賞)……2021/新潮社
左右社編集部編『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』……2020/左右社
夏川草介『臨床の砦』……2021/小学館
李琴峰『ポラリスが降り注ぐ夜』(芸術選奨新人賞)……2020/筑摩書房
学生だった頃は、
こういうリストがめちゃくちゃありがたくて、
全部図書館で漁って読んでました。
「今だってできなくはないぞ」
はい。
そもそもこの記事になぜ気づいたかというと、
まず國分功一郎さんがこんなツイートをしていまして、
KoichiroKOKUBUN國分功一郎@lethal_notion
柄谷行人さんにお話を伺います。聞き手を私が、コメンテーターを今年から駒場の同僚になった斉藤幸平さんが務めます。 柄谷行人さんに聞く〜疫病、戦争、世界共和国〜 | Events | University of Tokyo Cent… https://t.co/hTbw9yQuCJ
2022年06月08日 10:48
「世界共和国へ」たまーに古本屋にあります。
「柄谷行人氏がどういう発言をしているか、
そういえば全然見てないな」
と気づいて、
「柄谷行人 ウクライナ」
で検索したら、
なぜか上記の記事に行き当たったということでした。
こんな感じでどんどん時間が溶けていきますが、
もちろん今日も仕事です。
ついでに高校生を教える準備もしなくては。
「ところであなたが作家を一人選ぶとしたら?」
今さら何を。
佐藤亜紀さんに決まっているじゃないですか。
他に誰を選べと?
ヤクザ家庭教師に選ばれたところで、
ご本人は特に嬉しくないと思いますが。
エッセイストや作家まがいの人じゃなく、
「作家を選べ」
という時点で日本では一択です。
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