前回までにやったのは「程度の副詞」と「状態の副詞」。
残った「呼応の副詞」をやっておかなくては。
小学校高学年の子や中学生相手ならすぐ終わります。
教室で教えるのは簡単。
「もし明日雨が降っ、、、」
で止めて、続きを言わせるだけ。
「多分あいつは来る、、、」
「その件はまったく問題、、、」
とか言えば、
「(降っ)たら!」
「(来る)だろう!(来るべ、と答える場合あり)」
「(問題)ないっしょ!」
と生徒は答えますから。
「下に決まった形が来るのが『呼応の副詞』」
「『おそらく』それはない『だろう』とか言うじゃん。
『おそらく』ときたら『だろう』とか『でしょう』が来るわけ」
これで終了、所要時間2分。
「呼応の副詞を八個くらい文中の空欄に入れさせるプリント」、
みたいなやつがあるから、
それをやっても5分くらい。
で、実は「呼応の副詞」は、そこが問題じゃないってのが問題なわけでした。
いわゆる「言葉の揺れ」と「いや、そこ揺れてないし」が問題です。
「全然大丈夫」や「全然平気」、
この言い方は間違いと言えるかどうか?
国語講師は9割近く「あ、誤用だね」とか鼻で笑いそうだが、
これは実は間違いではない。
と、私が言ってるんじゃなくて「国語辞典編集者」が言っている。
「全然」は否定の言い方でなければならないという根拠は歴史的にみると存在しない。
「全然」の本来の意味は、「残るところなくすべて」という意味で、あとに肯定・否定どちらの表現も使われていたのである。
最初に読んだときは「えっ、そうなん?」
と私も驚いた。
国語講師にはオススメです。
「凄い」という言葉は昔は悪いことにしか使われなかったが、
昭和中期くらいからマイナス限定ではなくなった、
そういった「言葉の揺れ」ではないわけですね。
「ここは揺れていない」と。
「ただ最近は、全然似合いますよという言い方が広まっている」
神永さんによればこれがおかしいんではないかと。
これが「言葉の揺れ」ですね。
これを「わかりにくく」文法的にまとめると、
『全然』は実は『呼応の副詞』ではなく『状態の副詞』だが、
最近は『程度の副詞』として使う傾向があり問題だ。しかも、
塾や学校の先生は「呼応の副詞」に入れちゃう人が多そうだと。
というわけで、
「全然」はとりあえずスルーして授業し、
生徒から質問があった時だけ、
「ここまで」教えるしかないのでした。