「人を変える事」、「人を動かす事」で学んだこと【私の経験談】 | きままなひととき

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●人を変える事:無理

私の狭い経験談で恐縮ですが、

えてして、人は自分の理想の相手像があり、それを好きな人に転写して、相手をその理想に近づけようと相手を変えようとしがちな人がいますが、それは無理です。反発しか買わないです。

 

相手に、ついあれこれ注文(要求)をつけたりするのは、自分の基準や価値観と合わないから、でしょうし、もっと良い彼氏(夫)良い彼女(妻)になってほしい思いもあるのでしょうけど、それが相手に共感されればよいですが、要求事項が多ければ次第に相手が窮屈を感じて反発も生じるでしょう。

 

結局は、相手と長くやっていけるかどうかは、今、目の前にいる相手の姿(=価値観)を自分が許容できるかどうか、共感できるかどうか、です。そして、同様に相手も自分の価値観を許容するかどうか、共感するかどうか、であり、それはお互いに対等です。どちらかが上下、ではないです。えてしてカン違いして、なってほしい夫や妻の像を相手に押し付けて、上から目線のモラハラ夫、モラハラ妻、が出来上がってしまいがちです。

 

杏里の歌「オリビアを聴きながら」に、

「疲れ果てたあなた、私の幻を愛したの。」

の一節がありますが、私は、理想を相手に転写し続けて疲れ果て、彼女にも非現実的な理想を転写した幻の彼女像を愛していた、と、現実視せず、大変迷惑なことだった、との解釈です。

これの経験が若い頃にありまして、互いに自分の育った家の価値観を「正しい」とばかりに相手に押し付け合い相手をその家風に馴染ませよう(=変えよう)とし、結局はお互いに反発して別れた経験があります。お互いに若かったと思いますし、私自身、「正しい事」を言えば相手を変えられると単純に信じていた愚かさを感じます。

でも「正しさ」なんて、価値観の違う「正しさ」が人の数だけありますから、平行線の押し問答にしかならないです。

 

ところで、

「相手は変えられないが、自分が変わることはできる。」

「変われる自分はいつまでも成長し続けられる。」

とも思います。

自分が理想とする事に、自分の意思で取り組めば、自分が変われます。いつまでも成長し続けられます。

自分の判断で、いいな、あんなふうになりたい、と思えれば、自分が精進し、その理想に近づけられます。

 

一方で、自分がほどほどのところで「満足」することも大事かと思います。追い求め続けては「欲」にキリがなく、思い通りにいかなければ「不平不満」も生じて疲れるだけです。「我欲」「我執」にさまよいこむことにもなりがちです。

「知足按分」

「吾唯足知」

の言葉が禅の心にあり、現状あるがままに満足することで「不平不満」の気持ちが生じない生き方を示唆しており、これも大事かと思います。やがてそれは周囲や相手への感謝の気持ちに転じ、日々ニコニコと幸せな気持ちで暮らせるようになるかと思います。

 

相手に不満を持たないために根本的に大事な事は、

「相手に期待しない事。」

かと思います。相手に勝手に期待しても相手には伝わりませんし、相手が自分の期待どおりにすることなど、まずないです。それをいちいちがっかりしていては、キリがないですし、そんな期待はそもそも自分勝手ですし、相手も勝手に期待されても迷惑です。相手は自分の思い通りにはいかない、ならない、のが普通です。

 

また、他人と比較してどうのこうの、は無益なだけです。それを相手に言えば、反感反発しか生じません。嫌われるだけです。

よくあるのが、母親から、

「〇〇さんの息子さんはこんなことをしてくれたのに、なんであんたはしないの?」

「○○さんの息子さんは○○大学(一流)に現役で進学したけど、あんたは浪人して。どうするの?」

「〇〇さんの息子さんは〇〇会社に就職だって。すごいわねえ。あんたはどうなの?」

「お兄ちゃんは成績が優秀だったけど、なんであんたはこんな悪い成績なの?」

「○○さんの娘さんは結婚してるけど、あんたはどうなの?」

他にも、兄弟姉妹間での比較優劣を口にする親も最悪です。比較して奮起させる話法は下の下であり、反感反発しか感じないです。比較する発言はその子のためではなく親の見栄である場合も多く、これらは最近では「毒親」と言われて嫌われていますね。

人は人、自分は自分、違って当たり前です。優劣などありません。親の比較言動も無視です。

また、自分勝手な基準で人や物事に上下をつけるのも無益だと思います。それを相手に押し付ければ、これも嫌われる元になると思います。

 

 

〇人を動かす事:可能

例えば、

「これやって。」

と言葉で相手に言っても、なかなか人は動きませんし、言う通りにはしません。

そこで感情的になって語気を強めて喧嘩腰になって言っても、相手は動かず、反発しかしないですので、関係悪化します。

 

では、どうすれば人を動かせるのか。

相手と話する時に、

主語を、

「You(あなた)」

ではなく、

「I(私)」

にして話すると、相手に響くかと思います。

相手が喜ぶ言葉を必ず使って褒めると相手の心は和らぐ傾向が大です。

「私は毎日仕事に頑張っているあなたが、とても素敵だと思う。」

「いつも家族のために仕事を頑張ってくれて、ありがとう。」

「僕は毎日君の笑顔に癒されています。ありがとう。」

とか、自分はこう思う、感じる、とかの言い方です。

「あなたは仕事しかしない。なんで子供の相手をしないの?」

「あなたは私が疲れていることにどうして気が付かないの?」

などと、相手を主語にして話や批判すれば、反感や反発しか返ってこないものです。それで改善はしないどころか、さらに関係悪化するだけです。だから、コンビニなどのトイレに、

「いつもきれいに使って下さり、ありがとうございます。」

と書かれており、使う人は、かえってそのとおりにしようとします。注意する、のではなく、感謝する、つまり、YOUからIに転換した言い方で、相手を動かしているのです。

 

また、別の視点での方法もあるかと思います。それは、

相手を認め、相手に共感し、相手の話をよく聞く姿勢、

です。それがとても大事でして、

相手が何を考えているのか、何に懸念しているのか、

を、相手にたくさん話してもらうことでわかり、解決のヒントがつかめます。

話し相手との時間の割合は、相手に80%しゃべってもらい、自分は20%程度しか話さない形だと、相手もたくさん話できて、聞いてもらえた満足感が広がり、心にゆとりが生まれてきて、こちらの話も聞いてもらいやすくなるかと思います。そうすれば、話し合いもうまくいくことが多いかと思います。つまりは、「聞き上手」になることかと思います。

 

 

以下は蛇足ですが、ご参考までです。読み飛ばしていただてもよい内容かと思います。

それは、仕事で使った手法でして、これはあまり良い策とは言えないですが…。

例えば、

机の上に置かれている物(コップとか皿)に、

「動け!」

と何度命じても、絶対に動きません。コップとか皿とかは「物」ですし、この物に向かって言葉で命じる人は誰もいません。でもえてして、これと同じことを人に対してしてしまいがちです。

では、物に触れずにどうすれば動かせるのか?

答えは、

「机ごと傾ければ、滑って動きます。転がってゆきます。」

つまり、

「動かざるを得ない環境下」

に変える事で、「物」は結果的に動きます。これと同じ考え方で組織や人を動かします。

上策は、相手を説得し理解し納得してもらって動かす事、ですが、社会や会社ではなかなか頑固に反対する権力者や上司も多いですので、仕事にはタイミングや期限があり、こうせざるを得ない場合もあります。

つまりは、

「環境を変えて、動かざるを得ない状況にしてしまうこと、」

これで本意ではなくても、動かざるを得ない状況にしてしまえます。

仕事では、反対意見を言う人、反対する上司、などがいて、プレゼンしても説得してもだめなことがしばしばあり、この手を使いました。具体的には、

・会議体で、多数決に持ち込んで意思決定する。その会議体に出席する人に事前に綿密に根回しして、賛成意見を取り付けておき、多数派工作をしておく。反対する上司には、会議でその反対意見を言ってもらう機会をつくっておき、「ガス抜き」も同時に行うことであと腐れを最小限にする。

・孫子の兵法の「遠交近攻の策」を用いて、味方部署を増やし、攻め落としたい反対する部署や上司を複数の関係部署で取り囲んで挟み撃ちにし、反対しているのが自分だけで、そのまま反対し続ければ「自分たちが不利になる」と思い込ませ、翻意させる。

・上司の上司をこちら側につけるべく水面下で説得工作を行い、上司の上司から命令させる。

・最終的には、阻害要因の担当を変えてもらうべく多数派工作を行う。

などなど、反対している本人や部署の考えを変えるのではなく、本人が賛成しないと、

「不利になる」

と思わせる。

こうした手法などを用いました。

 

これは、入社したあと、受講した社会人講座の「能力開発講座」の中で、

「人頼り姿勢を改め、自らがまず変わり行動せよ。」

という一節があり、印象に残り、自分の発想に加えました。つまり、

「相手が動かないのは相手が悪いと思うのではなく、まず自分が「悪い」「努力が足りない」と謙虚に思う事。そこから相手を動かすにはどうすればよいか、という発想をすれば、おのずと知恵が出る。」

という事でした。

それに加えて、学生の頃に読みふけった「孫子の兵法」も活用し、大組織の中で、自分の提案、改革案を実行するための組織的合意形成に活用しました。

 

でも、同時にこれも学びました。

「人が動くのは正論の理性でなく、好悪の感性である。」

最終的には、

「自分に有利か不利か、損得で動く。」

という事です。

 

なんか、最後は俗っぽい話になってしまいましたが、ここまでお読みくださり、誠にありがとうございました。

 

ではでは。

 

 

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