ずっと以前、知り合いとその親の老夫婦と食事して歓談する機会がありました。
話題になったのは、食べ方。
老妻「牛丼を食べるのに、少しずつ箸でつまんで食べてる人、男なのに何上品ぶって食べてるのかねえ。チマチマ食べるんじゃなく、牛丼は男ならどんぶり持って箸でガーっとかき込んで食うのがいいんだよ。」
老夫「そうそう、豪快にね。その方が男らしくっていいね。」
私「そんなもんですかね。笑」
(老夫婦の個人との会話なので、”男らしい”、とか言うのは個人の感想であり、スルー下さい)
でも、その老夫婦の奥さん、ものすごいクチャラーなんです。食事中も、
老妻「(くちゃくちゃ、ぴちゃぴちゃ、ピチャッ)うめえ~なぁ。(シー、ハーッ)」
と、まあ派手な音をたてて食べるんです。後半の「シー、ハーッ」は歯に何かひっかかっているのか、しきりに口をゆがませてシーハーして、息を口から吸い込む勢いで除去させようとしています。その老妻には、それが一番おいしい食べ方なのでしょう。
言葉遣いも違和感が…。
旦那さんは長年連れ添った妻の行為に慣れているのでしょうね。その旦那さんは、クチャラーではなく、口を閉じて食べています。
私は、幼い頃からずっと口を閉じて無音で食べてきたし、周囲もクチャラーはいなかったので、その光景にびっくりしました。
その「上品ぶった男」は、たぶん猫舌で、出来立ての牛丼は熱いので、勢いよくかき込むと口内がやけどをする危険性があり、少しずつ箸ではさみ、冷ましながら、飛び散らないように息を少しふきかけて食べていたのでは、と想像しますが、それを、その老夫婦から見れば、
「何を上品ぶって食べている。男らしくない。」
ように映っていたのでしょう。そんな批判的な見方もあるんだな、と思いました。
私は、その老夫婦が、出来立ての熱々の牛丼を、どんぶりを片手にもち、箸で豪快に勢いよく口にかき込んでいる姿を是非見てみたいと思いました。さぞ熱さを上手にカバーして、むせずに豪快にかきこんで食べていることでしょうし、その方法を見たいです。同時に、口いっぱいにほおばった牛丼の豪快なクチャラー音も聞いてみたいです。どんな光景と音がするのでしょうね。
ではでは。
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