かあさん ぐったり動きませぬ
くちから ひとひら 紅の花
あたたか かあさん
だんだん つめたくなってます
ふわふわ おなかも ごわごわに
冷たい汗で ぬれてます
物見遊山の町の人
子ギツネ 火を吹く筒で ねらいます
かあさん ぜんぶ 体に受けました
子ギツネかばって受けました
あれから幾日 たちましょう
子ギツネ ずっと はこびます
かあさん おくちに
お水を はこびます
のめぬお口に はこびます
あれから幾日 たちましょう
子ギツネ からだ動きませぬ
かあさん お顔にくっついて
泣きつかれて めをとじた
かあさん いっしょに行きましょう
秋の 野原の はなつみに
おいしい木の実を
おなかいっぱい たべましょう