泣きたい時は 泣いちゃえば

誰でも知っている
ある商店街　TVの特集では　必ず登場

コロッケ　メンチカツ　唐揚げ

揚げ油の　匂い

３０種類以上ありそうな　練り物のお店

いつも値下げセールやっている

おばちゃん専用の　洋服屋

女学生で　いつも満員の　だんご屋

全長　１００メートルくらいあるのかな

コンクリートの建物は数カ所ぐらい

ちょっと路地を入っても

楽しそうな　小さなお店が

激安ではないけれど　それでも安い

ここにくると　欲しいもの　買いたいもの　ランキングが

頭の中を　ぐるぐるします

もう　他の事は　考えられません

とても大きく　厚さ３センチのメンチカツ

チキンボール　１０個ぐらい

トンカツよりも　厚いハムかつ

全部　揚げ物です

メタボのもとですか

でも　美味しいですね

昔　衝動買い　もっといろいろ全部買いましたが

今　買いません　じっと我慢します

ひっしたえます

少しは　体の事　考えています

商店街の　なかほどの　横町の奥に
ボロボロの　赤提灯が　ぼんやり灯っています

商店街で　いちばん　小さな店
ちいさな換気扇も　真っ黒

焼き鳥屋なので　煙がでるからかも

ただ古いだけかも

高級日本酒あるらしいのですが

私　お酒それほど好きではないので　わかりません

いつも　焼酎の　炭酸割り　うすくしてばかりです

お客さんは　老若男男ばかり

若い娘さんには　縁のない店だから　しょうがない

その日は　いつものがたがたの戸を開けると

店の雰囲気が　異様でした

若い娘さんが　いるのです

全員　ひどく緊張して　お酒ろくにのまず

固まっています

どういうことで　どうなって

こうなったのか

全員よくわからないようです
私も　わかりません

店のおやじも　ぎょろぎょろ目玉で苦虫です

娘さんも　お酒のコップを前にして　身じろぎもせず

固まっています

不気味で異常な静寂が　重苦しい

全員　お店を出る事すら出来ない

そのとき　

突然　店のおやじが　大爆発をおこしました

大声で

泣きたいときは　泣いちゃいな

娘さんも

突然　大爆発

赤ちゃんのように　大きな口を開けて

とても変な一日になりました