お母さんと赤ちゃんのための膣の細菌。（１）〜抗生物質を飲んだらカンジダになる理由〜

膣はデーデルライン桿菌を中心にラクトバチルス属の細菌によって守られてる。

カンジダ症などのトラブルになりやすいひとは、このラクトバチルス属の菌が弱っていることが少なくない。
ラクトバチルス属の細菌は、膣内を弱酸性に保ってくれるのと同時に、中には天然の抗生物質を作って他のばい菌が入り込まないように守ってくれるものまでいる。


カンジダ症になった時に、生のヨーグルト（菌が生きてて、砂糖が入ってないもの）を膣に塗布するという伝統的な民間療法があるのは、実際に理にかなっている。
生のヨーグルトの乳酸菌などによって、膣を守るデーデルライン桿菌などのラクトバチルス属が元気になって、ばい菌を退治する力が高まるんだよね。

こちらの記事もよかったら参考に。
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『口内炎・口角炎が出る時は、子宮も荒れてるから気をつけて』


この膣の細菌については、
女性にとっても、生まれてくる赤ちゃんにとっても
すっごく大事なことなので、ぜひ知っといてほしい。

安易な抗生物質の使用に要注意。

気をつけたいのが
風邪とかで安易に抗生物質を飲むこと。

そもそも、ほとんどの風邪はウイルスで引き起こされているのだけど、抗生物質はウイルスには効かないから飲んでも意味がない。
二次的な感染を防ぐためだったり、患者さんが抗生物質を出さないと納得しないからという理由で処方されることも少なくないんだけど。
本当に必要なものかどうか、先生に聞いてみてね。
（というか、そもそも風邪で病院に行くのは日本人くらい・・・）


風邪などで抗生物質を飲んだ後に、カンジダになることって意外と多いんだけど、これは膣を守っている細菌を抗生物質が退治してしまうから。
そのせいで、ばい菌が入り込みやすくなっちゃうんだよね。
ちなみに、膣だけじゃなくて腸内細菌が壊滅的な打撃を受けるから、そのあとに感染症や病気になりやすくなる。
これは、医学文献でも証明されていて、耐性菌の問題も含めて、WHOなどが抗生物質の使いすぎに警告を発してる。


抗生物質はすごくいい薬だし、どれだけの人命を救ってきたかはわからない。
でも、使い方がすごく大事。
不要な抗生物質は百害あって一利なし！
まじで！



あと、石鹸で膣を洗うのは逆効果だとも言われている。
まぁ石鹸に限らず、世の中にあふれる除菌製品が健康に逆効果なんだけど・・・
それは、
本来からだを守ってくれてるはずの味方の細菌を殺してしまって、体に悪さをする細菌に付け入るすきを与えてしまうから。
あんまり頻繁に洗いすぎないほうがよかったりする。


ちなみにカンジダとかでなどで困っているときの洗浄は、『インクリア』という製品が個人的にはおすすめ。
乳酸菌が配合されていて膣洗浄がすごく手軽に個人でできるようになったし、理にかなってる。
使ったひとに聞くと「全然違う」って言われる。
ネットとかで売ってるから気になるひとは、検索してみて。

ただ、もともと膣の健康を保つ力は人間に備わってるから、使い続ける必要はないからね。
ストレスのかかる生活を見直して、食事や生活のリズムを整えることのほうが、とても効果的だし大事だから。
そうしていると、自然と膣の健康が守られるようにできてるから。





この膣を守ってくれるデーデルライン桿菌などのラクトバチルス属なんだけど、じつは女性の健康を守ってるだけじゃない。
生まれてくる赤ちゃんの健康にもすごく大きな影響を与えていることがわかってきた。

経膣分娩と帝王切開で、赤ちゃんの健康状態って違うという事実があるんだけど、その理由は膣の細菌にある。

つづく

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