過去を悔やまず、 未来を恐れず、 今を全力で生きる。 | 堀江昭佳オフィシャルブログ「『こころ』と『からだ』の悩みを解決する しあわせ女子のための処方箋」Powered by Ameba

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婦人科漢方専門・子宝のスペシャリスト 堀江昭佳が、西洋医学、漢方、心理学の3つの視点から、こころとからだの悩みを解決する方法をつづります。
「からだを整えるとこころが整い、結果的に夢が叶う」
そんな考え方を大切にしています。


先日、子宮委員長はるちゃんとのコラボイベント『饗宴・愛の血祭り』では、たくさんのすてきな出会いがあった。
その中のひとり、M.Kさん。
↓  ↓  ↓
M.Kさんのブログ
『私が私を生きること』

たまたま隣の席になってお話をした。

淡々と紡がれるM.Kさんの言葉を聞いていたのだけど、
そのお話が、単純な言葉で表したくないようなお話で。
すごく紹介したいなぁと思ってお願いしたら、数日後、メッセージで送っていただいた。

そして読んだら、つづられた文章が、なんとも言えないしあわせとやさしさに包まれていて。


ああ、こうやっていろんなひととご縁があるのって、やっぱりとても満ち足りたことなんだなぁと改めて感じる。


M.Kさんのお話を、ぜひ読んでみてほしい。
きっと、なにか心に感じるとことがあると思うから。


堀江さん、先日の愛の血祭、本当に楽しくて素敵なイベントでした。

開催してくださって本当にありがとうございます。


阿蘇神社への参拝の途中に堀江さんとお話しできたことも、私にとってとても貴重な体験でした。

堀江さんが、文章にしたらとおっしゃってくださったので、お言葉に甘えて綴ってみます。



 私は24歳で結婚して最初の2年間、本当に真剣に妊娠を毎月望み、妊娠しないことに失望する2年間を過ごしていました。


妊娠する機会は1年にたった12回しかない、


と、悲痛な思いで毎月生理の後は落胆していたことを思い出します。


なぜ、若いのにそんなに切羽詰まった気持ちでいたかというと、結婚してすぐに夫の肉腫(癌)が肺に無数に転移し、近い将来死に至るだろうと宣告されていたからです。

投げやりになりがちな夫をなんとか支えながら、
もし私たちに子供がいたら彼はもっと生きる希望を持ってくれるのではないか、
また一人残される恐怖も私にあり、
この人の子供が欲しいと心密かに切望していたのでした。


その気持ちは周囲には言えませんでした。


私の両親は、結婚してすぐ夫が生命予後の告知を受けた娘のことを当然心配していました。

私も、夫が何年生きるかわからないのに、最初からシングルマザーになるかもしれないのに、子供を望むことは傲慢ではないかとも思っていました。

それでもほしかった。

でも、避妊してないのに全く授からず。

心の中はジェットコースターのように上がったり下がったりの日々。


 そんな中、ある日、もう諦めようと思ったのです。

夫は夫で、いつ来るかわからない死の恐怖に怯えていました。

私は私で取り残されるさみしさに怯えていました。


もうそれはやめようと。


今、目の前にあることだけを考えようと。


そして、以前から夫が飼いたがっていたピレニーズ(犬)を飼い始めたのです。

もうこの子が私たちの子供だと思って。

さくらと名付けたその犬はとても愛らしく私たちは夢中になりました。



そしたら


すぐに妊娠したのです。


まるでさくらが赤ちゃんを連れてきてくれたとしか思えませんでした。

そして、妊娠してほどなく、彼の肉腫は骨と脳に転移していることがわかりました。

でも、もう私は先を憂えることをやめ、いつも目の前の幸せだけを味わいました。

後から気が付いたのですが、おそらく妊娠したのは夫が旅立った日の一年前でした。


ちょうど1年、おなかの中に迎えた赤ちゃんとともに夫と過ごした日々は、今振り返ってもいつも「今」だけを味わい尽くした幸せな時間でした。

目の前に映る一つ一つの景色が、

空の青さが、

木々の緑が、

今までとは全く違う美しさを放っていました。


夫は、私が臨月を迎えるころ、骨盤骨折を起こして寝たきりになりホスピスに入院しました。

主治医は、出産までに夫が生きているかはわからないと言いましたが、夫はそれから5か月、生きて私たちと共に過ごしてくれました。

出産に立ち会うこともできました。赤ちゃんと共に家で過ごすこともできました。

夫が亡くなる前の2週間は鎮静をかけていたのですが、この世に生を受けたばかりの娘と死を迎える夫がともにベッドで横になり、3時間おきの同じタイミングで目を覚ましていたのは、なんともいえない深遠な時間でした。

そして結婚4年目の5月、夫は旅立ちました。


 夫が亡くなったとき、生後3か月だった娘は、夫の死後も彼の姿がずっと見えているようでした。

お話ができるようになると、よくパパと会話をしていたようです。


「ママには本当にパパが見えないの?」


と真顔で聞かれたときは、なんと返事してよいのか困りました。

そして娘が4歳になったある日、彼女が泣きながら目を覚まし


「パパが死んだ夢をみた」


と言い出しました。


「おなかの中にいる時から、パパが死んでしまうのはわかっていた。

だから早く生まれてきたかったのに。私はママのために生まれてきたんだよ。

ママを助けるために生まれてきたの」


と大泣きをして、そして、それからパパのことはぴたっと口にしなくなりました。



 堀江さんのお話をきいて、人の幸不幸は、心の在り方が決めると思い出しました。


私は新婚時代、不妊に悩んでいるときは不幸でした。


ホスピスで夫と過ごしているときは幸せでした。


はたから見れば、不幸そのものだったと思います。


出産してすぐの赤子を置いて夫は死にゆこうとしているのですから。

でも、


私はすごく幸せでした。


今日一日、今この瞬間の喜びだけを見つめて生きていましたから。

あんなに充実した濃密な時間はなかなか味わえないし、亡くなった夫が私に残してくれた最大の宝物だと感謝しています。



過去を悔やまず、

未来を恐れず、

今を全力で生きる。


私の大好きな言葉です。


わずか20代の若さでこんな体験をした私ですが、それでも気を抜くとやっぱり今よりも過去、今よりも未来をみていることがよくあります。


そんな時は、たいてい身体の調子も変な感じになっています。

堀江さんの本を読んで、もっともっと私も自分の血を増やして、今を生きることに集中したいと思いました。

 

お会いできて、こんなお話もきいていただけて、本当に感謝しております。

またお目にかかる日を楽しみにしています。ありがとうございました。




平成28年7月22日

M.K



原文そのままで掲載させていただいた。

ひとからどう見えるかではなくて、
自分自身がしあわせなこと。
日々に感謝を感じながら生きること。
実際に、その濃密な時間を過ごしたからこそ、感じれること。
そして文章が、なんてあたたかいんだろう。



M.Kさん。
お話をしていただいたことに、
本当に、心から、感謝。^^




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