セミコンの勉強会で立石さんに言われたのは
「誰か1人の人を思い浮かべて、
そのひとに向かって伝えたいことを考えるといいですよ」
ということでした。
その時、ぼくがまっさきに浮かんだのがWさん。
40代半ばで、もう10回以上体外受精をしてダメで、
年齢のこともあるし、
そろそろ諦めようか、どうしよう・・・
と悩まれている方でした。
ぼくは、
「人の幸せのかたちはいろいろ」
だって思ってます。
もちろん、赤ちゃんが欲しい方が妊娠されるのはうれしいし、
そのサポートを精一杯します。
でも、赤ちゃんは授かりもの。
相談に来られる方も全員が妊娠されるわけではありません。
さまざまな事情で、諦めないといけない人もいます。
人生に起きることって無駄なことはないでしょう?
そう、ぼくは根っこの部分で信じてるんですね。
だからもし、赤ちゃんが授からなくても、
そこに向かって努力をしたことや、
つらい思いをしたこと、
いろんな気持ちや経験は、
どこかできっといい形になるって思っています。
Wさんは、もちろん
「赤ちゃんがほしい」
と思って治療されています。
でも、
「そろそろ諦めないといけない時だとも思うんですよね」
とも口にされます。
「その時」をWさんが決められるとき、
どういう思いで迎えられるのか、ぼくにはわかりません。
エゴでしかないのかもしれないけど、
その時に、Wさんらしい自然体な気持ちで
受け止めてほしいなぁ、と思ったんですね。
赤ちゃんを授かることにも
あきらめる時を決めることにも
どちらにとっても、大切なことはなんだろう。
なかなか思いつかなかった。
どちらかだけでは片手落ちなような気がして、
ずっと、ずっと考えました。
考えるうちに、ふと気がついたんです。
「心と体がすこやかであること」
それは、赤ちゃんを授かるために大切なことだと
ぼくは思っていました。
でも、それって、赤ちゃんを授かるためだけじゃないかもしれないって。
Wさんらしい、自然体な気持ちでいてもらうためには、
「心と体がすこやかであること」
って、大事だよねって。
そして、
ぼくの伝えたいことは、決まりました。
「大切なのは、心と体がすこやかであること。」
このことを伝えるセミナーをしようって。
Wさんが教えてくれたテーマです。
つづく