罪を犯せば、必ず罰が下る。どんな形であれ
罰は下ると、ゴーマニズム宣言の漫画家「小林よしのり先生」は言われた。
先生は子供の頃、盗みをしてはいけないと両親にきつく
言われていたそうだが、ある日たまたま店主のいなかった
駄菓子屋で、半ば好奇心で豆菓子(豆に色つきの砂糖のまぶしてあるやつ)を
一個盗んだそうだ。
さて、後日母親と二人で外出したときのこと、ポケットをさぐると
例の豆菓子が入っている。小林少年は喜んで口に放り込んで一口噛んだ。
「パン!」と口の中で炸裂音と、痛みが走った。
「あんた!口から煙がでとるがね!」母も大慌てだ。そう、小林少年が
あの日豆菓子と思って盗んだのは『かんしゃく玉』だったのだ。
その日を境に、小林よしのり先生は、罪を犯せば罰が下ると
身をもって知ったそうだ。
オレも罪を犯した。いかなる罰が下っても、敢えて受けねばなるまい。
さっちゃんと夜の散歩をしていたときだった。
おしゃべりをしながら歩きつつ、ふと飲み屋の前を通りかかった
ときだった。「!!」オレはちょぃと体を沈ませ、一動作でそいつを拾った。
さっちゃんに話しかける。『ところで、コレ半分にするか。ビールでも買って♪』
「どうしたのそれ!ポケットから出したの?」『いや違う、今拾った』
酔客が、割り勘でもして落としたのだろう。一万円札がオレの手にあった。
「やっぱり、警察届けた方がよくない?」さすが、さっちゃんだ。
生きてく上で、些細な不満はあるかもしれないが…満たされているようだ。
コレが普段のダチ公なら、「よーし!ビール買いに行こう」とか
「白バラコーヒー!」「鬼パワーラーメン喰おう」とセリフは変わっているだろう・笑
さっちゃんは、オレが餓え…渇いていることを察したようだ。
「日払いとかのアルバイトとか…しないの?」と話を振ってきた。
『交通費(足代)も今までなかったんだよ』とオレはさっちゃんに答えた。
事実だ。オレの貯金箱(蓋が自由に開く)には10円玉が5つしか入ってない。
そして、明日は医者に薬を貰いに行く日だ。
その晩もオレは、眠ることができなかった。確実に必要な睡眠薬が
一個なかったのだ。ミニサイクルで隣町の医者まで行くつもりだったが
体も限界だった。そして腹も減った…甘いものがほしい。
そして、オレはさっちゃんの意見には従わず…少なからず手を汚したわけだ。
食費・交通費・雑費と、一万円は大いに役立ってくれた。
なかったら、塩おむすびのみの生活がまた始まっているに違いない。
でも、いずれ何らかの形で天罰とやらがオレに下るのだろう。
そのときは、甘んじて受けることとしよう。