エクソシストは、悪魔祓いって意味らしいが
「悪魔は人間の心の中にいる」とも言う。そして……
学校の職員室にも…いた。
では、オレは何なんだろう……と考えること数分
納得できる答えが出た。「ダンテだ…。」
ダンテ=「デビル・メイ・クライ」の主人公。
背中に大剣「リベリオン」を背負い、腰には
「エボニー・アイボリー」と名付けられた二丁拳銃を
自在に扱う悪魔狩人。
あるときは、腕が折れるのも構わずバカ校長をぶった斬り、
そして、あるときは2VS1で、怒声の弾丸をばら撒きまくった。
あんなイケメンじゃないけどね。(苦笑)
(知らない人は、電撃文庫のデビル・メイ・クライを
読んでくださいね)
ある町立中学に行ったときのことだ。
腐れ村から開放され、やっと自由に…とはいかなかった。
教頭のバカ黒もだが、一番の下衆野郎は豪放を気取った
性格の悪いことこの上ないNという女と、その腰巾着を勤めた
「体育会の野郎」だ。(好きなモビルスーツのとこに出てきた奴ね)
3月の顔合わせのとき、身を削ってオレは
「気が利かないことがよくありますので、よろしくお願いします」と
プライドを捨てて、謙虚にいこうとした。
でも、我慢は
夏休み過ぎまでしかできなかった。
オレは、「体育会の男」に生徒の予定表(1週間)を命じられた。
もとはソイツがやっていたことだが、5日間の予定を動向表を見て
作れと言うわけだ。やるだけやってみる。で、検閲されれば
何度もはねられ「…勘弁してくださいよ!」と抜かしやがる。
こっちのセリフだ。
脂乗りすぎの「筋肉野郎!!」
Nは、学校に行って職員室に入って数分で直感した。
「コイツは、必ずやり合うことになる」と
あの、職員室でのゲラゲラした大きな笑い声で直感した。
人を見下す態度は「政治家並み」であり、
嫌味を『アドバイス』と豪語している。
……アホか、おのれは。
事実オレは、生徒の前で
恥をかかされ(プリントを学年の生徒に配るのに他の先生が
動いていたが、人手が足りていると思い動かなかったら
『闘魚先生!』と叱りつけられ、後で生徒に[N先生嫌い?」と
笑われたのだ…)
また生徒に平然と手を上げる点は、どちらのバカも一緒だった。
二学期になり、うつの症状もひどくなった。そして……
腰に提げた「見えない二丁拳銃」は、奴らの横暴さに
比例してギッシリと弾丸が込められていった。
あとは、トリガー(引き金)を引くだけだ。その機会は研究授業の
前日にやってきた。
オレが作って、各クラスに置いておいた予定表がこともあろうに
机の上に山積みにされている。そして筋肉野郎の置き書きに
もっと子供のことを考えろとある。
不備は確かにあるだろう、だったらそれを指摘してくれれば
オレは訂正する。生徒に無関心だと決め付けた態度と
平然と机のど真ん中に積むという行動は
「オレのプライドに泥を塗ったも同然」だった。…カチン、と
銃のハンマーが鳴る。撃とう…我慢ならない。オレは、1学年分の
予定表を全てゴミ箱に投げ込むと時を待った。
そして、その時がやってきた。ありがたいことに
予定表をネタにねちっこく、難癖を付けてきたのはNだった。
隣には筋肉野郎。オレは研究授業の指導案にかかりっきりの
状態である。そこにNが、予定表ができているのかと振ってきたのだ。
無論、筋肉野郎も続いた。来るべきときが来たようだ。
カッと血がのぼった。あの、机に置いた予定表はどうした?と
筋肉野郎がしゃあしゃあと抜かす。右手が見えない銃を握り締める。
「明日までにできるんでしょうね!」とバカ女Nも抜かす。ジャキン、
左手にも銃が握られた。オレが、全部ゴミ箱に捨てたと言うと
筋肉野郎の顔色が変わった。バカ女は何事かを抜かしたが…
火を噴いたのはオレの二丁拳銃だった。
「そんなに、自分達が生徒のことを
わかっとんなら最初っから
てめえらがやればいいだろうが!!」
バカ女Nがわめき、筋肉野郎が「失礼でしょうが!」と吠える
「うるせえ、この言いなりの腰巾着が!
てめえこそ、これ見よがしな
下衆なマネしやがって、やっていいことと
悪いことの区別もつかんのかぁ!!」
二丁の拳銃は二人に向かって毒舌の弾丸をばら撒きまくった。
数人の先生が割って入る、オレは教務主任別室に連れて行かれ
事情を聴かれた。しかし、何かしてくれるわけでもなく
「キミのほうが格下だから」などと言われ、大いに失望した。
その後の話である。
ある日の学年集会の直前、バカ女Nが一度だけオレにヒステリックに
文句を言ってきたが、オレは「ハァ、そうですか。」とすっとぼけた。
そして、学年集会のときに自分が生徒全員に話をするときに言ったのだ。
「キミらはこれから先輩になる、
だが後輩を言葉でいじめたり
陰口を言うような汚い人間になるな。
そういう人間はオレは大嫌いだ!!」
と叫んだのだ。
生徒はどう思ったかはわからないが、あの『悪い見本』のようには
なってもらいたくないと数年経った今でも切に願っている。
あの日、学年集会のときオレの話を褒めたのはNだった。
わかってるのか…お前のことを言ったんだぜ……