高級ソファーと山椒魚 | didit sewing ~横浜・日吉の初心者向け洋裁アトリエ

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いつだったか、友人の家に遊びに行った時、
そこのお宅の高級ソファーにひどく恐怖を覚えて、


それ以来、

「大きくて重たい家具は絶対に買わない!」と密かに心に誓いました。




友人の家は、2階がリビングで、リビングの中心に大きな革張りのソファーがL字型に鎮座していました。


「高かった」と言う、そのソファーは、
買った当初はとっても嬉しかったのだけど、


今では見るたびに嫌な気持ちになる、と友人は言いました。



ソファーを買った数年後、子供が次々と生まれて、どんどん家が狭くなり、



リビングの奥の和室を子供部屋にしようにも、ソファーが邪魔で勉強机を運ぶのも
大変な苦労をしたとか、


雨や花粉症の季節に部屋に洗濯物を干したくても、ソファーが邪魔でできないとか、


とにかく邪魔でしょうがない!と。



捨てたくても、買った時の値段を思うと躊躇するし、

何より、階段から運べなくて、窓から吊って搬入したらしいのだけど、


その後、お隣に家が建って、窓からソファーを出すこともできない、と。


もう、どうすりゃいいの?
このソファーさえなかったら、もっと快適な家になるのに!

と嘆いていました。







その話を聞いて、私は、中学生の時に読んだ、
井伏鱒二の「山椒魚」を思い出しました。


教科書に載ってたんだっけ?

それとも、私が勝手に読んだのかな?


覚えてる?「山椒魚」

中学生の私は、あまりの恐怖に戦慄したことをよく覚えてる。






まだ小さかった山椒魚が、

沼の中の岩屋の隙間から、窖(あなぐら)に入っていって、


そこで「うっかり」2年を過ごしてしまったら、


自分の身体が成長して大きくなって、


入ってきた隙間から出ることが出来ずに
窖(あなぐら)に閉じこめられる、というお話。




こわくなーい?!
恐怖だよね!



寺山修司のこの本では、岩屋の窖は、
コカコーラの瓶になるんだけど。


池の中にコカコーラの瓶が落ちていて、
コーラの口から中に入った小魚が大きくなって、
出られなくなる、というね。




高級ソファーも、山椒魚も、そこに見える共通のキーワードは、「不自由」


私は子供の頃から、「不自由」に対する恐怖心が人一倍強いのかも。




最近、「山椒魚」を読み返してみたら、

そういえば、もうひとりの登場人物として、「カエル」が出てくるんだよね。



山椒魚と、カエルと、窖(あなぐら)

これは、何かのメタファーだと思って読むと、
まるで違う世界が見えてくる。



例えば、


家庭に閉じこめられたお姑さんが山椒魚で、

隙間からふっと、あなぐらに入り込んでしまったカエルが、お嫁さん。

あなぐらの中が家庭で、外が社会。


お嫁さんは若いし、社会人としての経験もあるから、社会に出ていけるし、出ていきたいんだけど、山椒魚のお姑さんが意地悪をして、

出口を塞いでしまって、カエルを閉じ込めるの。

そして、家庭内バトル。


そんな風に考えながら読むと、もう、そうとしか見えなくなってしまったりね。






短編なので、数分で読めちゃうよ。





本を読むのが苦手な人は、動画でどうぞ。







家具を断捨離しようかなぁ  と思って、片付けていたら、思い出したエピソードでした。







また、とりとめのない戯言を書いてしまった。


この記事は、読書カテにする?断捨離カテ?
わからんので日記カテ。



がま口の作り方は明日以降ね