FX 日経平均 Gold 等の週間予想(2024.6.16):ブレない植田総裁は凄い | 為替・株式・金利・その他市場予測のブログ【Trading DOC】

為替・株式・金利・その他市場予測のブログ【Trading DOC】

主要金融市場を予測するブログです。金融市場は他の市場に影響を及ぼさずに単独で動くことはありません。ここでは各市場の相関性に着目し、統計分析に基づいた予測を行っています。

金融市場週間予想(6/17-6/21)

ブレない植田総裁は凄い

2024年6月16日現在における6月17日から6月21日までのドル円相場の週間収束ポイントは150円98銭となっています。

この予想は過去200週間の為替や金利その他17市場の金融商品を基に統計手法による分析を行い計算した結果によるものです。

週末(14日)の米国株式市場は下落しました。S&P500種株価指数は前日比0.04%安の5,431.6となりました。ダウ工業株30種平均は0.15%安の38,589.16ドル、ナスダック総合指数は0.12%上昇しました。ドル円は157円37銭で終了しました。

 

今週の収束ポイントは以下の通りです。


ドル円150円98銭  ユーロ円164円25銭   豪ドル円101円58銭  日経平均38,548円  NYダウ38,577ドル 日本国債(10年)0.92% GOLD 2,288ドル 

 

フランスの政治危機懸念により世界の株式市場は下落、ドルや金などの安全資産に逃避買いが入りました。欧州議会選挙でフランス与党が極右政党の国民連合に敗北したことを受けて、マクロンフランス大統領は国民議会総選挙の実施を表明しました。フランスがイギリスのブレグジット(EU離脱)と同じ道を辿るのではないかという懸念から、フランス国債は急落、この動揺はイタリアにも飛び火し、イタリア国債も急落しました。

 

ドル円は日銀の金融政策発表(国債買い入れ減額計画の先送り)後に158円台まで急騰しましたが、日銀植田総裁が金融政策発表後の会見で7月会合での利上げの可能性もあり得るとしたため、158円台まで上昇していた円安が牽制され、157円30銭台で終了しました。

 

先週のブログで指摘したように、現在日本が利上げできるような状況にはなく、今回日銀が金融緩和政策を堅持したことは日本経済にとって良かったのではないか、と思います。一時ドル円の急騰(円安)はありましたが、会見でうまく乗り切り、今のところ前回の為替介入が行われた1ドル160円に近づく気配はありません。また、EU、カナダは金利を引き下げ、さらにフランスの政治不安の影響によるユーロの下落で相対的には円が強くなる状況にあるものと思われます。

 

日銀植田総裁は他国が金利を上昇させる中、辛抱強く金融緩和政策を継続しており、また記者からの質問に対しても詳細な説明を行い、様々な角度から想定されるシナリオをためらわずに回答するも、それが戦略的なメッセージとはならずに日銀の政策手段が温存できているように思われます。長期金利も1%を超えて急上昇することなく推移しており、ここで為替が円高に転換することになれば、結果的には非常に上手く立ち回ったことになるのではないかと考えられます。これからも植田総裁の政策調整能力に期待したいところです。

 

以上の相場予想はあくまでも統計分析に基づく安定収束モデルにより推計するものですので、この予想に基づいた投資の結果に対しては一切の責任を負うものではありません