金融市場週間予想(2024/1/28)
米国大統領選挙がもたらす市場の歪み
2024年1月28日現在における1月29日から2月2日までのドル円相場の週間収束ポイントは148円07銭となっています。
この予想は過去200週間の為替や金利その他17市場の金融商品を基に統計手法による分析を行い計算した結果によるものです。
週末の米国株式市場は上昇一服となりました。S&P500種株価指数は前日比0.07%安の4,890.97となり、ダウ工業株30種平均は0.16%高の38,109.43ドル、ナスダック総合指数は0.36%下落しました。ドルは対円で148円12銭で終了しました。
今週の収束ポイントは以下の通りです。
ドル円148円07銭 ユーロ円161円01銭 豪ドル円97円42銭 日経平均34,316円 NYダウ37,487ドル 日本国債(10年)0.68% GOLD 1,997ドル となっています。
米国株式市場は年内に数回に及ぶ利下げが行われる事を期待して、上昇継続中です。株高による消費意欲の向上効果はFRBのインフレ抑制施策とは逆行するものであり、実際、3月にも金利が引き下げられるとの観測が少しずつ後退し始めています。詰まることろ、今後の政策判断は「政策当局者が株高をどこまで容認できるか」に依るものと考えられます。
政策当局者が現在の米国の株高はバブルに近いと考えるのであれば金利引き下げは遠のくことになりますが、大統領選挙の年でもあり、米国株暴落を避けたい現政権にとってはハト派にならざるを得ないといった事情もあります。株高による資産効果でインフレが再燃し、FRBは再度利上げに追い込まれる可能性も考えられ、FRB理事達の発言が今まで以上に注目されるものと思われます。
ドル円については、FRBが利下げを急がず、日銀は利上げを急がない状況を鑑みると、短期的には円安に振れる可能性が大きくなっています。昨年末に米国の金利下げと日銀金利上げによる円高を見越したドル円のショートポジションが溜まっていたため、年初の株高由来のドル円の上昇に弾みがついています。直近高値の148円80銭を再トライするショートスクイーズ的な相場展開も念頭に置く必要が出てきました。
金融環境は一方向に定まらず多様に変化変容していきます。最近は特にこの傾向が顕著に現れている気がします。その時々の相場環境や状況に合わせてポジション操作を行える柔軟なマインドの必要性を痛感しますが、時に右往左往の損切り貧乏になりがちです。中長期的な視点を根幹に置いた投資を遂行するためにも相場のボラティリティに負けないポジション量の調整が肝要な時期ではないかと思われます。
以上の相場予想はあくまでも統計分析に基づく安定収束モデルにより推計するものですので、この予想に基づいた投資の結果に対しては一切の責任を負うものではありません