大むら @ 梅屋敷(京浜急行線) | CroquettePunchの “ 呑んでたまるか!”

大むら @ 梅屋敷(京浜急行線)

抗うことが出来ません,ひとたまりもありません.



何がって,うふふ,こんなの見ちゃいますとね.

もう暖簾をくぐらずにはいられない困った体質です.



《 大むら 》



これこれ,この行灯メニュウがなきゃだめね.

中華の部が赤文字になってるのも昔からのお約束.

こういう街蕎麦屋さんにはやっぱり黒電話が似合いますなあ.



お酒を注文しますとね,ええでしょう.

こんな気の利いたお通し(無料)が出てくるです.

これだけでご主人のお人柄がたちどころに伝わってくる.



お店はね,かなり古いんです.

たしか昭和40年頃のご創業ではなかったか.

でもね,床もテーブルも綺麗にされていて清々しい.

表のケースに飾られるサンプルも年代物ですが瑞々しい.



そして小さい,ほぼ正方形な造り.

4人用テーブルが5卓ほど並んでます.

おわかりでしょうか,この狭さが心地よいのです.



古いけど朽ちているわけじゃない,汚れているわけじゃない.

昔のものをきちんと手入れして大事に使っている,そんな感じ.



この鏡にしろ飾りガラスにしろアレですよね.

現代ではおそらく手に入りにくい代物ですよね.

古いものが現役してるのは見ていて気持ちが朗らかになる.



ご主人との世間話,いつしか映画の話題に.

お若い時から映画通のようです,かなりお詳しい.

私が観た映画はほとんど全てをご覧になっておられます.

さすが映画の街の近くにご開業されるだけありますな,むふふ.



昭和な風情の店内で,ご主人と古い映画の話を.

徳利が何本も開いてしまう,時間がゆっくりと過ぎてゆく.

こういうひと時が何ものにも代え難いのです,自身にとって.



古い時計の鐘がぼーんと一回.

いいねえ,こういうの,日常にある禅味.

幼い頃,祖父の家で聞いた音,心魂に染み付いた音.



何か注文しましょうか.

こういうお店のカレーライス,絶対にいいぞ.

他のお客さんの食べてるラーメンも捨てがたい.



であるので,うわっはは.

ご明察とは存じますがこうする.

ラーメン・半カレーセットです,最高です.



きゃ~っ,ご覧下さい,昭和好きにはおなじみです.

大衆カレーライスの伝統作法,お冷やスプーンです.

これ最近少なくなったよね,調べてみたんですよ,実は.

過去記事でなんと2回( )だけなんです,意外でしょ.



完璧な懐古式ラーメン()だね,これは.

立ち昇る香りは懐旧の趣き,ビジュアルも満点.

きざみ海苔はざるそば用の転用ね,蕎麦屋らしくていいでないの.



いいよ,いいねえ,お見事にまっ黄色いカレー.

昔ね,ハナ肇と坂上二郎が共演した古い東宝映画を観た.

二人が駅前のぼろい中華屋で食べるカレーもこんなだったなあ.





あ,美味しい.

こういうラーメンとカレー.

お互いに邪魔しない,衝突しない.

ってか,一緒に食べると風味が躍り上がるから不思議.





この界隈は懐かしい雰囲気があるから好き.

歩けば必ずや素敵なお店に出会えるから好き.